皆様こんにちは。リラ吉です。
現代社会において、うつ病などの精神疾患、寿命が延びたことによる認知症の増加は非常に大きな問題になっております。
私自身、仕事で悩み、休職を経験したこともありました。
今回の記事ではそんな精神疾患やうつ病の対策について書かれたスウェーデンの精神科医であるアンダース・ハンセンさん著書「一流の頭脳」についてご紹介します。
本書のポイント
本書に書かれている重要なポイントは下記の5つです。
- たとえわずかだったとしても運動をすると集中力の向上、ストレス解消に効果がある
- 習慣的な運動は副作用のないうつ病の「特効薬」にもなる
- 年齢を重ねるごとに脳は縮小していきますが、適度な運動をすることでそれを食い止めることができる
- 運動は脳の海馬や前頭葉の発達を促す
- 運動が脳にとって重要なのは人類の進化が関係している
上記ポイントの最初の3つは運動による効果、4つ目、5つ目はその理由になりますが1~4つ目のポイントはよく聞く話だと思います。
本書で一番面白いと思えるのは5つ目のポイントです。
私たち人間の進化の歴史を見ると約1万年前に農耕を始めました。約200年前に産業革命。そしてここ数十年でネットが普及という歴史になっています。
この歴史で見ると活動量は少なくとも半分に減りましたが、脳そのものは約1万年前からほとんど変わっていないというのが著者の意見です。
人類に限らず、生物は何万年もの年月をかけて緩やかに進化します。では生活様式はというとここ数十年で生物の進化のスピードをはるかにしのぐ速さで変わりました。
この生活様式の変化に脳も身体も追いつけていない状態である、また私たちの脳も身体も1万年前とそこまでかわっていないことから、当時の生活(=活動量が多い生活)に適した作りであり、最大のパフォーマンスを発揮するには適度な活動、つまり運動が必要だというのが著者の意見です。
そのような経緯から、「脳は適度な身体的負荷の下で最高のパフォーマンスをする」「変わらない脳が、速いスピードで変化する生活習慣に適応できず、様々な精神疾患が発生している」と著者は考えています。
感想
多くの方が「運動をすると集中力が上がる」「ストレス解消になる」と言っておりますが、その理由を人類の歴史から考えているのは非常に面白く感じました。
もちろん「運動が脳に良いのは人類の歴史のほとんどで体を動かしていたから」「様々な精神疾患が発生しているのは変化する生活習慣に適応できていないから」という意見が100%正しいかはわかりません。
ただ一つの意見としては参考になりますし、なにより運動をしようという気持ちにさせてくれる本かと思います。
今回の記事では紹介しませんでしたが、本書には効果の高い運動法についても書かれていますので、気になる方がいらっしゃいましたらぜひ購入していただけたらと思います。
それではまた。
リラ吉