2021年7月28日 水曜日 04:02

【書評】偉人達から成功する方法が学べる「ロケット科学者の思考法」の要約・感想

【書評】偉人達から成功する方法が学べる「ロケット科学者の思考法」の要約・感想

皆様こんにちは。リラ吉です。

1962年、ジョン・F・ケネディが「10年以内に月に人間を着陸させ、無事に地球に帰還させる」と宣言しました。

しかしながら、当時NASAは月面に着陸船を支えるだけの硬さがあるかどうかもわからなかったですし、そもそも月面に行くためのロケットに使う金属ですら作れていませんでした。

また、月の周回軌道に入るには正確性が求められます。それは8.5メートル先の桃を目がけてダーツを投げ、実に触れることなくうぶ毛を剥がすほどの正確さです。

地球に帰還する際は、寸分の狂いのない角度で大気圏に突入する必要があります。それはコインに刻まれた180の溝から特定の溝を見つけるくらいの精密さが必要になります。

月に人間を着陸させ、無事に地球に帰還させるという不可能ともいえるミッションはジョン・F・ケネディの宣言の7年後に達成されます。

この偉大な飛躍はロケット科学者が用いた思考プロセスによって成し遂げられました。
そして、その思考は現在においても多くの人が使い、成功しています。

その思考法について書かれた本が「ロケット科学者の思考法」です。この本は下記のような悩みを持つ方々にオススメできます。

  • 仕事をしていても良いアイディアが浮かばず、悩んでいる
  • 改善が出来ない
  • なかなか成長できない、あるいはもっと成長したいと感じている
  • チームの成績が悪く、悩んでいる

これらはかなり多くの方が当てはまると思います。なので社会人、学生問わず、万人におすすめできる本になっています。

今回の記事では、多くの成功者が用いており、上記のような悩みを解決する思考法が書かれた「ロケット科学者の思考法」をご紹介していきます。

内容の要約

不確実性を怖れない

当時、人間を月という未知なる場所へ送るということに確実な方法はありませんでした(=不確実なものだった)。そして現在も不確実なもの・未知のものは身の回りにあふれています。

不確実なもの・未知のものを私たち人間は怖れ、不確実な場所の中に確実なものを求めます。しかし、確実性を求めると、人間は今いる場所に留まり、下記の例ような表面的に安全な方法、おなじみの方法を取ってしまいます。

  • 悪い状況なのに販売担当が相も変わらず決まった方法を繰り返し、それでいて違う結果を期待する
  • 起業したいと思いながら、将来性のない仕事を辞めない

決まった方法を繰り返すのは、安全でおなじみの方法ですし、仕事を辞めないというのは、給料という確実性(安定性)を求めるという、安全な今いる場所に留まるという人間の習性からです。

しかし成功するには確かなものを求める(=今の場所に留まり、安全、あるいはおなじみの方法を取る)のをやめて、未知に心を躍らせ必要が必要があります。

数学者のアンドリュー・ワイズは長年証明されていなかった(=未知であった)フェルマーの最終定理(3以上の自然数nについて、xn + yn = zn となる自然数の組は存在しない)に10歳の時に出会い、心を躍らせ、長い年月をかけて証明しました。そして証明までのプロセスを次のように灯りのついていない家の中を歩くことになぞらえました。

彼によれば、最初の部屋では手を伸ばし、何かに指で触れ、ぶつかったりします。幾度となく方向感覚を失い、混乱に陥りながらもライトのスイッチを見つけます。そしたら隣の部屋に行き、そのプロセスを繰り返すとのことです。

また、成功するためには無知であること(不確かであり、自分が知らないということ)を認めること大切です。「わかりません」という言葉を発する時、慢心がしぼみ、心が開かれ、まわりの声に耳を傾けるようになります。

ただ「わからない」「不透明である」ことは恐怖の対象です。そんなときは「怖いものに名前を付ける、そして可能であれば、それが引き起こす最悪のシナリオと最高のシナリオを紙に書く」と良いとのことです。書きだすことで、自分が何を知っていて何を知らないかが明らかになるからです。

 

第一原理から判断する

「これがいつものやり方だから」が生む思考停止も危険です。時として、決まったやり方が出口を隠し、抜け出すのが難しくなることがあります。

プロセスとは過去に生じた問題に対処するための過程で生まれたもので、本質的に後ろを振り返ることです。時間がたてば時代遅れの手順のせいで目詰まりを起こします。

Amazonのジェフ・ベゾスは「若手が結果の悪さを『プロセス通りやったんですが』と正当化することがよくある。用心しないとプロセスが問題になりかねない」と忠告しています。「私達がプロセスを管理しているのか。プロセスが私達を管理しているのか」と問いかける習慣を身に着け、必要があれば知識を手放して最初からやり直す必要があるということです。

また「みんながやっている」も時によっては危険な考え方です。他の誰かが極めた何かを学ぶことには大きな価値があります。そもそも学びの一歩目は真似をすることだからです。

しかし学びとやみくもな真似(猿真似)には違いがあります。

投資家のウォーレン・バフェットも「最も危険な言葉は『ほかのだれかもやっている』だ」と語っています。皆がやっている競争の真っただ中に入っていくということは「自分より前にいた人たちを相手にした賢さコンテストに巻き込まれる」ということだからです。

第一原理とは複雑な問題に関して、絶対に確実だと最も根本となる不変の基本法則・原則の事です。第一原理思考は自分の基本の要素(最も根本となる基本法則・原則)が残るまでその問題を分解、あるいは捨てることを言います。最終的に残ったものが不変の基本原則で、それ以外は変更の余地がある物事です。

イーロン・マスクはロケットを購入しようとし、アメリカ、ロシアの両方で法外な価格を提示されました。

ロシアからの帰国の途中。ロケットを買うのではなく、作るのはどうかと考えました。彼はロケットを最も小さい原材料まで分解し(=第一原理を考え)、その市場価値がどのくらいなのか調べていきました。

市場価値を調べた結果、材料費はロケットの価格の2%ほどしかなく、価格が大きくなる原因か外部委託であるということがわかりました。

そこでコストも品質も生産ペースを効率的に管理できる自社製造にすることにしました。さらに従来のロケットが再利用不可能だったのに対し、一部を再利用可能にしました。

第一原理思考の目的はイーロン・マスクのように基本要素を考え、身につけて、新しいものを作ることですが、それだけではなく、自分自身を分解、あるいは捨てて自分の中の原材料(=第一原理)を見つけ、新しい自分を作ることも出来ます。

自分の過去の実績を捨て、第一原理思考を自分自身に当てはめた人物としてスティーブ・ジョブズが挙げられます。

1985年、Appleから追い出されたジョブズは第一原理に立ち戻らざるを得なくなりました。成功者としての重圧が消え(捨て)、もう一度初心者になり、人生で最高に創造的な時期に入ることができたと語っています。

物事の問題、自分自身の問題の最も素晴らしい解決策とは、最小限の要素を使って最大限の問題を解くものとのことです。

 

思考実験で解決する

アインシュタインが数々の偉業を成し遂げたのは空想にふけり、その中でひとつひとつの発明が実際にどう機能するのかをイメージするという思考実験の成果だと彼は述べています。

発明家のニコラ・テスラも頭の中で、芸術家のレオナルド・ダヴィンチはノートを使って思考実験をしていました。

彼らは所謂天才ですが、思考実験は天才だけのものでありません。自覚はないかもしれませんが、誰もが実験者で突然のひらめきを意識の下に隠しており、一見無用に思える好奇心からくる研究や思考実験がそうしたひらめきを明らかにするのに必要です。

しかしながら多く人は大人になるにつれ、好奇心は失われていきます。好奇心は子供がそうであるように遊び欲からくるものが多いですが、大人になると知識欲は美徳、遊び欲は悪とみなすようになってしまいます。

ただ知識と遊びは互いに補い合うべきであり、知識があり、そこに子供のような好奇心があれば、独自性を高めることが出来ます。

子供のような好奇心を取り戻す方法として、自由時間に7歳のころの自分をイメージするようにするといいのことです。これを行った人はクリエイティブ思考をはかるテストの成績が向上したという研究結果もでています。

 

ムーンショット思考

月は私達の祖先が初めて空を見上げた時から、地球の向こう側を知りたいという原始的な本能に訴えてきました。しかしそれは人類には到底手の届かないムーンショットでした。

ムーンショット思考とは達成が難しそうな壮大な目標を掲げ、それを実現するために既存の価値観を打ち破る、独創的な方法で課題に取り組もうという考え方です。

もちろんムーンショットの中にはあまりに非現実的なものも存在します。何も全てのムーンショットを実行に移す必要はありません。

自分の将来を一つのムーンショットに賭けないかぎり、アイデアのポートフォリオのバランスが取れていれば、大半のアイディアが夢物語に終わっても、十二分に埋め合わせをすることができます。

ムーンショットを阻む大きな障害物はあなたの頭の中にあり、ムーンショットより小さい夢の方が賢いと信じるように刷り込まれています。

アイデアを出したらそれらを評価し、絞り込む必要があります。会議に出ると「アイデアを掘り下げてみよう」と言いながら、アイデアをこき下ろすのに忙しかったりします。「それは前にも試した」「幹部が許可しないだろう」と言ってアイデアの創出は始まりもしないうちに終わります。その結果、昨日と同じことをただ繰り返す羽目になるわけです。

 

質問を変える

問題を解決しようとする際、私達は本能的に答えを見つけたいと思います。

ただ問題に馴染みがあり、自分が正しい答えを知っていると思っていると、私達は他の答えを探すのをやめてしまいます。

社会人の世界では問題が整った状態で渡されることは滅多にありません。私達はそれを自分で見つけ、定義、再定義しなければなりません。

しかしいざ問題を見つけたら、もっと解決すべき他の問題があるかを考えずに、解答しようとしてしまいます。口では正しい問題を見極めるのが重要だと言っていながらです。

創造性に富む人々はしばらくの時間をかけて様々なアングルから問題を眺め、解決の段階に入っても問題の定義に変化を加える準備をしています。

 

方向転換をする

事実というのは頑固なものですが、私たちの頭はそれよりもさらに頑固です。賢明な人でさえ事実を目の当たりにしても、必ずしも疑念が解消されるわけではありません。頭は時として事実を受け入れられないのです。

私達は自分が信じていることを否定する証拠・事実を過小評価し。正当性を確認できる証拠・事実を過大評価する傾向にあります。

自分の理論の正当性を確認できるのは、自分が正しいと証明されるので気分がいいですが、対照的に、対立する意見を聞くのはイライラするし、不快な気分になります。皆さんも経験はあるかと思います。

ただ大切なのはリンカーンが「あの男は嫌いだ、彼のことをよく知らなければなるまい」といったように、自分の考えの正当性を証明することから誤りを証明することに方向転換することです。誤りに焦点を当てれば、対立する意見や主張に耳を傾け、もっと優れた考えを思いつく余裕が生まれてきます。

 

本番のようにテストし、テストしたように本番をする

ロケット科学者の基本原則の中に「飛ぶようにテストし、テストしたように飛ばせ」というものがあります。

意思決定の多くはただの一度も試されることなく新製品を投入したり新たなアプローチを取り入れたりしています。しかし、それが失敗したときのコストに気が付いてきないことが多いです。

テストは今後のために不確実なものを明らかにする目的でも行わなければなりません。

正しいテストの目的は順調にいきそうなことを明らかにするのではなく、失敗する可能性のあるあらゆることを突き止めて、限界点見つけることです。

ロケット科学者も宇宙船を破壊しようとします。全ての欠陥を暴き出す為に、ネジ1本にいたるまで、宇宙で待ち受けている環境あるいはそれに近い環境に晒す必要があります。

また、テストの際に宇宙飛行士を追い込んで間違った行動をわざと起こさせます。それを教訓に宇宙で正しい行動を取れるようにする為です。

実際に体験するのと同じ状況に身を置くこと、そして時としてわざと失敗する事で正しい判断へ近づけるというわけです。

 

失敗を成功に変える

失敗はハッキリ言って嫌なものです。仕事で失敗したり、大学で単位を落とせば嫌な気分ですし、参加賞ももらえません。その上、成功した時の高揚感は一瞬なのに、失敗した時の痛みや無力感は長いこと続きます。

しかし、失敗からは多くのことを得られます。失敗し、学習し、調整と改善を重ねていくことが大切です。

失敗とはデータです。きちんと対処すれば失敗は最高の教師になります。エジソンも何も発見できなかった際、「このやり方で上手くいかないことがわかった。今度は別の方法で試してみよう」と語っています。

小さな失敗は予防接種のようなものです。小さな失敗(予防接種でいう弱毒された抗原の投与)をし、失敗を理解し、そこから学び、対処法を身に着けることで大きな失敗(大きな病気)を未然に防ぐ、あるいはダメージを少なくすることが出来ます。

また、たった一度の失敗と取り返しのつかない敗北と混同してはいけません。ひとつの失敗を終わりではなく始まりにすることができます。失敗は障害ではなく、進歩への入口なのです。

罰を受けない環境も必要です。優秀な成績のチームは「失敗しても罰を受けないチーム」「ミスを報告できるチーム」で、成績の悪いチームは「失敗すると侮辱される、怒鳴られるチーム」が多いという研究結果も出ています。

小さなミスはどんなに優秀なチームでも日々起こってしまいます。失敗を侮辱するようなチームでは、小さなミスは報告しなくなります。小さなミスを報告せず、沈黙を守り続けることがもたらす長期的に結果は最悪なものになってしまいます。失敗しても罰を受けない、失敗を報告できる環境は成長し、成績を上げるには必要な環境なのです。

 

成功は失敗のもと

スペースシャトルコロンビア号が空中分解し、7人の宇宙飛行士全員が死亡した原因は発泡断熱材がはがれて左翼に衝突し、耐熱パネルに穴が開いてしまったからでした。

しかし、コロンビア号の惨事の前も、断熱材は毎回剥がれ落ちており、それでも打ち上げは成功していたため、NASA内ではこのままでいいという信念が強くなってしまっていました。

偶然勝ちが続いていても次は勝てるとは限らないのです。ビルゲイツが言ったように成功は「ひどい教師」であり、成功は自分は失敗するはずないと勘違いさせるのです。

いくつかのミスをしても、結果として成功することは実際にはあります。しかし、こういうミスは成功の影に隠れてしまいます。

私達は成功したが、ミスもしたし、無駄なリスクもとった、と反省しなければ、その先には惨事が待っています。

成功しても失敗しても事後分析をすべきであり、成功していたとしても、上手くいかなかったこと、どんな運やチャンスや有利な条件に恵まれたか、そこから何を学べる考えなければいけません。

個人的な感想

個人的な感想としては、内容は難しすぎず、簡単すぎずの内容ですが、例が多く非常に理解しやすかったです。

少し意外だったのが、最初に月面に行くためのロケットの話をしたので「月に行くまでの課題や乗り越えた方法」が書かれているのかと思いましたが、アインシュタインなどの偉人やジェフ・ベゾスやイーロン・マスクなど、近年有名になった方の話が多かったことです。

近年の話のほうが身近であり、理解しやすかったので、特に気になりませんでしたが、人によっては「月面に行った時の話をもっと書いてほしい」と思う方がいてもおかしくないかなとも思いました。

内容に関してはどの章に書かれていることも仕事、勉強をしていく上で使える内容だったので得られるものは多かったです。

値段は1800円+税でしたが、ページ数も約400ページとそれなりの長さであり、内容が良かったこともあり、確実に値段以上の価値があるなとも感じました。

欠点を挙げるなら「図がないこと」です。図は文字よりも理解しやすく、また記憶にも残るので、あればよかったなと思いました。

 

まとめ

以上がロケット科学者の思考法の要約・感想、個人的な経験になります。

過去の偉人や現在活躍している方々の考え方が学べるため、仕事をしている方にも勉強をしている方にも非常におすすめです。

お値段的にもこの内容であれば確実に安いと感じられるかと思います。

なので、もしご興味がある方は書店等でぜひ手に取っていただけたらと思います。

今回は以上です。それではまた。

リラ吉

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【書評】「ディズニーCEOが実践する10の原則」の要約・感想

皆様こんにちは。リラ吉です。 ウォルト・ディズニー・カンパニー、通称「ディズニー」は映画やキャラクター、ディズニーランドをはじめとするテーマパーク、ホテルなど、様々な事業に取り組み、そして成功している誰もが知っている大企業です。 今でこそ、世界最大級のエンターテイメント会社ですが、そんなディズニーも90年代に低迷してしまいました。 しかし、低迷していたディズニーはある人物をCEOに任命したことにより、立ち直ります。 その人物こそが「ロバート・アイガー」です。では、彼がCEOになり、ディズニーを立て直すまで、どのような人生を送ってきたのでしょうか? 今回の記事では彼の成功の数々を追体験できる、ロバート・アイガー氏の本「ディズニーCEOが実践する10の原則」をご紹介していきます。 内容 10の原則 著者がこれまでに学んだことを振り返ると、下記の真のリーダーシップに必要な10の原則が浮かび上がってきます。 1.前向きであること リーダーは前向き、つまり熱意をもって高い目標に取り組まなければなりません。悲観的なリーダーは人々をやる気にさせることが出来ません。 2.勇気を持つこと 変化と競争が激しい世の中では、リスクテイクが必要であり、イノベーションは欠かせません。そしてイノベーションは、人々が勇気を持った時に生み出されます。 3.集中すること 最も重要で価値の高い戦略やプロジェクトに時間と労力を注ぎ込むことが極めて大切です。 4.決断すること 多様な意見を尊重しながら、タイムリーに判断を下し、実行する必要があります。 5.好奇心を持つこと 好奇心は場所、考え方との出会いに繋がります。イノベーションのきっかけは好奇心なのです。 6.公平であること リーダーは公平に接し、他者に共感できる近寄りやすい存在でなければなりません。 7.思慮深いこと 思慮深さとは知恵を身に着けるプロセスです。思慮深いリーダーの意見や判断は信頼できるし、正しいことが多いです。 8.自然体であること 正直でありのままのあなたでいましょう。敬意と信頼は、嘘のないリーダーによって育まれます。 9.常に最高を追求すること ほどほどで妥協しないことが大切です。改善の余地があると思ったら、もっといいものにするために力を注ぎましょう。 10.誠実であること 誠実であることは何より大切です。大きなことにも小さなことにも倫理的に高い基準を設けられるかが組織の成功を左右します。 これらの考えは著者の長いキャリアで体験した逸話や事例を読めばより具体的に、身近に感じられるでしょう。 下っ端時代 著者は大学を卒業後、テレビ局のABCで働き始めました。最初はスタジオ管理の仕事で、華やかなテレビの舞台とは違い、いじめなど、今ではクビになっているに違いない行為多い職場で長時間の雑用をしていました。 その後、クビになりそうになりながらも、スポーツ関係の部署に異動し、ルーンと出会います。彼から新しいものや証明されていないものを怖がったらイノベーションはできない事、そして「もっといいものを作るために必要なことをしろ」「最高を追求しろ」という教訓を学びました。 ルーンからはそのほかに、「イノベーションを起こさなければ死ぬ」「出来ないなら他の方法を探して目標を達成すること」「やってはいけないのは失敗することではなく、自分のせいでないフリをしたり、誰かに罪をなすりつけること」ということを学びました。 大抜擢 34歳の時に著者はABCスポーツのバイスプレジデントになりましたが、その後すぐにABCの四分の一の規模であるキャピタル・シティーズ・コミュニケーションズにABCは買収されました。 キャピタル・シティーズ・コミュニケーションズのトップ、トムとダンはテレビビジネスの変化を予見しておりましたし、コスト管理を徹底して、何でもかんでもお金をかけるのではなく、使うべきところにお金を使っていました。 ルーンはトムとダンによって今でやっていたスポーツと報道のどちらか一つに専念するように言われ、報道を選びました。 残された著者が所属するスポーツ部門のトップにトムとダンが指名したのは、スポーツ番組を担当したことのないデニスでした。デニスは知ったかぶりをせず、わからないことはわからないと言い、部下のことを第一に考えている人でした。 デニスがもともと心の広い人物だったのもありますが、この文化を作り上げたのはトムとダンでした。彼らは正直で敬意を持って人と接する人物でした。 著者は自分のことを馴染みのないことでもやり遂げる力があると証明したがる人物だと考えています。そういう意味では経験より能力を重んじ、本人ができると思っている以上の力を求められる仕事を部下に与えるトムとダンは理想の上司でした。 その後トムとダンは著者をABCエンターテイメントの社長に任命しましたが、エンターテイメント業界出身でない人間をABCエンターテイメントのトップに据えるのははじめてのことでした。ですがトムとダンは「君ならできる」とその仕事を与えました。 首位奪還 ABCエンターテイメントのトップに着任してすぐは、戸惑いもありましたが、「やるべきことをやれ」「経験がないということは言い訳にはならない」と心に刻みました。 そんな時にどうするかというと、自分を偽らず、謙虚に知らないことを知るところから始めなければいけません。 トップという立場でも必要なことは聞き、理解できないことははっきり認め、学ぶべきことは努力して早く学ぶことが大切です。本物のリーダーシップとは、自分が何者か知り、誰かのふりをしないことなのです。 著者がABCエンターテイメントのトップだった時、上手くいった番組もあればこけた番組もありましたが、著者が学んだことは努力不足はいけないが、避けられない失敗ならしてもいいと腹をくくらなければ、イノベーションは起こせないということでした。 その後、ABCテレビジョン・ネットワークの社長に就任してすぐ、ダンの引退と共にキャピタル・シティーズ/ABCのCOOに就任しました ディズニー入社 COOに就任後、キャピタル・シティーズ/ABCはディズニーに買収されました。 自分が社長、つまりディズニーのNo.2になれるかもと思っていた著者でしたが、実際には別の人が選ばれてしまいます。一瞬がっかりしたものの、仕事がうまくいくように努力することの方が先でした。 しかし、社長に就任した人物はCEOの右腕としては不十分で、自分の時間を管理し、他人の時間を尊重するという管理職に必要なスキルをまるでわかっていなかったし、他の人の問題に耳を傾け、解決策を見つける手助けをすということもしなかったため、当然ながら、その社長はクビになりました。 No.2 それから3年間、ディズニーにはNo.2を置かずに経営を続けました。 しかし、1999年の終わりにはずっと1人でディズニーの経営を切り盛りしてきたCEOのマイケルにしわ寄せがやってきました。彼がNo.2を指名したがらないことが、ディズニー全体に悪影響を与えてしまったのです。 著者が休暇中にCEOと取締役数人が夕食を共にし、後継者について話し合った際に、著者を後釜に据えることはないと、CEOは宣言しましたと聞かされましたが、後日著者がら呼び出されて言われたのはCOO、つまりNo.2に任命されました。 内紛 COOに指名された頃、伝統的なメディアの終わりが始まり、世界が変わろうとしている時代でした。 世界が変わっていることを誰よりも体現する存在が、アップルの経営者で、ピクサーのCEOであるスティーブ・ジョブズでした。 ピクサーはディズニーにとって重要なパートナーでしたが、アップルのやり方を非難するなどして、ディズニーとピクサーの(というかディズニーのCEOのマイケルとスティーブ・ジョブズの)関係は悪化していきました。 そのことに加え、同時多発テロが起き、標的にされかねなくなったということや、コムキャスト社がディズニーを買収しようとしていたこと、CEOのマイケルと重鎮取締役ロイ・ディズニーとの対立などがあり、ディズニーは問題が山積みになっていました。 問題が多くなりすぎたことから、結果的にマイケルは2006年の任期満了をもって引退することが決定し、ディズニーはそれまでに後継者を探さなければいけませんでした。 後継者選び 著者がCEOになるには、取締役が求めている変革者だと信じてもらわうために、説得しなければなりませんでした。 著者がやったことは三つの戦略的優先順位を決め、「自分たちの行きたい場所はここだ。そこにたどり着くにはこうすればいい」と伝えることでした。つまり。ディズニーや著者の過去の実績の話ではなく、未来の戦略を話しました。 しかし、ディズニーのCEO選びはなかなか進みませんでした。著者は取締役会、マスコミ等の質問、批判を受け、パニック障害を引き起こしたこともありました。 一連の出来事や世の中の評価を考えると、取締役会が変化を求めて外部の人を指名する可能性も充分に考えられましたが、最終的には著者がCEOに決まりました。 最初の100日 CEOとなった著者は、今後半年の間にやらなければいけないことをまとめました。その中には「ロイ・ディズニーとの和解」「ピクサー及びスティーブ・ジョブズとの関係を修復する」などがありました。 著者はロイ・ディズニーが求めていたのは敬意ということに気づきました。ほんの少し敬意を払うだけで信じられないようなことが起こり、逆に敬意を欠くと大きな損をします。敬意を払うというのは一見つまらなそうなことですが、敬意をもって共感をもって働きかけ、人を巻き込めば、不可能と思えることも現実になるのです。 ピクサー買収 新しいiPodでディズニーのテレビ番組を配信する件について、スティーブ・ジョブズと話し合うようにはなっていましたが、ピクサーの話に応じてくれても、ジョブズが持ち寄る条件はいつも、ピクサーの有利になるようなものばかりでした。 そんなとき、著者はピクサーを買収するという考えを思いつきます。そのことを緊張で汗が噴き出す中、そのことをジョブズに伝えると「あぁ、それならとんでもないってこともないな」と返答がありました。 ジョブズのと会議で、ジョブズはホワイトボードに片側に「メリット」、反対側に「デメリット」と書き、ピクサーを売却するデメリットを余るほど書いていきました。対して著者はメリットを一握りしか言えませんでした。 しかしジョブズは「メリットは少ないが間違いないものだし、沢山のデメリットより重要だ」と述べました。 ジョブズはメリットとデメリットのすべての重要性を推し量り、デメリットの多さに騙されてメリットの重みを、特に彼が成し遂げたいことを見失いませんでした。それこそがジョブズがジョブズたる所以でした。 ピクサー買収をする方向性で進めていた著者ですが、反対意見は少なくありませんでした。しかし、最終的には取締役会を説得、ジョブズから癌が再発した話も聞きましたが、買収は成立しました。 マーベル買収 2008年、良質なオリジナルコンテンツを増やすために、次に買収を考えたのはマーベルでした。 2009年、ようやくマーベルCEOのアイクと話し合う機会を作りました。彼は瀕死になったマーベルを手に入れて、その頭脳と執念で立て直したほどの人物でした。 アイクとの食事などを通じて、話を進めていき、買収することに同意してもらいました。 アイクが同意した決め手はジョブズでした。ジョブズは電話で「ロバート・アイガー(著者)は約束を守る人間」だと伝えたことが決め手となりました。 もちろんマーベルの社員には不安を感じる人間も少なくありませんでした。著者はピクサーを買収した際にも言った、「君たちらしさに価値があるのに、それを変えてしまったら買った意味がなくなる」という言葉をマーベル社員に伝えました。 スターウォーズ継承 マーベル買収を終えてから、ずっとルーカスフィルムは買収候補のトップに上がっていました。 ルーカスフィルムのジョージ・ルーカスの中では、ルーカス・フィルムはピクサーと同じくらい価値があったが、ディズニーにとってはそこまでの価値はありませんでした。いつかそうなる可能性はありましたが、そこにたどり着くまでには何年も努力し、偉大な作品を作らなければなりません。 守秘義務契約を結び、ルーカス・フィルムを調査し、適正な価格を提示、ジョージ・ルーカスは買収価格に合意しました。ただ、問題はジョージの役割でした。 経営者として彼に「好きな映画を好きな時に撮ってください」とは言えません。しかし、スターウォーズをジョージが手放すとは思えなかったのです。 結局、税制の改正もあって、彼は嫌々ながら買収に合意しました。彼にとってスターウォーズという自分の子供同然の手放すことは非常に辛いものでした。 彼の気持ちは痛いほどわかっていましたが、著者は経営者としての責務を果たす必要がありました。しかし、それでも彼には切実に接しました。 これまでのピクサー、マーベル、ルーカス・フィルムの買収に共通していたのは、支配的な所有者と信頼を築けるかでした。そしてその鍵は誠実であるかどうかです。 信頼を築けることでこの3社を買収し、良い関係でいることができたのです。 イノベーションか死か 3社の買収は終わり、自分達のコンテンツをテクノロジープラットフォームを使って直接消費者にコンテンツを届ける時が来ました。 そのためにやり遂げなければならないのははっきりしていました。イノベーションを起こすことです。できないなら生き残れません。 ディズニーはBAMテック社を完全買収し、支配的所有権を取得して、動画配信サービスを立ち上げることを発表しました。それがESPNプラスとディズニープラスでした。 その後、ディズニーは報酬制度の変更など、イノベーションに不要な伝統をどんどん捨てていきました。 正義の代償 イノベーションが業界を変えていることは間違いありませんでしたが、テクノロジーの変化よりも深い意味で社会の姿を変えるような変革が起きていました。 特にエンターテイメントの世界ではハリウッドやあらゆる職場でのセクハラや性別差別に対して行動が起こり始めていました。 ディズニーもまた、社員が安心して働ける環境を作り出し、維持するために、社内の全ての人が意見できるようなプロセスを置き、告発者を守ることを強調しました。 それから半年間は課題が山積みでした。動画配信サービス、人事問題、フォックスの買収に向けての分析と交渉などです。 さらに、ESPN社長のジョンが薬物問題を告白しました。彼は優秀な人物で、失うのは痛かったですが、正しいことをするために、ジョンは辞任、ディズニーはESPNとアニメーションという柱になる2つの事業のリーダーを失いました。 また、テレビシリーズ「ロザンヌ」の主演、ロザンヌ・バーがTwitterで炎上、商業的には存続が正しいですが、人として正しいことをするために「ロザンヌ」の打ち切りを決定しました。 未来への布石 フォックスの買収を進めていましたが、コムキャスト社がディズニーが提示した額よりもはるかに高い額を提示しました。 ディズニーはその額より高い額を提示、買収合意が発表されました。これにより買収の問題も収まり、良いタイミングで配信サービスの情報を株主に公開しました。 最終的には全てのディズニー作品、マーベル作品、さらにシンプソンズをはじめとする買収したフォックスの作品も提供できるようになること、スマートフォンのアプリがどのように動くか、月額料金はいくらなのかなどの説明をしました。 著者がここまで来れたのには素晴らしい指導者との出会いがあったからです。彼らからできる限り全て吸収しました。 著者はミッキーマウスクラブを見て育ち、生まれて初めて映画館に行った際にはシンデレラを見に行きました。そんな著者がディズニーの遺産を守り、次の世代に引き継ぐ立場になったことが信じられないと語っています。 世界中から権力者、重要人物だと祭り上げられても、自分を見失わないことがリーダーの本質です。自分を過信した瞬間、肩書きに頼り始めた瞬間に自分を見失ってしまいます。 人生のどの段階にいても、自分という人物は今も昔も変わらないということを心に留めてること、それが何より難しく、なによりも大切な教訓なのです。 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || ).push({}); 個人的な感想 まず、少し驚いたことがタイトルでした。このタイトルだと、「7つの習慣」のように10の原則についてそれぞれの章で詳しく書かれているのかと思いきや、この本は著者であるロバート・アイガー氏の1974年の下っ端時代から2019年までを追体験し、この10の原則を彼のキャリアを通して理解するという内容でした。 そのような予想と違った面もありましたが、10の原則はもちろんのこと、どのような人と出会い、学び、力をつけていったか、そしてどのように会社を導いたのかを著者の実体験を通して学べる本ため、非常に理解しやすかったです。 また、読んでいて非常に楽しかった本でもあります。著者の人生を追体験できる本なので、続きが気になるのです。電車で読んでいて、目的の駅に着いた時は「この後ディズニーと著者はどうなるのか続きが気になるのに降りなくちゃいけないのか」と思えるほどでした。 特にスティーブ・ジョブズとのやり取りは特に面白く、また参考になりました。ジョブズと著者のような世界のリーダーの考えを私はできていませんが、「このように考えられるようにする」という目標を与えてくれました。もちろんその目標を達成するのは非常に難しいですが、著者の言う通り「熱意をもって高い目標に取り組むことが大切」なのだと思います。 一番参考になったのは、著者のように「地位、立場に関係なく、わからないことは聞いて理解する」「謙虚な姿勢で努力する」「目指すべきところ、やるべきことをはっきりさせる」ことが大切であるということです。これは誰にでもできることではないかもしれませんが、誰もが実践すべきことであると感じました。 あとはこの本に対する投資対効果ですが、定性的ではありますが、これは間違いなく投資額以上の効果があると思います。この本は2310円(2100円+税)でしたが、2310円でリーダーとしての心得や、著者の成功までの人生を追体験は普通出来ません。 読むことをおすすめできるのは、周りから信頼されたい、成功したいと思っている方です。社会人の方のほうが理解、共感は出来ると思いますが、実力をつけ、敬意と信頼を得たいと思っている学生の方にもおすすめできる本だと思います。 まとめ 以上が「ディズニーCEOが実践する10の原則」の内容の要約、感想になります。 ロバート・アイガー氏がどのようにして世界的なリーダーになったのかを追体験できる本であり、彼のキャリアを通じて、大切な10の原則が学べる本です。 面白い本であると同時に、皆様の年齢、立場にかかわらず参考になる本であり、読む価値は十分にあるかと思います。 もしご興味がありましたら、ぜひ読んでいただけたらと思います。 今回は以上です。それではまた。 リラ吉 ディズニーCEOが実践する10の原則 価格:2310円(税込、送料無料) (2021/6/16時点)楽天で購入

【書評】DXの本質とは?「アフターデジタル2 UXと自由」の要約・感想

皆様こんにちは。リラ吉です。 近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉を聞くことが増えました。 DXとは「文書や手続きを単に電子化するだけではなく、ITを徹底的に活用することで、手続きを簡単・便利にし、蓄積されたデータを政策立案に役立て、国民と行政、双方の生産性を抜本的に向上することを目指します」と経済産業省は定義しており、その考えから、リモートワークやデリバリーフード、銀行振り込みなど、様々なものがオンライン上で出来るようになっています。 しかし、日本はデジタル化が遅く、オフラインのものが多いというのが現状です。 ではDXの実現にはどのようなことが必要なのでしょうか?そしてDXが実現された社会とはどのような社会なのでしょうか? 本記事ではそれらのことについて書いてある藤井 保文さんの本「アフターデジタル2 UXと自由」について書きたいと思います。 内容の要約 オフラインのない状態がくる 中国の都市部では現金の使用率が5%以下まで低下し、モバイルペイメントの利用が浸透しています。デリバリーフードもアプリで済ませ、都市部の移動もシェアリング自転車を使う人が増えています。 このようにもともとオフラインだったものが次々とオンラインデータ化し、個人のIDと紐付けられ、膨大な行動データが利活用可能になっています。日本もだんだんとそうなってきています。そして行動データを利活用できないプレイヤーは負けていく時代なのです。 アフターデジタル社会において成功企業が共通で持っている思考法を「OMO」と言います。OMOは「オンラインとオフラインを分けるのではなく、一体のジャーニーとして捉えて、これをオンラインの競争原理から考える」というものです。 ジャーニーとは人の行動、思考、感情などの見える化したものを指します。これにより、オンライン、オフラインという区別を意識しなくても、そのとき最適な方法を選ぶことができます。 これまでは製品を販売するというゴールに向かって企画、生産し、売っていくというビジネスモデルでした。これからは製品はあくまで顧客との接点の一つと考え、他の接点である、アプリ、店舗などと等しく扱われます。 すべての接点が1つのコンセプトでまとめ上げられ、その世界観を体現したジャーニーに顧客が載り続け、企業は顧客に寄り添い続ける、そうした新しい型(バリュージャーニー)に変化します。このバリュージャーニーの時代では顧客を状況レベルで理解するほど強くなります。 ソフトバンクの孫正義はペイメント機能に始まり、移動、飲食、金融など生活インフラ機能を全方面でとらえたアプリを「スーパーアプリ」と表現しました。スーパーアプリで重要なことは「いかにして、日常の様々なことに使ってもらうか」になります。スーパーアプリはアジアでは中国が先行しています。 一方でGAFAという世界最強のプラットフォーマーがある米国では、プラットフォーマーに頼りすぎず、テクノロジーをまとったブランドが中間業者を挟まず顧客にダイレクトにつながるD2Cという動きが生まれてきています。D2Cブランドは、従来の顧客に製品を販売していくモデルではなく、テクノロジーを駆使してリレーションを作っていくモデルです。 日本はデジタル化が遅れている国です。その理由の一つが「日本はホワイトリスト方式」だからです。ホワイトリスト方式というのは「やっていいことを決め、それ以外はやってはいけない」という管理の仕方です。決めたことしかやってはいけない為、自由度が低くなります。 対して米国などはブラックリスト方式、つまり「やってはいけないことを決め、それ以外は一旦はやっていい」という管理方法です。これは自由度が高く、デジタル化を進める上では良いです。しかし、企業や個人に責任を負わせることになるため、社会問題が発生した場合、大企業でも容易につぶれるリスクもあります。 アフターデジタル型産業構造の生き抜き方 決算プラットフォーマーはアフターデジタル型産業構造において、強い立場にいます。 中国のアリババとテンセントは細やかなUX(新たな顧客体験)にまで一気通貫しています。アリババのアリペイとテンセントのWeChatペイにそれが反映されていて、ほとんどの人が両方使っています。 この二つは同じカテゴリーのサービスですが、異なるミッションでそのカテゴリを捉えています。例えば送金を例にするとアリペイは送られてきたお金がそのままウォレットに入りますが、WeChatペイは受け取るというアクションを取らないとウォレットには入りません。 このように聞くとアリペイの方が便利に聞こえます。しかし、著者の経験として、プロジェクトの打ち上げの際に奢ろうとしたら部下の1人が「私もお金を出します」とWeChatペイで100元送ってきました。 この時、著者は奢る気だったので当然受け取りませんでした。しかし、部下も受け取らずに返金されることがわかっていて100元を送ってきました。このような日本でよく行われる「奢ってもらえるのはわかっているけど、一応財布を出すポーズだけはする」のようなお金のやり取りというコミュニケーションをデジタル上で出来るのです。テンセントの狙いは全てをコミュニケーション化することなのです。 アリペイは商取引の円滑化が優先です。受け取りアクションを取り入れると取引を通じて沢山の人から送金があると無駄なことが増えてしまいます。このようにアリババとテンセントは同じ機能でも同じサービスにならないのです。 このように機能やUXだけでなく、展開戦略やミッションが反映され、企業の「社人格」のようなものが現れます。結果、ユーザーには「この企業はこういう存在である」と認識されるのです。 アフターデジタル型産業構造になることで、最も恐怖を感じているのはメーカーです。メーカーは顧客接点の頻度が低く、顧客理解の解像度が低くなってしまいます。 しかし、例えば電気自動車メーカーのNIOは「鍵を渡してからが仕事」と言っています。NIOは購入者限定の会員サービスがあります。どちらかと言えば会員サービスを買うために600〜700万円支払い、ギフトとして車を差し上げているくらい車を差し上げるようなものです。 通常、メーカーは購入時のみしか接点を持てませんが、NIOは定常サービスによって顧客との接点を確保し、いつまでも顧客の相談に乗れるような関係性を作っています。 価値の再定義も必要です。中国においてスターバックスは30分に届いたコーヒーは味が落ちていると考え、デリバリーに参入していませんでした。その結果、ラッキンコーヒーがデリバリーを開始し、店舗拡大をしてしまいました。 対策としてスターバックスは専属配達員を配備しました。通常、デリバリーアプリで注文すると30分前後かかりますが、専属配達員は1 to 1配送を実施するため、注文後10分前後で配達してくれます。 スターバックスはユーザーがすでにその便利さに移行しているという捉え、スターバックスらしいデリバリーは何か、アフターデジタル型のスターバックスが提供する価値とは何かを再定義しました。 時代に合わせて価値を再定義して技術を正しく導入すれば、アフターデジタルの時代においても大きく成長することができます。 誤解だらけのアフターデジタル 中国で起きたことが日本で同じことが起きるかというと、そうとは思えません。国家の運営体制、経済構造、文化背景の3点が日本と中国では異なるからです。 中国では決済プラットフォーマーが頂点にいて、その下にサービサー、さらに下にメーカーが位置します。 しかし、日本では同様のヒエラルキーにはならないでしょう。中国の人口は14億人、そのうち5億人が使うアリババやテンセントの決済プラットフォームと5000万人が使う日本のプラットフォームでは、参加企業のインセンティブが大きく異なります。 より多くの企業が、よりユーザーの多いプラットフォームに乗ってくるので、ユーザーの選択肢も増え、さらに多くのユーザーが使うようになります。そうすると、企業にとってのメリットも増え、さらに多くの企業が参加します。 決済プラットフォーマーとしてアフターデジタル方産業構造のトップに立つには「圧倒的な資金力」「考え抜かれたUXによる圧倒的なユーザー数」の二つの条件が必要なのです。 日本におけるDXは「デジタルを導入せよ」という命令が出てしまい、「顧客提供価値をアフターデジタル社会に照らし合わせて定義する」という議論が抜けがちです。ユーザーにどのようなUXを提供するのかを考える前に業務や人事のデジタル化を先に行ってしまいます。 また、ユーザーの状況理解とそこに提供するらUXの企画がないまま、DXを進めようとしてしまっています。UXはUIと一緒に使われがちですが、GAFAやアリババ、テンセントではUXは「ユーザー、ビジネス、テクノロジーの3つが関わり合う時に生まれる体験」と捉えています。 優れたUXが高頻度で長く使ってもらえるものを生み、それがビジネスの全てを決めると理解しているからです。 UXインテリジェンス 目指すべきは「多様な事由が調和する、UXとテクノロジーによるアップデート社会」、つまり「人々がその時々で自分に合ったUXを選べる社会」です。これは民間企業が社会のアーキテクチャー設計を担うことを意味します。言い換えると企業のDXが社会のDXを形作るのです。 しかし社会のDXを念頭に置かないと企業のDXも上手くいきません。そして、社会に受け入れられるDXを成し遂げるには、どんな世の中にしたいかという企業家精神が不可欠なのです。 しかし、こうした精神を持たない企業がデジタル化を進めてしまい、データが悪用され、そうした事例がいくつも世の中に出てしまうと、社会発展が止まってしまう可能性が高くなります。 データはUXに還元し、ユーザーとの信頼関係を作ることを最優先にし、心の底から共感できる世界観を提供しなければならないのです。その実現に重要なケイパビリティ(組織的な能力)は「ユーザーの置かれた状況」を考える「UX企画力」なのです。 日本の企業への処方箋 日本企業がDXを推進する場合、組織内部の課題が非常に多いです。経営レベルでアフターデジタルの世界観を理解し、社長から現場まで同じイメージ(DXの必要性、目的)で共有するライン作る必要があります。  また、命令型組織ではなく、上も下も横も対話と議論ができる対話型組織でないとDXは実現できないとも言われています。 DXの目的は「新しいUXの提供」であり、その成功に対しては「組織としてのバリュージャーニーの企画運用ができるようになる」ことが重要です。仮に失敗しても、そこから得た経験からチャンスを見出すこともできます。 そして早く実現に動きながら、本気でケイパビリティの獲得と組織化への集中こそがDX実現の近道なのです。 感想・意見 この本は今の日本に必要なこと、多くの方が気が付いていないであろうDXの本質について書かれてあっておもしろく、学べることも多かったです。そのため、社会人、学生問わずおすすめできる本だと思います。 また、中国の事例を多く紹介していますが、そのレベルの高さに驚かされたと同時に、日本のデジタル化の遅さに焦りを感じさせられます。 私が勤める会社でも多くの企業がそうしているようにDX専門の部署がありますが、そこに所属はしていなくても、DX成功、というより生き残る為に、どのように差別化された優れたUXをユーザーに提供するのか、組織としての能力をどのように上げるべきか真剣に考え、提案しなくてはならないと感じました。 個人的には単純ではありますが、会社内での教育、そして対話型組織を作ることが大切かと思います。 対話型組織は間違いなく必要ですが、上下関係なく議論が環境があっても、同じイメージを持たなくては意味がありません。同じイメージが持てないようだと方向性がバラバラになりますし、場合によっては話が進まないからです。 そして同じイメージを持つには、社内での教育が重要かと思います。この教育というのは能力アップはもちろんですが、自社、競合他社、社会の状況を教える、知るということも含まれます。これらの状況を知ることで、目指すべき場所の想像がしやすくなるからです。 ただ正直なところ、差別化されており、優れたUXを提供するシステムのイメージを共有し、理解することは出来ても、そのシステムを社内で、場合によっては世界で最初に考える、イメージするというのはあまりにも難しいです。 これには「ロケット科学者の思考法」についての記事でも書いたように、「一見無用に思える好奇心からくる研究や思考実験がひらめきを明らかにする」のだと思います。 またOODAループにおける「みる(意識して観る、観察する)」「わかる」も重要かと思います。自社、競合他社、社会を観察し、自分の世界観を元にして、課題ややるべきことを理解することによってアイディアが浮かぶのではないかと思います。 まとめ 以上が「アフターデジタル2 UXと自由」の要約、感想になります。 今の日本にとって必要なことが書かれており、この本に書かれていることを知っているだけで、失敗する可能性(=時代に取り残される可能性)は格段に減るかと思います。 また、実例も多く書かれているので理解しやすい内容です。 社会人の方にも学生の方にもおすすめできる本ですので、ご興味のある方はぜひお手に取っていただけたらと思います。 今回は以上です。それではまた。 リラ吉
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【食レポ】行列のできる洋菓子ブランド「ノワ・ドゥ・ブール」

皆様こんにちは。リラ吉です。 先日、新宿伊勢丹の中でも特に行列ができるお店「ノワ・ドゥ・ブール(noix de beurre)」に行ってきました。 食べてみたら衝撃的なおいしさでしたので、今回の記事ではこの洋菓子ブランド「ノワ・ドゥ・ブール」を紹介したいと思います ノワ・ドゥ・ブールとは ノワ・ドゥ・ブールはフィナンシェやマドレーヌなどの焼き菓子、生ケーキを販売している洋菓子店です。 お店は新宿、日本橋、銀座の伊勢丹にあり、どのお店も行列が出来るようです。 今回訪れたのは新宿伊勢丹店で、平日の15時頃でした。 人の少ない時間帯ですが、この時間でも行列は出来ており、20分ほど並びました。休日なら1時間近く並ぶかと思います。 ノワ・ドゥ・ブールの感想 購入したのは焼き立てフィナンシェが2つ、ガレット・ブルトンヌが1つ、カヌレが2つの焼き菓子セット(1,475円)、それとママレード・ママン(1つ216円)です。 フィナンシェは外のサクサクした食感、中のしっとり感がしっかり味わえるます。 頂いた紙にはバターとアーモンド香ると書いてありましたが、バターの味が強く、アーモンドの味は弱めに感じました。また焼きたてらしい香ばしい匂いが食欲を誘います。 カヌレは外は見た目通りカリカリしていて、中はしっとりしています。 味は一瞬、カスタードのような風味が来た後、ラム酒独特の味がしっかり来ますので、若干クセがあります。また、上品な大人の味なので、子供は苦手かもしれません。 フィナンシェは万人受けしそうですが、カヌレは好き嫌いが分かれるかと思います。 ガレット・ブルトンヌは焼きたてのクッキーの食感で、バターと塩がすごく効いています。この塩の風味が味を引き立てていると感じました。 またこの塩の風味が最後まで残るので後味もスッキリしている印象です。 外側のザクっとした食感が強く、中のしっとり感が弱目の印象でした。また、ポロポロしているので、上手く食べないと床に落としそうでした。 ママレード・ママンは柔らかく、バターと卵の味がしっかりしていて非常にシンプルな印象でした。 また、商品の説明を見ると、はちみつも入れていると書かれていますが、それほど感じませんでした。なのではちみつ独特の味が苦手という方も全く問題ないと思います。 これら4つはどれも非常に美味しく、並んで良かったと思います。また、この4つ以外の焼き菓子も期待できると思います。 まとめ 以上がノワ・ドゥ・ブールの感想になります。 平日の昼間でも15〜30分ほど並ぶでしょうし、休日なら1時間近くは並ぶかと思います。 しかし、それだけ並ぶ価値がある味であり、自分の為に買ってもよし、お土産として買ってもよしなお菓子です。 欠点としてはお店が東京にしかないことですが、焼き立てではないものの、通販でも焼き菓子は購入可能なので、東京近郊以外お住まいの方でもこの味を味わうことができます。 通販で購入できるものについては食べたことはありませんが、プレゼントした方は美味しいと仰っていたので。こちらもオススメです。 ご興味がある方でお店に足を運べる方はお店で購入し、遠方の方は通販で是非買っていただけたらと思います。 今回は以上です。それではまた。 リラ吉

【書評】スティーブ・ジョブズも愛読した!「禅マインド ビギナーズ・マインド」の要約・感想

皆様こんにちは。リラ吉です。 スティーブ・ジョブズは生前、座禅を組み、禅の考えを好んでいたことが知られています。 その為、アップルの製品には禅の精神が詰まっているといわれています。 そんなジョブズが愛読していた禅に関する本が鈴木俊隆さんの「禅マインド ビギナーズ・マインド」です。 今回の記事ではこの「禅マインド ビギナーズ・マインド」をご紹介します。 内容の一部要約 姿勢 座禅の姿勢は左足を右のももの上、右足を左のももの上に置きます。こう置くことで、右足、左足が一つになり、二つでも一つでもないという「二元」性の「一者」性を表しています。 これは大事な教えで、例えば心と身体は一つと言いますが、心と身体は別物です。しかし、二つであるかと言うと、それも違います。心と身体は二つでありながら、一つなのです。 背筋を伸ばし、顎を引き、正しい姿勢を取ることが修行の目的です。この姿勢をとる時、心が正しい状態にあります。 この正しい姿勢を取るというのは座禅の時だけではなく、日常でも正しい姿勢をします。逆に正しくない姿勢でも試してみてください。正しい姿勢を保つということがどんなに大事かわかります。 呼吸 座禅をする時には呼吸に従います。 息を吸うと空気は身体の中の世界に入ってきます。吐くときは外の世界に出ていきます。しかし、この二つは実際には喉という回転扉があるだけの一つの全体の世界です。 自分を意識せず、息の動きだけについていけるように、心が純粋で、落ち着いていれば、そこには私も世界も、心もありません。ただ回転扉(喉)があるだけです。 私たちはその時すべきことをするだけです。座禅では呼吸の動きに気付き、回転扉になり、座って息に集中する。これが禅の修行なのです。 コントロール 周りの人々をコントロールしようとしても出来ません。 一番いいのは好きなようにさせることです。この時、みんなは広い意味ではコントロールされています。 羊や牛をコントロールするには、広々とした、余裕のある草地に放すことです。人についても同じことが言えて、好きなようにさせておいて、そして見守るのです。 自分自身をコントロールする時、同じ方法が役立ちます。 座禅をしていて、落ち着きを得たいなら、心を横切るイメージに邪魔されないようにします。イメージは起こっては消え、起こっては消えます。これをありのままに見つめて、そのまましておくのです。そうすればコントロールできます。 しかし、これは簡単ではなく、努力が必要です。たった一つ皆様の助けになる努力は自分の呼吸を数えること、あるいは吸うことや吐くことに集中することです。 心の波 座禅をする時、思考を止めようとしてはいけません。止めようとするのではなく、止まるがままにさせます。 心に何かが起きたら、入ってこさせ、出ていかせます。どんなものも長くはとどまりません。 思考を止めようとすることは、それに邪魔されているということなのです。 何かが心の外で起こっているように見えますが、それは心の波にすぎません。心の波に邪魔されなければ次第に収まっていきます。 心の雑草 目覚ましが鳴ると、皆様は目を覚まします。そんなにいい気分では無いと思います。 朝座禅をするのはそんな簡単なものではなく、自分を叱咤激励しなければなりません。 こうしたものは心の波にすぎません。座っていると次第にこの波は穏やかになり、あなたの努力そのものが、なにか微細な感覚に変わっていきます。 抜いた植物は植物の肥料になると言います。雑草を抜いて植物の近くに埋めると肥料になるのです。 座禅でも、心の波を感じても、そうした波自身があなた方を助けることがあるのです。心の波を気にかける必要はありません。むしろ心の雑草として感謝すべきです。 禅の真髄 ある経典に四種類の馬がいます。卓越した馬、優秀な馬、普通の馬、劣った馬です。 卓越した馬は騎手の意思に従って早足や並足、左右に動きます。優秀な馬は鞭が皮膚に届くか届かないかのうちに卓越した馬と同じように動きます。普通の馬は身体に鞭の痛みを感じたら走ります。劣った馬は痛みが骨の髄まで達したら走ります。 この話を聞くと、誰もが卓越した馬になりたいてましょう。 しかし、ブッダの心とともに座禅の修行をすると、最悪の馬こそが最も大事な馬だとわかります。 自分が不完全であるからこそ、道を求める心のしっかりとした基礎ができるのです。完全に正しい姿勢で座る人は禅の本当の道、禅の真髄を見つけるのには時間がかかります。 道元禅師は「将錯就錯(しょうさくしゅうさく/ しょうしゃくじゅしゃく)と言われました。これは間違いを間違いで受け継ぐ、あるいは間違い続けるという意味です。 禅の修行はまさに将錯就錯で、長い年月、間違えても間違えても、ひたむきに続けるということです。 「よい父は、よい父でない」とも言います。これは自分がよい父親と思っている人は、よい父親ではありません。 よい父になろうと専心して努力すれば、自分を最悪の父と考えていても、よい父になりえます。 合掌礼拝 座禅の後は床に伏して九拝します。このように合掌礼拝することで、私達は自分自身を明け渡します。これは自分の持っている二元的な考えを捨てましょうという意味です。 礼拝の際はあらゆるものに礼をします。例えば師が弟子に礼をし、弟子が師に礼をし、犬や猫にも礼をするのです。 すべてをあるがままに受け入れ、それぞれに尊敬の念を払います。これが本当の礼拝です。 礼拝が価値のある修行なのは、自分自身を自己中心的な人間からもっと向上させることができるからです。 正しい努力 修行で大事なのは正しい努力です。しかし、私達は多くの間違った方向の努力をしてしまいます。 修行について、あるいは修行の成果について、何か先入観や固定した考えを持ってしまうと、そこから抜け出せなくなります。 二元的な観念に巻き込まれてしまうのはあなたの修行が純粋ではないからです。純粋というのはありのまま、そのままという意味です。何かが得られると考えると、不純な修行になってしまうのです。 何も得ようとしないで修行、座禅をするというのは、修行から余分なものを取り除く努力です。余分な考えがやってきたら、それを止めます。それが努力を向ける方向です。 神は与える 私達の創造する文化的な仕事は私達に与えられたものです。しかし、すべてはもともと一つなので、実際にはすべて与えているのです。 一瞬一瞬、私達は何かを作り出しています。私達が座禅の姿勢で座るとき、私達は創造の最も基本的な活動を行なっています。 座っているときは無です。ただ座っているのです。しかし、立ち上がるときにあなたは現れます。これが創造の最初のステップになるのです。 二番目はお茶や料理を作ろうとしているとき、三番目は自分の中に何かを作ろうとしている時です。それは教育や文化、芸術であったりします。 毎日、なにか新しいことをしてみましょう。それこそが創造するに繋がります。 修行における間違い 多くの人は座禅の修行をする時、理想を追い求め、獲得すべき、あるいは達成すべき理想像やゴールを決めてしまいます。 理想を獲得するのは常に未来です。そのため、今の自分を理想のために犠牲にしてしまいます。座禅はただ座るだけです。それを毎日繰り返します。 修行が嫌になった時は、理想を獲得しようと考えてしまっています。しかし、それを警戒信号と見て感謝すべきなのです。 その時は間違いを捨て、初心の修行をまた始めるといいでしょう。 常に空であること 仏教を理解しようと望むなら、忍耐深くなければならないと言われています。 しかし、「忍耐」よりも「絶え間ない」という意味の方が良いです。絶え間ないこと、つまり、いつもここにあるということです。そこにあるのはものごとをありのままに受け取る働きです。 空(くう)の状態を理解した人には、いつも、ものごとをありのままに受け入れる可能性が広がっているでしょう。 空(くう) 私達は未来について希望を持っていると、今ここにおいて、真剣になれません。「明日やろう」などとよく言います。今日存在するものが明日も存在すると考えているのです。真剣にやらなくても約束されたことが起こると期待しているのです。 しかし、永続的に存在する確かな道はありません、一瞬一瞬、私達は自分の道を見つけなければなりません。 自分の道を作るには自分を理解することです。真の理解は空(くう)から生まれます。すべて心の部屋から出して大掃除をするのです。必要であれば戻すかもしれません。戻すときは一つ一つ戻して、必要でないものは戻さないようにします。 無を信じる 無を信じるということは絶対に必要です。つまり色や形を持たないものの存在を信じなければなりません。どのような神や教義を信じるにしても、それに執着してしまうと、非常に自己中心的になってしまいます。 見るものすべてが無から現れたものとして受け入れるように準備して、特定の色や形を持った現象は、何か理由があってそう現れているのだと知ると、完全な落ち着きを得るでしょう。 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || ).push({}); 個人的な感想 上記の内容の要約を読んでいただければわかるかと思いますが、仏教についてあまり知識がない人にとっては非常に難しい内容になっています。私自身、日本人にありがちな、法事以外で宗教にかかわることがない人間なので、用語が難しく、読むのにかなり苦労しました。 そして読む以上に、本に書いてあることを実践するのは難しいです。 例えば「座禅はただ座るだけ」「すべて心の部屋から出して大掃除をする」と書いてありますが、心を無にして座るというのはどういう状態なのか想像もつきません。これは非常にシンプルな状態ですが、シンプルであることは何よりも難しいのだと感じました。 これが出来るようになるには長い修業が必要なのでしょう。 しかし実践できることもありました。それは「呼吸の動きを感じ取る」「あるがままを受け入れる」ということです。 私はイライラした時に呼吸の動きを感じながら深呼吸をし、「イライラしている自分も受け入れよう」と考えてみました。このように考えたら、少しではありましたが、気持ちが落ち着きました。 この「あるがままを受け入れる」というのは「ディズニーCEOが実践する10の原則」でも書かれていた「自然体であること(正直でありのままのあなたでいましょうという考え方)」に近いものであり、世界トップクラスのリーダーも同じような考え方をしているのだなと思いました。 また、禅の真髄の「よい父は、よい父でない」という話は、聞いてみるとその通りだと思いましたが、自分で気が付くのは難しく、学べてよかったです。 このように非常に参考になりますが、全体的に理解するのは難しく、万人におすすめできる本ではありません。 おすすめできる方は仏教に対しての知識がある方、禅とは何かを学びたいと思っている方、落ち着きたいと思っている方、ジョブズのファンの方です。このような方は楽しみながら読めるかと思います。 まとめ 以上が「禅マインド ビギナーズ・マインド」の紹介になります。 内容、用語が難しいですが、理解できれば非常に学べることが多い本です。 万人におすすめできる本仏教や禅に興味がある方にはおすすめできる本です。 残念なことは本来の定価が857円+税なのですが、値段が高騰しており、新書が3000円越えになっています。なので、購入するなら古本を買うことがおすすめです。 もしご興味のある方は古本屋で探して、ぜひ読んでいただけたらと思います。 今回は以上です。それではまた。 リラ吉

【書評】「ディズニーCEOが実践する10の原則」の要約・感想

皆様こんにちは。リラ吉です。 ウォルト・ディズニー・カンパニー、通称「ディズニー」は映画やキャラクター、ディズニーランドをはじめとするテーマパーク、ホテルなど、様々な事業に取り組み、そして成功している誰もが知っている大企業です。 今でこそ、世界最大級のエンターテイメント会社ですが、そんなディズニーも90年代に低迷してしまいました。 しかし、低迷していたディズニーはある人物をCEOに任命したことにより、立ち直ります。 その人物こそが「ロバート・アイガー」です。では、彼がCEOになり、ディズニーを立て直すまで、どのような人生を送ってきたのでしょうか? 今回の記事では彼の成功の数々を追体験できる、ロバート・アイガー氏の本「ディズニーCEOが実践する10の原則」をご紹介していきます。 内容 10の原則 著者がこれまでに学んだことを振り返ると、下記の真のリーダーシップに必要な10の原則が浮かび上がってきます。 1.前向きであること リーダーは前向き、つまり熱意をもって高い目標に取り組まなければなりません。悲観的なリーダーは人々をやる気にさせることが出来ません。 2.勇気を持つこと 変化と競争が激しい世の中では、リスクテイクが必要であり、イノベーションは欠かせません。そしてイノベーションは、人々が勇気を持った時に生み出されます。 3.集中すること 最も重要で価値の高い戦略やプロジェクトに時間と労力を注ぎ込むことが極めて大切です。 4.決断すること 多様な意見を尊重しながら、タイムリーに判断を下し、実行する必要があります。 5.好奇心を持つこと 好奇心は場所、考え方との出会いに繋がります。イノベーションのきっかけは好奇心なのです。 6.公平であること リーダーは公平に接し、他者に共感できる近寄りやすい存在でなければなりません。 7.思慮深いこと 思慮深さとは知恵を身に着けるプロセスです。思慮深いリーダーの意見や判断は信頼できるし、正しいことが多いです。 8.自然体であること 正直でありのままのあなたでいましょう。敬意と信頼は、嘘のないリーダーによって育まれます。 9.常に最高を追求すること ほどほどで妥協しないことが大切です。改善の余地があると思ったら、もっといいものにするために力を注ぎましょう。 10.誠実であること 誠実であることは何より大切です。大きなことにも小さなことにも倫理的に高い基準を設けられるかが組織の成功を左右します。 これらの考えは著者の長いキャリアで体験した逸話や事例を読めばより具体的に、身近に感じられるでしょう。 下っ端時代 著者は大学を卒業後、テレビ局のABCで働き始めました。最初はスタジオ管理の仕事で、華やかなテレビの舞台とは違い、いじめなど、今ではクビになっているに違いない行為多い職場で長時間の雑用をしていました。 その後、クビになりそうになりながらも、スポーツ関係の部署に異動し、ルーンと出会います。彼から新しいものや証明されていないものを怖がったらイノベーションはできない事、そして「もっといいものを作るために必要なことをしろ」「最高を追求しろ」という教訓を学びました。 ルーンからはそのほかに、「イノベーションを起こさなければ死ぬ」「出来ないなら他の方法を探して目標を達成すること」「やってはいけないのは失敗することではなく、自分のせいでないフリをしたり、誰かに罪をなすりつけること」ということを学びました。 大抜擢 34歳の時に著者はABCスポーツのバイスプレジデントになりましたが、その後すぐにABCの四分の一の規模であるキャピタル・シティーズ・コミュニケーションズにABCは買収されました。 キャピタル・シティーズ・コミュニケーションズのトップ、トムとダンはテレビビジネスの変化を予見しておりましたし、コスト管理を徹底して、何でもかんでもお金をかけるのではなく、使うべきところにお金を使っていました。 ルーンはトムとダンによって今でやっていたスポーツと報道のどちらか一つに専念するように言われ、報道を選びました。 残された著者が所属するスポーツ部門のトップにトムとダンが指名したのは、スポーツ番組を担当したことのないデニスでした。デニスは知ったかぶりをせず、わからないことはわからないと言い、部下のことを第一に考えている人でした。 デニスがもともと心の広い人物だったのもありますが、この文化を作り上げたのはトムとダンでした。彼らは正直で敬意を持って人と接する人物でした。 著者は自分のことを馴染みのないことでもやり遂げる力があると証明したがる人物だと考えています。そういう意味では経験より能力を重んじ、本人ができると思っている以上の力を求められる仕事を部下に与えるトムとダンは理想の上司でした。 その後トムとダンは著者をABCエンターテイメントの社長に任命しましたが、エンターテイメント業界出身でない人間をABCエンターテイメントのトップに据えるのははじめてのことでした。ですがトムとダンは「君ならできる」とその仕事を与えました。 首位奪還 ABCエンターテイメントのトップに着任してすぐは、戸惑いもありましたが、「やるべきことをやれ」「経験がないということは言い訳にはならない」と心に刻みました。 そんな時にどうするかというと、自分を偽らず、謙虚に知らないことを知るところから始めなければいけません。 トップという立場でも必要なことは聞き、理解できないことははっきり認め、学ぶべきことは努力して早く学ぶことが大切です。本物のリーダーシップとは、自分が何者か知り、誰かのふりをしないことなのです。 著者がABCエンターテイメントのトップだった時、上手くいった番組もあればこけた番組もありましたが、著者が学んだことは努力不足はいけないが、避けられない失敗ならしてもいいと腹をくくらなければ、イノベーションは起こせないということでした。 その後、ABCテレビジョン・ネットワークの社長に就任してすぐ、ダンの引退と共にキャピタル・シティーズ/ABCのCOOに就任しました ディズニー入社 COOに就任後、キャピタル・シティーズ/ABCはディズニーに買収されました。 自分が社長、つまりディズニーのNo.2になれるかもと思っていた著者でしたが、実際には別の人が選ばれてしまいます。一瞬がっかりしたものの、仕事がうまくいくように努力することの方が先でした。 しかし、社長に就任した人物はCEOの右腕としては不十分で、自分の時間を管理し、他人の時間を尊重するという管理職に必要なスキルをまるでわかっていなかったし、他の人の問題に耳を傾け、解決策を見つける手助けをすということもしなかったため、当然ながら、その社長はクビになりました。 No.2 それから3年間、ディズニーにはNo.2を置かずに経営を続けました。 しかし、1999年の終わりにはずっと1人でディズニーの経営を切り盛りしてきたCEOのマイケルにしわ寄せがやってきました。彼がNo.2を指名したがらないことが、ディズニー全体に悪影響を与えてしまったのです。 著者が休暇中にCEOと取締役数人が夕食を共にし、後継者について話し合った際に、著者を後釜に据えることはないと、CEOは宣言しましたと聞かされましたが、後日著者がら呼び出されて言われたのはCOO、つまりNo.2に任命されました。 内紛 COOに指名された頃、伝統的なメディアの終わりが始まり、世界が変わろうとしている時代でした。 世界が変わっていることを誰よりも体現する存在が、アップルの経営者で、ピクサーのCEOであるスティーブ・ジョブズでした。 ピクサーはディズニーにとって重要なパートナーでしたが、アップルのやり方を非難するなどして、ディズニーとピクサーの(というかディズニーのCEOのマイケルとスティーブ・ジョブズの)関係は悪化していきました。 そのことに加え、同時多発テロが起き、標的にされかねなくなったということや、コムキャスト社がディズニーを買収しようとしていたこと、CEOのマイケルと重鎮取締役ロイ・ディズニーとの対立などがあり、ディズニーは問題が山積みになっていました。 問題が多くなりすぎたことから、結果的にマイケルは2006年の任期満了をもって引退することが決定し、ディズニーはそれまでに後継者を探さなければいけませんでした。 後継者選び 著者がCEOになるには、取締役が求めている変革者だと信じてもらわうために、説得しなければなりませんでした。 著者がやったことは三つの戦略的優先順位を決め、「自分たちの行きたい場所はここだ。そこにたどり着くにはこうすればいい」と伝えることでした。つまり。ディズニーや著者の過去の実績の話ではなく、未来の戦略を話しました。 しかし、ディズニーのCEO選びはなかなか進みませんでした。著者は取締役会、マスコミ等の質問、批判を受け、パニック障害を引き起こしたこともありました。 一連の出来事や世の中の評価を考えると、取締役会が変化を求めて外部の人を指名する可能性も充分に考えられましたが、最終的には著者がCEOに決まりました。 最初の100日 CEOとなった著者は、今後半年の間にやらなければいけないことをまとめました。その中には「ロイ・ディズニーとの和解」「ピクサー及びスティーブ・ジョブズとの関係を修復する」などがありました。 著者はロイ・ディズニーが求めていたのは敬意ということに気づきました。ほんの少し敬意を払うだけで信じられないようなことが起こり、逆に敬意を欠くと大きな損をします。敬意を払うというのは一見つまらなそうなことですが、敬意をもって共感をもって働きかけ、人を巻き込めば、不可能と思えることも現実になるのです。 ピクサー買収 新しいiPodでディズニーのテレビ番組を配信する件について、スティーブ・ジョブズと話し合うようにはなっていましたが、ピクサーの話に応じてくれても、ジョブズが持ち寄る条件はいつも、ピクサーの有利になるようなものばかりでした。 そんなとき、著者はピクサーを買収するという考えを思いつきます。そのことを緊張で汗が噴き出す中、そのことをジョブズに伝えると「あぁ、それならとんでもないってこともないな」と返答がありました。 ジョブズのと会議で、ジョブズはホワイトボードに片側に「メリット」、反対側に「デメリット」と書き、ピクサーを売却するデメリットを余るほど書いていきました。対して著者はメリットを一握りしか言えませんでした。 しかしジョブズは「メリットは少ないが間違いないものだし、沢山のデメリットより重要だ」と述べました。 ジョブズはメリットとデメリットのすべての重要性を推し量り、デメリットの多さに騙されてメリットの重みを、特に彼が成し遂げたいことを見失いませんでした。それこそがジョブズがジョブズたる所以でした。 ピクサー買収をする方向性で進めていた著者ですが、反対意見は少なくありませんでした。しかし、最終的には取締役会を説得、ジョブズから癌が再発した話も聞きましたが、買収は成立しました。 マーベル買収 2008年、良質なオリジナルコンテンツを増やすために、次に買収を考えたのはマーベルでした。 2009年、ようやくマーベルCEOのアイクと話し合う機会を作りました。彼は瀕死になったマーベルを手に入れて、その頭脳と執念で立て直したほどの人物でした。 アイクとの食事などを通じて、話を進めていき、買収することに同意してもらいました。 アイクが同意した決め手はジョブズでした。ジョブズは電話で「ロバート・アイガー(著者)は約束を守る人間」だと伝えたことが決め手となりました。 もちろんマーベルの社員には不安を感じる人間も少なくありませんでした。著者はピクサーを買収した際にも言った、「君たちらしさに価値があるのに、それを変えてしまったら買った意味がなくなる」という言葉をマーベル社員に伝えました。 スターウォーズ継承 マーベル買収を終えてから、ずっとルーカスフィルムは買収候補のトップに上がっていました。 ルーカスフィルムのジョージ・ルーカスの中では、ルーカス・フィルムはピクサーと同じくらい価値があったが、ディズニーにとってはそこまでの価値はありませんでした。いつかそうなる可能性はありましたが、そこにたどり着くまでには何年も努力し、偉大な作品を作らなければなりません。 守秘義務契約を結び、ルーカス・フィルムを調査し、適正な価格を提示、ジョージ・ルーカスは買収価格に合意しました。ただ、問題はジョージの役割でした。 経営者として彼に「好きな映画を好きな時に撮ってください」とは言えません。しかし、スターウォーズをジョージが手放すとは思えなかったのです。 結局、税制の改正もあって、彼は嫌々ながら買収に合意しました。彼にとってスターウォーズという自分の子供同然の手放すことは非常に辛いものでした。 彼の気持ちは痛いほどわかっていましたが、著者は経営者としての責務を果たす必要がありました。しかし、それでも彼には切実に接しました。 これまでのピクサー、マーベル、ルーカス・フィルムの買収に共通していたのは、支配的な所有者と信頼を築けるかでした。そしてその鍵は誠実であるかどうかです。 信頼を築けることでこの3社を買収し、良い関係でいることができたのです。 イノベーションか死か 3社の買収は終わり、自分達のコンテンツをテクノロジープラットフォームを使って直接消費者にコンテンツを届ける時が来ました。 そのためにやり遂げなければならないのははっきりしていました。イノベーションを起こすことです。できないなら生き残れません。 ディズニーはBAMテック社を完全買収し、支配的所有権を取得して、動画配信サービスを立ち上げることを発表しました。それがESPNプラスとディズニープラスでした。 その後、ディズニーは報酬制度の変更など、イノベーションに不要な伝統をどんどん捨てていきました。 正義の代償 イノベーションが業界を変えていることは間違いありませんでしたが、テクノロジーの変化よりも深い意味で社会の姿を変えるような変革が起きていました。 特にエンターテイメントの世界ではハリウッドやあらゆる職場でのセクハラや性別差別に対して行動が起こり始めていました。 ディズニーもまた、社員が安心して働ける環境を作り出し、維持するために、社内の全ての人が意見できるようなプロセスを置き、告発者を守ることを強調しました。 それから半年間は課題が山積みでした。動画配信サービス、人事問題、フォックスの買収に向けての分析と交渉などです。 さらに、ESPN社長のジョンが薬物問題を告白しました。彼は優秀な人物で、失うのは痛かったですが、正しいことをするために、ジョンは辞任、ディズニーはESPNとアニメーションという柱になる2つの事業のリーダーを失いました。 また、テレビシリーズ「ロザンヌ」の主演、ロザンヌ・バーがTwitterで炎上、商業的には存続が正しいですが、人として正しいことをするために「ロザンヌ」の打ち切りを決定しました。 未来への布石 フォックスの買収を進めていましたが、コムキャスト社がディズニーが提示した額よりもはるかに高い額を提示しました。 ディズニーはその額より高い額を提示、買収合意が発表されました。これにより買収の問題も収まり、良いタイミングで配信サービスの情報を株主に公開しました。 最終的には全てのディズニー作品、マーベル作品、さらにシンプソンズをはじめとする買収したフォックスの作品も提供できるようになること、スマートフォンのアプリがどのように動くか、月額料金はいくらなのかなどの説明をしました。 著者がここまで来れたのには素晴らしい指導者との出会いがあったからです。彼らからできる限り全て吸収しました。 著者はミッキーマウスクラブを見て育ち、生まれて初めて映画館に行った際にはシンデレラを見に行きました。そんな著者がディズニーの遺産を守り、次の世代に引き継ぐ立場になったことが信じられないと語っています。 世界中から権力者、重要人物だと祭り上げられても、自分を見失わないことがリーダーの本質です。自分を過信した瞬間、肩書きに頼り始めた瞬間に自分を見失ってしまいます。 人生のどの段階にいても、自分という人物は今も昔も変わらないということを心に留めてること、それが何より難しく、なによりも大切な教訓なのです。 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || ).push({}); 個人的な感想 まず、少し驚いたことがタイトルでした。このタイトルだと、「7つの習慣」のように10の原則についてそれぞれの章で詳しく書かれているのかと思いきや、この本は著者であるロバート・アイガー氏の1974年の下っ端時代から2019年までを追体験し、この10の原則を彼のキャリアを通して理解するという内容でした。 そのような予想と違った面もありましたが、10の原則はもちろんのこと、どのような人と出会い、学び、力をつけていったか、そしてどのように会社を導いたのかを著者の実体験を通して学べる本ため、非常に理解しやすかったです。 また、読んでいて非常に楽しかった本でもあります。著者の人生を追体験できる本なので、続きが気になるのです。電車で読んでいて、目的の駅に着いた時は「この後ディズニーと著者はどうなるのか続きが気になるのに降りなくちゃいけないのか」と思えるほどでした。 特にスティーブ・ジョブズとのやり取りは特に面白く、また参考になりました。ジョブズと著者のような世界のリーダーの考えを私はできていませんが、「このように考えられるようにする」という目標を与えてくれました。もちろんその目標を達成するのは非常に難しいですが、著者の言う通り「熱意をもって高い目標に取り組むことが大切」なのだと思います。 一番参考になったのは、著者のように「地位、立場に関係なく、わからないことは聞いて理解する」「謙虚な姿勢で努力する」「目指すべきところ、やるべきことをはっきりさせる」ことが大切であるということです。これは誰にでもできることではないかもしれませんが、誰もが実践すべきことであると感じました。 あとはこの本に対する投資対効果ですが、定性的ではありますが、これは間違いなく投資額以上の効果があると思います。この本は2310円(2100円+税)でしたが、2310円でリーダーとしての心得や、著者の成功までの人生を追体験は普通出来ません。 読むことをおすすめできるのは、周りから信頼されたい、成功したいと思っている方です。社会人の方のほうが理解、共感は出来ると思いますが、実力をつけ、敬意と信頼を得たいと思っている学生の方にもおすすめできる本だと思います。 まとめ 以上が「ディズニーCEOが実践する10の原則」の内容の要約、感想になります。 ロバート・アイガー氏がどのようにして世界的なリーダーになったのかを追体験できる本であり、彼のキャリアを通じて、大切な10の原則が学べる本です。 面白い本であると同時に、皆様の年齢、立場にかかわらず参考になる本であり、読む価値は十分にあるかと思います。 もしご興味がありましたら、ぜひ読んでいただけたらと思います。 今回は以上です。それではまた。 リラ吉 ディズニーCEOが実践する10の原則 価格:2310円(税込、送料無料) (2021/6/16時点)楽天で購入

【2021年 6月】ポートフォリオ・運用実績紹介

皆様こんにちは。リラ吉、リラ子です。 6月頭に投稿したポートフォリオの記事から、1ヶ月経過いたしました。 今回は第5回ポートフォリオ公開をさせていただき、前回と比べてどう変化したのか見ていきたいと思います。 リラ吉ポートフォリオ 株・ETF 銘柄株数取得単価現在値評価額損益損益(%)TSLA10$176.75$679.70$6,797.005,029.50284.55%AMZN1$1,946.57$3,440.16$3,440.161,493.5976.73%VOO7$285.40$393.44$2,754.08756.3137.86%MSFT10$165.38$270.90$2,709.001,055.1663.80%AAPL12$82.18$136.96$1,643.52657.4166.67%SPYD30$28.84$40.09$1,202.70337.3738.99%VYM10$82.25$104.77$1,047.70225.1727.38%NEE12$57.16$73.28$879.36193.4528.20%HDV9$82.19$96.53$868.77129.0417.44%JNJ5$141.12$164.74$823.70118.0916.74%ABBV7$87.31$112.64$788.48177.2829.01%JPM5$97.03$155.54$777.70292.5660.30%XOM12$43.32$63.08$756.96237.0945.61%MO15$42.11$47.68$715.2083.5313.22%PM7$74.98$99.11$693.77168.9432.19%KO10$46.75$54.11$541.1073.6115.75%PG4$121.51$134.93$539.7253.6711.04%DIS3$169.07$175.77$527.3120.113.96%CRWD2$155.42$251.31$502.62191.7861.70%VZ8$56.17$56.03$448.24-1.08-0.24%ARCC20$14.06$19.59$391.80110.5639.31%AGG3$114.92$115.33$345.991.230.36%PBCT19$13.53$17.14$325.6668.6726.72%SMH1$257.05$262.24$262.245.192.02%VT2$103.25$103.61$207.220.720.35%TDOC1$166.20$166.45$166.450.250.15%合計   $30,229.58+$11,552.34+61.85%  グラフ var ctx = document.getElementById("myMixChart"); var myMixChart = new Chart(ctx, { ...

【書評】DXの本質とは?「アフターデジタル2 UXと自由」の要約・感想

皆様こんにちは。リラ吉です。 近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉を聞くことが増えました。 DXとは「文書や手続きを単に電子化するだけではなく、ITを徹底的に活用することで、手続きを簡単・便利にし、蓄積されたデータを政策立案に役立て、国民と行政、双方の生産性を抜本的に向上することを目指します」と経済産業省は定義しており、その考えから、リモートワークやデリバリーフード、銀行振り込みなど、様々なものがオンライン上で出来るようになっています。 しかし、日本はデジタル化が遅く、オフラインのものが多いというのが現状です。 ではDXの実現にはどのようなことが必要なのでしょうか?そしてDXが実現された社会とはどのような社会なのでしょうか? 本記事ではそれらのことについて書いてある藤井 保文さんの本「アフターデジタル2 UXと自由」について書きたいと思います。 内容の要約 オフラインのない状態がくる 中国の都市部では現金の使用率が5%以下まで低下し、モバイルペイメントの利用が浸透しています。デリバリーフードもアプリで済ませ、都市部の移動もシェアリング自転車を使う人が増えています。 このようにもともとオフラインだったものが次々とオンラインデータ化し、個人のIDと紐付けられ、膨大な行動データが利活用可能になっています。日本もだんだんとそうなってきています。そして行動データを利活用できないプレイヤーは負けていく時代なのです。 アフターデジタル社会において成功企業が共通で持っている思考法を「OMO」と言います。OMOは「オンラインとオフラインを分けるのではなく、一体のジャーニーとして捉えて、これをオンラインの競争原理から考える」というものです。 ジャーニーとは人の行動、思考、感情などの見える化したものを指します。これにより、オンライン、オフラインという区別を意識しなくても、そのとき最適な方法を選ぶことができます。 これまでは製品を販売するというゴールに向かって企画、生産し、売っていくというビジネスモデルでした。これからは製品はあくまで顧客との接点の一つと考え、他の接点である、アプリ、店舗などと等しく扱われます。 すべての接点が1つのコンセプトでまとめ上げられ、その世界観を体現したジャーニーに顧客が載り続け、企業は顧客に寄り添い続ける、そうした新しい型(バリュージャーニー)に変化します。このバリュージャーニーの時代では顧客を状況レベルで理解するほど強くなります。 ソフトバンクの孫正義はペイメント機能に始まり、移動、飲食、金融など生活インフラ機能を全方面でとらえたアプリを「スーパーアプリ」と表現しました。スーパーアプリで重要なことは「いかにして、日常の様々なことに使ってもらうか」になります。スーパーアプリはアジアでは中国が先行しています。 一方でGAFAという世界最強のプラットフォーマーがある米国では、プラットフォーマーに頼りすぎず、テクノロジーをまとったブランドが中間業者を挟まず顧客にダイレクトにつながるD2Cという動きが生まれてきています。D2Cブランドは、従来の顧客に製品を販売していくモデルではなく、テクノロジーを駆使してリレーションを作っていくモデルです。 日本はデジタル化が遅れている国です。その理由の一つが「日本はホワイトリスト方式」だからです。ホワイトリスト方式というのは「やっていいことを決め、それ以外はやってはいけない」という管理の仕方です。決めたことしかやってはいけない為、自由度が低くなります。 対して米国などはブラックリスト方式、つまり「やってはいけないことを決め、それ以外は一旦はやっていい」という管理方法です。これは自由度が高く、デジタル化を進める上では良いです。しかし、企業や個人に責任を負わせることになるため、社会問題が発生した場合、大企業でも容易につぶれるリスクもあります。 アフターデジタル型産業構造の生き抜き方 決算プラットフォーマーはアフターデジタル型産業構造において、強い立場にいます。 中国のアリババとテンセントは細やかなUX(新たな顧客体験)にまで一気通貫しています。アリババのアリペイとテンセントのWeChatペイにそれが反映されていて、ほとんどの人が両方使っています。 この二つは同じカテゴリーのサービスですが、異なるミッションでそのカテゴリを捉えています。例えば送金を例にするとアリペイは送られてきたお金がそのままウォレットに入りますが、WeChatペイは受け取るというアクションを取らないとウォレットには入りません。 このように聞くとアリペイの方が便利に聞こえます。しかし、著者の経験として、プロジェクトの打ち上げの際に奢ろうとしたら部下の1人が「私もお金を出します」とWeChatペイで100元送ってきました。 この時、著者は奢る気だったので当然受け取りませんでした。しかし、部下も受け取らずに返金されることがわかっていて100元を送ってきました。このような日本でよく行われる「奢ってもらえるのはわかっているけど、一応財布を出すポーズだけはする」のようなお金のやり取りというコミュニケーションをデジタル上で出来るのです。テンセントの狙いは全てをコミュニケーション化することなのです。 アリペイは商取引の円滑化が優先です。受け取りアクションを取り入れると取引を通じて沢山の人から送金があると無駄なことが増えてしまいます。このようにアリババとテンセントは同じ機能でも同じサービスにならないのです。 このように機能やUXだけでなく、展開戦略やミッションが反映され、企業の「社人格」のようなものが現れます。結果、ユーザーには「この企業はこういう存在である」と認識されるのです。 アフターデジタル型産業構造になることで、最も恐怖を感じているのはメーカーです。メーカーは顧客接点の頻度が低く、顧客理解の解像度が低くなってしまいます。 しかし、例えば電気自動車メーカーのNIOは「鍵を渡してからが仕事」と言っています。NIOは購入者限定の会員サービスがあります。どちらかと言えば会員サービスを買うために600〜700万円支払い、ギフトとして車を差し上げているくらい車を差し上げるようなものです。 通常、メーカーは購入時のみしか接点を持てませんが、NIOは定常サービスによって顧客との接点を確保し、いつまでも顧客の相談に乗れるような関係性を作っています。 価値の再定義も必要です。中国においてスターバックスは30分に届いたコーヒーは味が落ちていると考え、デリバリーに参入していませんでした。その結果、ラッキンコーヒーがデリバリーを開始し、店舗拡大をしてしまいました。 対策としてスターバックスは専属配達員を配備しました。通常、デリバリーアプリで注文すると30分前後かかりますが、専属配達員は1 to 1配送を実施するため、注文後10分前後で配達してくれます。 スターバックスはユーザーがすでにその便利さに移行しているという捉え、スターバックスらしいデリバリーは何か、アフターデジタル型のスターバックスが提供する価値とは何かを再定義しました。 時代に合わせて価値を再定義して技術を正しく導入すれば、アフターデジタルの時代においても大きく成長することができます。 誤解だらけのアフターデジタル 中国で起きたことが日本で同じことが起きるかというと、そうとは思えません。国家の運営体制、経済構造、文化背景の3点が日本と中国では異なるからです。 中国では決済プラットフォーマーが頂点にいて、その下にサービサー、さらに下にメーカーが位置します。 しかし、日本では同様のヒエラルキーにはならないでしょう。中国の人口は14億人、そのうち5億人が使うアリババやテンセントの決済プラットフォームと5000万人が使う日本のプラットフォームでは、参加企業のインセンティブが大きく異なります。 より多くの企業が、よりユーザーの多いプラットフォームに乗ってくるので、ユーザーの選択肢も増え、さらに多くのユーザーが使うようになります。そうすると、企業にとってのメリットも増え、さらに多くの企業が参加します。 決済プラットフォーマーとしてアフターデジタル方産業構造のトップに立つには「圧倒的な資金力」「考え抜かれたUXによる圧倒的なユーザー数」の二つの条件が必要なのです。 日本におけるDXは「デジタルを導入せよ」という命令が出てしまい、「顧客提供価値をアフターデジタル社会に照らし合わせて定義する」という議論が抜けがちです。ユーザーにどのようなUXを提供するのかを考える前に業務や人事のデジタル化を先に行ってしまいます。 また、ユーザーの状況理解とそこに提供するらUXの企画がないまま、DXを進めようとしてしまっています。UXはUIと一緒に使われがちですが、GAFAやアリババ、テンセントではUXは「ユーザー、ビジネス、テクノロジーの3つが関わり合う時に生まれる体験」と捉えています。 優れたUXが高頻度で長く使ってもらえるものを生み、それがビジネスの全てを決めると理解しているからです。 UXインテリジェンス 目指すべきは「多様な事由が調和する、UXとテクノロジーによるアップデート社会」、つまり「人々がその時々で自分に合ったUXを選べる社会」です。これは民間企業が社会のアーキテクチャー設計を担うことを意味します。言い換えると企業のDXが社会のDXを形作るのです。 しかし社会のDXを念頭に置かないと企業のDXも上手くいきません。そして、社会に受け入れられるDXを成し遂げるには、どんな世の中にしたいかという企業家精神が不可欠なのです。 しかし、こうした精神を持たない企業がデジタル化を進めてしまい、データが悪用され、そうした事例がいくつも世の中に出てしまうと、社会発展が止まってしまう可能性が高くなります。 データはUXに還元し、ユーザーとの信頼関係を作ることを最優先にし、心の底から共感できる世界観を提供しなければならないのです。その実現に重要なケイパビリティ(組織的な能力)は「ユーザーの置かれた状況」を考える「UX企画力」なのです。 日本の企業への処方箋 日本企業がDXを推進する場合、組織内部の課題が非常に多いです。経営レベルでアフターデジタルの世界観を理解し、社長から現場まで同じイメージ(DXの必要性、目的)で共有するライン作る必要があります。  また、命令型組織ではなく、上も下も横も対話と議論ができる対話型組織でないとDXは実現できないとも言われています。 DXの目的は「新しいUXの提供」であり、その成功に対しては「組織としてのバリュージャーニーの企画運用ができるようになる」ことが重要です。仮に失敗しても、そこから得た経験からチャンスを見出すこともできます。 そして早く実現に動きながら、本気でケイパビリティの獲得と組織化への集中こそがDX実現の近道なのです。 感想・意見 この本は今の日本に必要なこと、多くの方が気が付いていないであろうDXの本質について書かれてあっておもしろく、学べることも多かったです。そのため、社会人、学生問わずおすすめできる本だと思います。 また、中国の事例を多く紹介していますが、そのレベルの高さに驚かされたと同時に、日本のデジタル化の遅さに焦りを感じさせられます。 私が勤める会社でも多くの企業がそうしているようにDX専門の部署がありますが、そこに所属はしていなくても、DX成功、というより生き残る為に、どのように差別化された優れたUXをユーザーに提供するのか、組織としての能力をどのように上げるべきか真剣に考え、提案しなくてはならないと感じました。 個人的には単純ではありますが、会社内での教育、そして対話型組織を作ることが大切かと思います。 対話型組織は間違いなく必要ですが、上下関係なく議論が環境があっても、同じイメージを持たなくては意味がありません。同じイメージが持てないようだと方向性がバラバラになりますし、場合によっては話が進まないからです。 そして同じイメージを持つには、社内での教育が重要かと思います。この教育というのは能力アップはもちろんですが、自社、競合他社、社会の状況を教える、知るということも含まれます。これらの状況を知ることで、目指すべき場所の想像がしやすくなるからです。 ただ正直なところ、差別化されており、優れたUXを提供するシステムのイメージを共有し、理解することは出来ても、そのシステムを社内で、場合によっては世界で最初に考える、イメージするというのはあまりにも難しいです。 これには「ロケット科学者の思考法」についての記事でも書いたように、「一見無用に思える好奇心からくる研究や思考実験がひらめきを明らかにする」のだと思います。 またOODAループにおける「みる(意識して観る、観察する)」「わかる」も重要かと思います。自社、競合他社、社会を観察し、自分の世界観を元にして、課題ややるべきことを理解することによってアイディアが浮かぶのではないかと思います。 まとめ 以上が「アフターデジタル2 UXと自由」の要約、感想になります。 今の日本にとって必要なことが書かれており、この本に書かれていることを知っているだけで、失敗する可能性(=時代に取り残される可能性)は格段に減るかと思います。 また、実例も多く書かれているので理解しやすい内容です。 社会人の方にも学生の方にもおすすめできる本ですので、ご興味のある方はぜひお手に取っていただけたらと思います。 今回は以上です。それではまた。 リラ吉