2022年5月20日 金曜日 14:12

【要約・感想】PDCAより素早く柔軟に判断・行動ができる!「OODAループ思考[入門]」

【要約・感想】PDCAより素早く柔軟に判断・行動ができる!「OODAループ思考[入門]」

皆様こんにちは。リラ吉です。

皆様はOODA(ウーダ)ループというものをご存じでしょうか。

OODAループは現在、意思決定を早めるのではなく、現場レベルで臨機応変に行動できるため、非常に注目されている方法です。

また、よく比較されるPDCAよりもスピード感がある為、「PDCAは時代遅れ」なんて言う方もいるほどです。

個人的にはPDCAが時代遅れとは正直思いません(理由は「PDCAとの使い分け方」を参照)。しかしOODAのほうがスピードがあるのは確かであり、もし下記のように悩んでいるのであればOODAループは一つの解決策になるかと思います。

  • PDCAを実践しているがスピード感がない
  • 世界的に有名な企業が実践している考え方を試したいけど、その方法がわからない

今回の記事では、これらの悩みを解決する方法、OODAループについて書かれた入江 仁之さんの本、「OODAループ思考[入門]」をご紹介します。

内容の要約

OODAとは

OODA(Observe Orient Decide Act)ループはアメリカの空軍のジョン・ボイド大佐が提唱した理論です。当初は、戦闘機パイロットとしての経験に基づいた、戦闘に勝つための理論でした。

その後、ビジネス、政治、スポーツなどでも活用され、「どんな状況下でも的確な判断・実行により確実に目的を達成できる理論」として欧米で認められるようになりました。

現在はシリコンバレーを中心にビジネスエリートが好んで使う思考法になっています。

その特徴はとにかくスピードが速く、なおかつ柔軟性があるということです。

現代において、速さというものは非常に重要な要素になっています。そもそもなぜ速く動かないといけないかというと、下記のような理由があるからです。

  • 速く動かなければ選択肢がどんどん失われてしまう
  • 速く動かなければ主導権が取れない
  • 速く動いた方がチャンスが増える

OODAループが速い理由は「フレームワークでやることが明確」「直観(注:直感ではない)で行動するから不要なプロセスが端折れる」「気づけるからピンチやチャンスを見逃さない」「意味づけるから行動する理由を探す必要がない」「効果起点だから役に立たないことをしない」「主体的だから自分の最善策になる」だからです。

OODAループの概要

ODDAループは次の図のような、みる(書籍によっては観察と書かれている)という意味のObserve、わかる(情勢への適応、状況判断)のOrient、きめる(意思決定)のDecide、うごく(実行)のActの4つの行動、そしてそれを繰り返すLoopから成り立ちます。下図の矢印の通り、これらの工程はショートカット(省略)することも可能です(ショートカットのしかたは後程解説します)

出典元:https://iandco.jp/%E6%88%A6%E7%95%A5%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB/ooda%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%97/

「みる(Observe)」には目に入ってくるものを「見る」と意識して周りや相手の心を「観る」の2つの意味があります。

OODAループの「みる」は周囲の人の仕草や表情、言動、目の前で起きていること(場合によっては相手の話や声のトーン)を意識して観る(=観察する)ことに重きが置かれています。

人間は特に関心のないものだったり、何かに心をとらわれている時は目の前にある現象を知覚できません。しかし、それを知った上で意識して「みる」だけで、見るものは大きく変わってきます。

また、冷静に見ることも大切です。冷静でなかったり、自分にとって不都合な現実から目を背けたい願望があったり、思い込みが強いと現象を知覚できません。冷静に現実を見つめることで様々なことが見えてきます。

 

「わかる(Orient)」は「みる」で観察したものを自分なりに理解し、納得することです。OODAループでは最も重要なプロセスになります。私達は何かを見た(観た)とき、自分が持っている世界観に照らし合わせて理解することで納得できます。

世界観とは「○○とはこういうものだ」という認識、見方のことを言います。しかし、私達は一人ひとり異なる世界観持っているので、同じ現象でもどう理解するか異なります。そういう意味ではOODAループは「判断する対象」にだけ注目する客観的思考法ではなく、「対象とその背景に対する認識(世界観)」をセットで理解する主体的思考法になります。

また、「わかる」では見た(観た)ものを瞬時に「自分なりに理解して納得する」ことが第一であり、場合によっては正しく把握する必要はありません。理解が間違っていることはありますが、わからないから動かないよりは、よほどましです。

まずは動いてみて(試してみて)、間違っていたら素早く修正するという仕組みがOODAループにはあるので、間違っていても問題ないのです。

この仕組みがシリコンバレーで起業家たちOODAループを活用している理由です。GoogleもFacebookもOODAループのような、とりあえずの「わかる」を実行し、実践を通じて検証することで、現在を地位を確立しました。正しく「わかる」ことに固執し、リサーチと作りこみに時間をかけているうちに周回遅れになった多くの日本企業とは対照的です。

 

「きめる(Decide)」は「みる」「わかる」の次のプロセスで、どんな行動をするのか判断します。一般的に意思決定とは、複数の選択肢を並べて比較し、最善の答えを見つけ出す分析方法を言いますが、OODAループの「きめる」は可能な限り直観を元に判断します。

「わかる」と感じられた状況では、上記の通り、直観的に決めます(普段からこの決め方が出来るように世界観を広げる努力をします)。しかし「何が起きているのかわからない」という状況であれば、あらためて「みる」をします。

その上で時間があるなら選択肢を洗い出し、比較・分析をしてきめます。時間がなければ時間が許す限り自分の世界観を総動員して理解する努力をし、直観的にきめます。時間がないのに1つずつ選択肢を洗い出して比較・分析することも、時間がないからといって、行動を放棄することは避ける必要があるからです。

 

「うごく(Act)」は他の3つよりシンプルです。重要なことは最後までやり抜くことです。単に行動するのではなく、成果(失敗も含む)が出るように行動します。

「うごく」時は、すぐに実行するという意思を徹底することが最も重要です。確信が持てない状況でうごくのは誰にとっても不安ですし、思ったような成果が得られないかもしれません。しかし、失敗するにしても早いほうがいいです。

 

ODDAループの最後は「みなおす(Loop)」です。「うごく」を終えた後、その結果がどうだったか見直します。失敗に終わった場合、もう一度OODAループを回します。

ただ失敗した際は、終わったことをあれこれ考えるのではなく、最初からOODAループを回しなおすことを最優先にします。OODAループを何度も素早く回すことによって「こういうときは、こううごく」という手持ちパターンが増えていき、直観力に磨きがかかっていきます。そして最終的には成果が出てきます。

 

OODAループをショートカットで使う

OODAループの実践のカギは「ショートカット」にあります。どんな状況でも「みる→わかる→きめる→うごく→みなおす」のプロセスを踏むのではなく、そのうちいくつかを省略することが、スピードアップにつながります。

例えばですが、プレゼンの前にはスライドに間違えがないか、PCの調整は大丈夫かなど何度も確認します。しかし、慣れてくると、いつものことだから大丈夫と思い再チェックプロセスを省略します。

この見積もりが外れると困った状況になります。状況の認識(上のプレゼンの例だと、毎回の事だから慣れているという認識)と行動の結果の予測(チェックしなくても問題なくプレゼンが出来るという予測)を正しく見積もれないと、現実(スライド等にミスがあった。チェックが必要だった)とギャップが生じ、不幸な事態を引き起こします。

逆に言えば、「状況の認識」と「行動の結果の予測」を正しく見積もり、正しいショートカットのパターンを選択すれば、失敗せずに速く行動できるということです。必要なプロセスだけ踏んで、あとはスキップします。

どのようなときに、どんなショートカットを使うかというと下図のように整理すると、適用すべきパターンが見えてきます。

領域A(状況をよく知っていて、行動の結果を予測できる)は「わかる→うごく(みる、きめるを省略)」のパターンを使う 例:決まり切った作業など

領域B(未知の状況だが、行動の結果は予測できる)は「みる→わかる→みる」のように「みる」を2回行い、世界観を更新する 例:受験勉強、ダイエット

領域C(状況は理解しているが、行動の結果は予測できない)は「わかる→きめる→うごく」で仮説検証し、どんどん「わかるようにする」 例:リーンスタートアップ

領域D(未知で結果も予想できない)は通常のOODAループを回す。

領域Aは何度も同じ経験をするなどして、その状況よく知っていて、行動の結果も予測できるパターンです。例えば老舗テーラーや高級レストランでは、目利きの店員が訪れた客を値踏みします。彼らは数秒の間に客が身に着けているものや髪、表情などを見てみてジャッジし、行動します。

これは「みる」のようにじっくり観察するのではなく、長い間大勢と接した経験から、観察しなくてもわかって、うごけるようになったと考えられます。

 

領域Bでは未知の状況ではあるけど、結果が予測できるパターンです。例えば受験勉強やダイエットです。

このパターンではまずその事象を「みる(観察する)」ことが始まりです。ダイエットであれば体重や体脂肪を確認して、自分の体形がどんな状態かを知るというのが1つ目の「みる」です。

次に「わかる」をします。ダイエットの場合はいつまでにどんな姿になりたいのかの目標設定をし、同時にダイエット方法やジムの情報収集など目標達成のためにやるべきことを理解します。

そしてもう一度「みる」をします。これは「わかる」で理解したことが現実に合致しているかの観察です。こうすることで、自分の世界観は更新され、より広く、深いものになっていきます。こうすることで領域Bから領域Aにシフトできます。


領域Cのように理解はできても結果は予測できない場合は「わかる→きめる→うごく」です。

状況を整理して受け止めることが出来ても、結果が予測できない。だから、とりあえず「きめて」「うごく」のです。

シリコンバレーを中心に、起業や製品、サービス開発の手法として広く活用されているリーンスタートアップ(コストをかけずに最低限の試作品を短期間でつくり、顧客の反応を取得して、顧客がより満足できる製品・サービスを開発していく方法)は他社より抜きん出て敏感にマーケットを取る手法ですが、ここでも領域Cのパターンを使っています。

 

領域Dの未知で結果も予測できない場合はフルセットのOODAループを使用します。

領域Dは完全に想定外の状況の為、多くの情報を収集、分析して、全体の状況を把握し、行動に移します。

 

世界観をつくるフレームワーク

OODAループの中で、要になるのは「わかる」です。「わかる」をショートカットしないパターンはありません。

しかし、全ての現象が「わかる」わけではありません。そこで世界観が必要になります。

世界観はVSAM(ビジョン:Vision 戦略:Strategy 行動指針:Activities Directions メンタルモデル:Mental Model)で形作られます。

世界観とは世界を今、あるいはその先をどう観るかということで、わかるとは世界観をつくること、世界観は、目的であるビジョン、それを実現するための戦略、行動指針、それらを潜在的に観ているかを示唆するメンタルモデルによって構成されています。

 

さらに加速する為に必要なこと

速く、最適な行動を取る為には世界観を磨き続ける必要があります。

その方法の一つ目が様々な経験をして教養を身につけることです。

VSAMのうちのVSAを意識しつつ、それとは直接は関係ないこと、異分野にまで視野を広げ、教養を身につけると良いでしょう。

メンタルモデルを捉える為に、第三者にフィードバックをしてもらうことも大切です。自分のメンタルモデルを箇条書きにして信頼できる人に見せて意見をもらうと、意外な自分の一面に気がつけます。

常識を疑い、真実を意識することも大事です。物事が起きている現場に足を運び、自分の目で事実を確かめるのも良いことです。自分の目で確認することで、自身の思い込みを払拭できます。

また、OODAループを使い、世界観を最新のものに更新し続けることも大切です。

 

相手のOODAループに入る

私達の毎日は一人では完結しませんが、共に過ごす仕事仲間や家族、友人には自分のものとは違うそれぞれ世界観があります。そして彼らが自覚しているかはともかく、「みる→わかる→きめる→うごく」のOODAループに近い思考を持っています。

なので相手の自分に対する世界観(私をどう捉えているか)に働きかけて変えることが出来れば、自分に対する相手の理解や判断を変えられます。

これは営業先の関心を引いたり、面接で良い印象を与えようとすることも同じです。相手の言動、反応を観察して、それに基づいて目標を達成するためにOODAループを回していくといいでしょう。

個人的な感想

個人的な感想としてはスピードを求める仕事をしている方には非常に参考になる本だと感じました。

重要な部分(例えば世界観)については他の部分よりも多く説明されているので、どこが重要なのか、またその重要な部分をどうやって考えればいいのかわかりやすいかと思います。

また図が多いということも理解を深めるうえで非常に助かりました。

この本に書いてあることで特に重要なのは、OODAループの概要はもちろんですが、異分野にまで視野を広げ、教養を身につけ、世界観を広げるという点だと思います。

これはジャンルは違いますが同じビジネス本の「ロケット科学者の思考法」「「一緒に働きたい」と思われる 心くばりの魔法 〜ディズニーの元人材トレーナー50の教え〜」にも同様のことが書いてあります。

なので、この著者独自の意見やOODAループにだけ関係することではなく、多くの成功者がやっていることなのでと思います(これらの本について下記の記事をご参照ください)。

【書評】偉人達から成功する方法が学べる「ロケット科学者の思考法」の要約・感想、実体験
【書評】「一緒に働きたい」と思われる 心くばりの魔法 〜ディズニーの元人材トレーナー50の教え〜の内容・感想

次にお値段についてですが、お値段は1650円(1500円+税)とビジネス書としては普通の値段ですが、従来とは違うアプローチについて学べるという点を考えると、1650円というのは安い気もします。

欠点としては、一部を除いて、そこまで深くは書かれていないということだと思います。ページ数もあとがきを含めても162ページとビジネス本としてはかなり短めです(それでも1650円分の価値はあります)。

ただこの本のタイトルにもある通り、あくまでこの本は「入門書」なので仕方ないとは思いますが、もう少し深く書いて欲しかったというのが率直な感想でした。

 

PDCAとの使い分け方

この記事の冒頭で「PDCAは時代遅れ」と言う方もいると書きましたが、個人的な意見では、PDCAと使い分けることが重要であり、それが出来るならOODAループは強力な方法だと感じました。

OODAループを使う最大の利点はこの本にも書かれている通り、スピードが速いことです。そのため、スピードが重要になることについてはOODAループが非常に有用だと思います。また、ユーザー(顧客)の意見を聞き、柔軟に対応させたい場合にも有効だと思います。

例えば、私個人のお話しすると、私はAI関係の仕事をしています。AIの研究・開発についてはPDCAよりもOODAループのほうが向いているかと思います。

AIを使ったらおもしろいと思った製品、導入しようと思った場所、導入したらおもしろいと思える場所を考えたり、見つけたりしたら観察し、自分なりに状況を理解し、作ることを決め(というか許可をもらい)、作って実験、場合によっては導入します。

二週目のループでは実験結果やAIの動作、使った人を観察し、状況を理解し、改良することを決め、改良して再実験、再導入し、また観察し…という流れにします。この方が、より多くのデータが早く取れる上に、軌道修正・仕様の変更・機能の追加に柔軟に対応できることから、PDCAよりも向いています(IT関係のお仕事・勉強をされている方にはアジャイル開発の考え方と言った方がわかりやすいかなとも思います)。

別の例だと、この記事をOODAループを応用して書くこともできます。1週目は本を読み(観察し)、理解し、書くことを決め、書いていきます。ループの2週目以降は書いた記事を観察、あるいはTwitter等で記事に対する意見をもらい、問題点を自分なりに理解し、変更点を決め、修正をするというループです。こういったことにもOODAループは使えるかと思います。

あとは近年でOODAループを使っているなと思うのがソーシャルゲーム(ソシャゲ)です。ソシャゲは流行や状況に柔軟に対応しながらアップデートを繰り返しているなと個人的には思っています。

このように様々な業務、勉強にOODAループを当てはめることが出来ると感じています。

しかしながら、スピードを求めない場合や大規模な組織で動く場合、きっちり計画を作って計画通り進めたい場合はOODAループよりPDCAのほうが良いと思います。

仕事ではありませんが、例えば旅行がそうです。計画し(Plan)、旅行に行き(Do)、旅行を振り返り(Check)、次の旅行でどうすべきかを考え、改善する(Action)が理想かと思います。OODAループのスピードで旅行に行ったら、おそらく金欠になります。

また、OODAループの最も重要なプロセスである「わかる」は自分の世界観を元に理解をしようとします。しかしながら、大勢の人間が参加するプロジェクトで各々が自分の世界観を元にしてしまうと、組織の統制が取れなくなるのではないかと個人的には思います。

このような場合はしっかり計画をしたうえで、関係者が同じ方向を向いた状態でプロジェクトを進めることのできるPDCAを採用したほうが良いと思います。

まとめ

以上が「OODAループ思考[入門]」の要約・感想になります。

PDCAとは異なるスピードの速いアプローチ方法を学べる本となっており、普段の仕事や勉強でも使える思考です。

内容としても入門書であり、理解しやすいものとなっていますので、ご興味のある方はぜひ読んでいただけたらと思います。

今回は以上です。それではまた。

リラ吉


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【要約・感想】「ディズニーCEOが実践する10の原則」

皆様こんにちは。リラ吉です。 ウォルト・ディズニー・カンパニー、通称「ディズニー」は映画やキャラクター、ディズニーランドをはじめとするテーマパーク、ホテルなど、様々な事業に取り組み、そして成功している誰もが知っている大企業です。 今でこそ、世界最大級のエンターテイメント会社ですが、そんなディズニーも90年代に低迷してしまいました。 しかし、低迷していたディズニーはある人物をCEOに任命したことにより、立ち直ります。 その人物こそが「ロバート・アイガー」です。では、彼がCEOになり、ディズニーを立て直すまで、どのような人生を送ってきたのでしょうか? 今回の記事では彼の成功の数々を追体験できる、ロバート・アイガー氏の本「ディズニーCEOが実践する10の原則」をご紹介していきます。 内容 10の原則 著者がこれまでに学んだことを振り返ると、下記の真のリーダーシップに必要な10の原則が浮かび上がってきます。 1.前向きであること リーダーは前向き、つまり熱意をもって高い目標に取り組まなければなりません。悲観的なリーダーは人々をやる気にさせることが出来ません。 2.勇気を持つこと 変化と競争が激しい世の中では、リスクテイクが必要であり、イノベーションは欠かせません。そしてイノベーションは、人々が勇気を持った時に生み出されます。 3.集中すること 最も重要で価値の高い戦略やプロジェクトに時間と労力を注ぎ込むことが極めて大切です。 4.決断すること 多様な意見を尊重しながら、タイムリーに判断を下し、実行する必要があります。 5.好奇心を持つこと 好奇心は場所、考え方との出会いに繋がります。イノベーションのきっかけは好奇心なのです。 6.公平であること リーダーは公平に接し、他者に共感できる近寄りやすい存在でなければなりません。 7.思慮深いこと 思慮深さとは知恵を身に着けるプロセスです。思慮深いリーダーの意見や判断は信頼できるし、正しいことが多いです。 8.自然体であること 正直でありのままのあなたでいましょう。敬意と信頼は、嘘のないリーダーによって育まれます。 9.常に最高を追求すること ほどほどで妥協しないことが大切です。改善の余地があると思ったら、もっといいものにするために力を注ぎましょう。 10.誠実であること 誠実であることは何より大切です。大きなことにも小さなことにも倫理的に高い基準を設けられるかが組織の成功を左右します。 これらの考えは著者の長いキャリアで体験した逸話や事例を読めばより具体的に、身近に感じられるでしょう。 下っ端時代 著者は大学を卒業後、テレビ局のABCで働き始めました。最初はスタジオ管理の仕事で、華やかなテレビの舞台とは違い、いじめなど、今ではクビになっているに違いない行為多い職場で長時間の雑用をしていました。 その後、クビになりそうになりながらも、スポーツ関係の部署に異動し、ルーンと出会います。彼から新しいものや証明されていないものを怖がったらイノベーションはできない事、そして「もっといいものを作るために必要なことをしろ」「最高を追求しろ」という教訓を学びました。 ルーンからはそのほかに、「イノベーションを起こさなければ死ぬ」「出来ないなら他の方法を探して目標を達成すること」「やってはいけないのは失敗することではなく、自分のせいでないフリをしたり、誰かに罪をなすりつけること」ということを学びました。 大抜擢 34歳の時に著者はABCスポーツのバイスプレジデントになりましたが、その後すぐにABCの四分の一の規模であるキャピタル・シティーズ・コミュニケーションズにABCは買収されました。 キャピタル・シティーズ・コミュニケーションズのトップ、トムとダンはテレビビジネスの変化を予見しておりましたし、コスト管理を徹底して、何でもかんでもお金をかけるのではなく、使うべきところにお金を使っていました。 ルーンはトムとダンによって今でやっていたスポーツと報道のどちらか一つに専念するように言われ、報道を選びました。 残された著者が所属するスポーツ部門のトップにトムとダンが指名したのは、スポーツ番組を担当したことのないデニスでした。デニスは知ったかぶりをせず、わからないことはわからないと言い、部下のことを第一に考えている人でした。 デニスがもともと心の広い人物だったのもありますが、この文化を作り上げたのはトムとダンでした。彼らは正直で敬意を持って人と接する人物でした。 著者は自分のことを馴染みのないことでもやり遂げる力があると証明したがる人物だと考えています。そういう意味では経験より能力を重んじ、本人ができると思っている以上の力を求められる仕事を部下に与えるトムとダンは理想の上司でした。 その後トムとダンは著者をABCエンターテイメントの社長に任命しましたが、エンターテイメント業界出身でない人間をABCエンターテイメントのトップに据えるのははじめてのことでした。ですがトムとダンは「君ならできる」とその仕事を与えました。 首位奪還 ABCエンターテイメントのトップに着任してすぐは、戸惑いもありましたが、「やるべきことをやれ」「経験がないということは言い訳にはならない」と心に刻みました。 そんな時にどうするかというと、自分を偽らず、謙虚に知らないことを知るところから始めなければいけません。 トップという立場でも必要なことは聞き、理解できないことははっきり認め、学ぶべきことは努力して早く学ぶことが大切です。本物のリーダーシップとは、自分が何者か知り、誰かのふりをしないことなのです。 著者がABCエンターテイメントのトップだった時、上手くいった番組もあればこけた番組もありましたが、著者が学んだことは努力不足はいけないが、避けられない失敗ならしてもいいと腹をくくらなければ、イノベーションは起こせないということでした。 その後、ABCテレビジョン・ネットワークの社長に就任してすぐ、ダンの引退と共にキャピタル・シティーズ/ABCのCOOに就任しました ディズニー入社 COOに就任後、キャピタル・シティーズ/ABCはディズニーに買収されました。 自分が社長、つまりディズニーのNo.2になれるかもと思っていた著者でしたが、実際には別の人が選ばれてしまいます。一瞬がっかりしたものの、仕事がうまくいくように努力することの方が先でした。 しかし、社長に就任した人物はCEOの右腕としては不十分で、自分の時間を管理し、他人の時間を尊重するという管理職に必要なスキルをまるでわかっていなかったし、他の人の問題に耳を傾け、解決策を見つける手助けをすということもしなかったため、当然ながら、その社長はクビになりました。 No.2 それから3年間、ディズニーにはNo.2を置かずに経営を続けました。 しかし、1999年の終わりにはずっと1人でディズニーの経営を切り盛りしてきたCEOのマイケルにしわ寄せがやってきました。彼がNo.2を指名したがらないことが、ディズニー全体に悪影響を与えてしまったのです。 著者が休暇中にCEOと取締役数人が夕食を共にし、後継者について話し合った際に、著者を後釜に据えることはないと、CEOは宣言しましたと聞かされましたが、後日著者がら呼び出されて言われたのはCOO、つまりNo.2に任命されました。 内紛 COOに指名された頃、伝統的なメディアの終わりが始まり、世界が変わろうとしている時代でした。 世界が変わっていることを誰よりも体現する存在が、アップルの経営者で、ピクサーのCEOであるスティーブ・ジョブズでした。 ピクサーはディズニーにとって重要なパートナーでしたが、アップルのやり方を非難するなどして、ディズニーとピクサーの(というかディズニーのCEOのマイケルとスティーブ・ジョブズの)関係は悪化していきました。 そのことに加え、同時多発テロが起き、標的にされかねなくなったということや、コムキャスト社がディズニーを買収しようとしていたこと、CEOのマイケルと重鎮取締役ロイ・ディズニーとの対立などがあり、ディズニーは問題が山積みになっていました。 問題が多くなりすぎたことから、結果的にマイケルは2006年の任期満了をもって引退することが決定し、ディズニーはそれまでに後継者を探さなければいけませんでした。 後継者選び 著者がCEOになるには、取締役が求めている変革者だと信じてもらわうために、説得しなければなりませんでした。 著者がやったことは三つの戦略的優先順位を決め、「自分たちの行きたい場所はここだ。そこにたどり着くにはこうすればいい」と伝えることでした。つまり。ディズニーや著者の過去の実績の話ではなく、未来の戦略を話しました。 しかし、ディズニーのCEO選びはなかなか進みませんでした。著者は取締役会、マスコミ等の質問、批判を受け、パニック障害を引き起こしたこともありました。 一連の出来事や世の中の評価を考えると、取締役会が変化を求めて外部の人を指名する可能性も充分に考えられましたが、最終的には著者がCEOに決まりました。 最初の100日 CEOとなった著者は、今後半年の間にやらなければいけないことをまとめました。その中には「ロイ・ディズニーとの和解」「ピクサー及びスティーブ・ジョブズとの関係を修復する」などがありました。 著者はロイ・ディズニーが求めていたのは敬意ということに気づきました。ほんの少し敬意を払うだけで信じられないようなことが起こり、逆に敬意を欠くと大きな損をします。敬意を払うというのは一見つまらなそうなことですが、敬意をもって共感をもって働きかけ、人を巻き込めば、不可能と思えることも現実になるのです。 ピクサー買収 新しいiPodでディズニーのテレビ番組を配信する件について、スティーブ・ジョブズと話し合うようにはなっていましたが、ピクサーの話に応じてくれても、ジョブズが持ち寄る条件はいつも、ピクサーの有利になるようなものばかりでした。 そんなとき、著者はピクサーを買収するという考えを思いつきます。そのことを緊張で汗が噴き出す中、そのことをジョブズに伝えると「あぁ、それならとんでもないってこともないな」と返答がありました。 ジョブズのと会議で、ジョブズはホワイトボードに片側に「メリット」、反対側に「デメリット」と書き、ピクサーを売却するデメリットを余るほど書いていきました。対して著者はメリットを一握りしか言えませんでした。 しかしジョブズは「メリットは少ないが間違いないものだし、沢山のデメリットより重要だ」と述べました。 ジョブズはメリットとデメリットのすべての重要性を推し量り、デメリットの多さに騙されてメリットの重みを、特に彼が成し遂げたいことを見失いませんでした。それこそがジョブズがジョブズたる所以でした。 ピクサー買収をする方向性で進めていた著者ですが、反対意見は少なくありませんでした。しかし、最終的には取締役会を説得、ジョブズから癌が再発した話も聞きましたが、買収は成立しました。 マーベル買収 2008年、良質なオリジナルコンテンツを増やすために、次に買収を考えたのはマーベルでした。 2009年、ようやくマーベルCEOのアイクと話し合う機会を作りました。彼は瀕死になったマーベルを手に入れて、その頭脳と執念で立て直したほどの人物でした。 アイクとの食事などを通じて、話を進めていき、買収することに同意してもらいました。 アイクが同意した決め手はジョブズでした。ジョブズは電話で「ロバート・アイガー(著者)は約束を守る人間」だと伝えたことが決め手となりました。 もちろんマーベルの社員には不安を感じる人間も少なくありませんでした。著者はピクサーを買収した際にも言った、「君たちらしさに価値があるのに、それを変えてしまったら買った意味がなくなる」という言葉をマーベル社員に伝えました。 スターウォーズ継承 マーベル買収を終えてから、ずっとルーカスフィルムは買収候補のトップに上がっていました。 ルーカスフィルムのジョージ・ルーカスの中では、ルーカス・フィルムはピクサーと同じくらい価値があったが、ディズニーにとってはそこまでの価値はありませんでした。いつかそうなる可能性はありましたが、そこにたどり着くまでには何年も努力し、偉大な作品を作らなければなりません。 守秘義務契約を結び、ルーカス・フィルムを調査し、適正な価格を提示、ジョージ・ルーカスは買収価格に合意しました。ただ、問題はジョージの役割でした。 経営者として彼に「好きな映画を好きな時に撮ってください」とは言えません。しかし、スターウォーズをジョージが手放すとは思えなかったのです。 結局、税制の改正もあって、彼は嫌々ながら買収に合意しました。彼にとってスターウォーズという自分の子供同然の手放すことは非常に辛いものでした。 彼の気持ちは痛いほどわかっていましたが、著者は経営者としての責務を果たす必要がありました。しかし、それでも彼には切実に接しました。 これまでのピクサー、マーベル、ルーカス・フィルムの買収に共通していたのは、支配的な所有者と信頼を築けるかでした。そしてその鍵は誠実であるかどうかです。 信頼を築けることでこの3社を買収し、良い関係でいることができたのです。 イノベーションか死か 3社の買収は終わり、自分達のコンテンツをテクノロジープラットフォームを使って直接消費者にコンテンツを届ける時が来ました。 そのためにやり遂げなければならないのははっきりしていました。イノベーションを起こすことです。できないなら生き残れません。 ディズニーはBAMテック社を完全買収し、支配的所有権を取得して、動画配信サービスを立ち上げることを発表しました。それがESPNプラスとディズニープラスでした。 その後、ディズニーは報酬制度の変更など、イノベーションに不要な伝統をどんどん捨てていきました。 正義の代償 イノベーションが業界を変えていることは間違いありませんでしたが、テクノロジーの変化よりも深い意味で社会の姿を変えるような変革が起きていました。 特にエンターテイメントの世界ではハリウッドやあらゆる職場でのセクハラや性別差別に対して行動が起こり始めていました。 ディズニーもまた、社員が安心して働ける環境を作り出し、維持するために、社内の全ての人が意見できるようなプロセスを置き、告発者を守ることを強調しました。 それから半年間は課題が山積みでした。動画配信サービス、人事問題、フォックスの買収に向けての分析と交渉などです。 さらに、ESPN社長のジョンが薬物問題を告白しました。彼は優秀な人物で、失うのは痛かったですが、正しいことをするために、ジョンは辞任、ディズニーはESPNとアニメーションという柱になる2つの事業のリーダーを失いました。 また、テレビシリーズ「ロザンヌ」の主演、ロザンヌ・バーがTwitterで炎上、商業的には存続が正しいですが、人として正しいことをするために「ロザンヌ」の打ち切りを決定しました。 未来への布石 フォックスの買収を進めていましたが、コムキャスト社がディズニーが提示した額よりもはるかに高い額を提示しました。 ディズニーはその額より高い額を提示、買収合意が発表されました。これにより買収の問題も収まり、良いタイミングで配信サービスの情報を株主に公開しました。 最終的には全てのディズニー作品、マーベル作品、さらにシンプソンズをはじめとする買収したフォックスの作品も提供できるようになること、スマートフォンのアプリがどのように動くか、月額料金はいくらなのかなどの説明をしました。 著者がここまで来れたのには素晴らしい指導者との出会いがあったからです。彼らからできる限り全て吸収しました。 著者はミッキーマウスクラブを見て育ち、生まれて初めて映画館に行った際にはシンデレラを見に行きました。そんな著者がディズニーの遺産を守り、次の世代に引き継ぐ立場になったことが信じられないと語っています。 世界中から権力者、重要人物だと祭り上げられても、自分を見失わないことがリーダーの本質です。自分を過信した瞬間、肩書きに頼り始めた瞬間に自分を見失ってしまいます。 人生のどの段階にいても、自分という人物は今も昔も変わらないということを心に留めてること、それが何より難しく、なによりも大切な教訓なのです。 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || ).push({}); 個人的な感想 まず、少し驚いたことがタイトルでした。このタイトルだと、「7つの習慣」のように10の原則についてそれぞれの章で詳しく書かれているのかと思いきや、この本は著者であるロバート・アイガー氏の1974年の下っ端時代から2019年までを追体験し、この10の原則を彼のキャリアを通して理解するという内容でした。 そのような予想と違った面もありましたが、10の原則はもちろんのこと、どのような人と出会い、学び、力をつけていったか、そしてどのように会社を導いたのかを著者の実体験を通して学べる本ため、非常に理解しやすかったです。 また、読んでいて非常に楽しかった本でもあります。著者の人生を追体験できる本なので、続きが気になるのです。電車で読んでいて、目的の駅に着いた時は「この後ディズニーと著者はどうなるのか続きが気になるのに降りなくちゃいけないのか」と思えるほどでした。 特にスティーブ・ジョブズとのやり取りは特に面白く、また参考になりました。ジョブズと著者のような世界のリーダーの考えを私はできていませんが、「このように考えられるようにする」という目標を与えてくれました。もちろんその目標を達成するのは非常に難しいですが、著者の言う通り「熱意をもって高い目標に取り組むことが大切」なのだと思います。 一番参考になったのは、著者のように「地位、立場に関係なく、わからないことは聞いて理解する」「謙虚な姿勢で努力する」「目指すべきところ、やるべきことをはっきりさせる」ことが大切であるということです。これは誰にでもできることではないかもしれませんが、誰もが実践すべきことであると感じました。 あとはこの本に対する投資対効果ですが、定性的ではありますが、これは間違いなく投資額以上の効果があると思います。この本は2310円(2100円+税)でしたが、2310円でリーダーとしての心得や、著者の成功までの人生を追体験は普通出来ません。 読むことをおすすめできるのは、周りから信頼されたい、成功したいと思っている方です。社会人の方のほうが理解、共感は出来ると思いますが、実力をつけ、敬意と信頼を得たいと思っている学生の方にもおすすめできる本だと思います。 まとめ 以上が「ディズニーCEOが実践する10の原則」の内容の要約、感想になります。 ロバート・アイガー氏がどのようにして世界的なリーダーになったのかを追体験できる本であり、彼のキャリアを通じて、大切な10の原則が学べる本です。 面白い本であると同時に、皆様の年齢、立場にかかわらず参考になる本であり、読む価値は十分にあるかと思います。 もしご興味がありましたら、ぜひ読んでいただけたらと思います。 今回は以上です。それではまた。 リラ吉 ディズニーCEOが実践する10の原則 価格:2310円(税込、送料無料) (2021/6/16時点)楽天で購入

【要約・感想】DXの本質とは?「アフターデジタル2 UXと自由」

皆様こんにちは。リラ吉です。 近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉を聞くことが増えました。 DXとは「文書や手続きを単に電子化するだけではなく、ITを徹底的に活用することで、手続きを簡単・便利にし、蓄積されたデータを政策立案に役立て、国民と行政、双方の生産性を抜本的に向上することを目指します」と経済産業省は定義しており、その考えから、リモートワークやデリバリーフード、銀行振り込みなど、様々なものがオンライン上で出来るようになっています。 しかし、日本はデジタル化が遅く、オフラインのものが多いというのが現状です。 ではDXの実現にはどのようなことが必要なのでしょうか?そしてDXが実現された社会とはどのような社会なのでしょうか? 本記事ではそれらのことについて書いてある藤井 保文さんの本「アフターデジタル2 UXと自由」について書きたいと思います。 内容の要約 オフラインのない状態がくる 中国の都市部では現金の使用率が5%以下まで低下し、モバイルペイメントの利用が浸透しています。デリバリーフードもアプリで済ませ、都市部の移動もシェアリング自転車を使う人が増えています。 このようにもともとオフラインだったものが次々とオンラインデータ化し、個人のIDと紐付けられ、膨大な行動データが利活用可能になっています。日本もだんだんとそうなってきています。そして行動データを利活用できないプレイヤーは負けていく時代なのです。 アフターデジタル社会において成功企業が共通で持っている思考法を「OMO」と言います。OMOは「オンラインとオフラインを分けるのではなく、一体のジャーニーとして捉えて、これをオンラインの競争原理から考える」というものです。 ジャーニーとは人の行動、思考、感情などの見える化したものを指します。これにより、オンライン、オフラインという区別を意識しなくても、そのとき最適な方法を選ぶことができます。 これまでは製品を販売するというゴールに向かって企画、生産し、売っていくというビジネスモデルでした。これからは製品はあくまで顧客との接点の一つと考え、他の接点である、アプリ、店舗などと等しく扱われます。 すべての接点が1つのコンセプトでまとめ上げられ、その世界観を体現したジャーニーに顧客が載り続け、企業は顧客に寄り添い続ける、そうした新しい型(バリュージャーニー)に変化します。このバリュージャーニーの時代では顧客を状況レベルで理解するほど強くなります。 ソフトバンクの孫正義はペイメント機能に始まり、移動、飲食、金融など生活インフラ機能を全方面でとらえたアプリを「スーパーアプリ」と表現しました。スーパーアプリで重要なことは「いかにして、日常の様々なことに使ってもらうか」になります。スーパーアプリはアジアでは中国が先行しています。 一方でGAFAという世界最強のプラットフォーマーがある米国では、プラットフォーマーに頼りすぎず、テクノロジーをまとったブランドが中間業者を挟まず顧客にダイレクトにつながるD2Cという動きが生まれてきています。D2Cブランドは、従来の顧客に製品を販売していくモデルではなく、テクノロジーを駆使してリレーションを作っていくモデルです。 日本はデジタル化が遅れている国です。その理由の一つが「日本はホワイトリスト方式」だからです。ホワイトリスト方式というのは「やっていいことを決め、それ以外はやってはいけない」という管理の仕方です。決めたことしかやってはいけない為、自由度が低くなります。 対して米国などはブラックリスト方式、つまり「やってはいけないことを決め、それ以外は一旦はやっていい」という管理方法です。これは自由度が高く、デジタル化を進める上では良いです。しかし、企業や個人に責任を負わせることになるため、社会問題が発生した場合、大企業でも容易につぶれるリスクもあります。 アフターデジタル型産業構造の生き抜き方 決算プラットフォーマーはアフターデジタル型産業構造において、強い立場にいます。 中国のアリババとテンセントは細やかなUX(新たな顧客体験)にまで一気通貫しています。アリババのアリペイとテンセントのWeChatペイにそれが反映されていて、ほとんどの人が両方使っています。 この二つは同じカテゴリーのサービスですが、異なるミッションでそのカテゴリを捉えています。例えば送金を例にするとアリペイは送られてきたお金がそのままウォレットに入りますが、WeChatペイは受け取るというアクションを取らないとウォレットには入りません。 このように聞くとアリペイの方が便利に聞こえます。しかし、著者の経験として、プロジェクトの打ち上げの際に奢ろうとしたら部下の1人が「私もお金を出します」とWeChatペイで100元送ってきました。 この時、著者は奢る気だったので当然受け取りませんでした。しかし、部下も受け取らずに返金されることがわかっていて100元を送ってきました。このような日本でよく行われる「奢ってもらえるのはわかっているけど、一応財布を出すポーズだけはする」のようなお金のやり取りというコミュニケーションをデジタル上で出来るのです。テンセントの狙いは全てをコミュニケーション化することなのです。 アリペイは商取引の円滑化が優先です。受け取りアクションを取り入れると取引を通じて沢山の人から送金があると無駄なことが増えてしまいます。このようにアリババとテンセントは同じ機能でも同じサービスにならないのです。 このように機能やUXだけでなく、展開戦略やミッションが反映され、企業の「社人格」のようなものが現れます。結果、ユーザーには「この企業はこういう存在である」と認識されるのです。 アフターデジタル型産業構造になることで、最も恐怖を感じているのはメーカーです。メーカーは顧客接点の頻度が低く、顧客理解の解像度が低くなってしまいます。 しかし、例えば電気自動車メーカーのNIOは「鍵を渡してからが仕事」と言っています。NIOは購入者限定の会員サービスがあります。どちらかと言えば会員サービスを買うために600〜700万円支払い、ギフトとして車を差し上げているくらい車を差し上げるようなものです。 通常、メーカーは購入時のみしか接点を持てませんが、NIOは定常サービスによって顧客との接点を確保し、いつまでも顧客の相談に乗れるような関係性を作っています。 価値の再定義も必要です。中国においてスターバックスは30分に届いたコーヒーは味が落ちていると考え、デリバリーに参入していませんでした。その結果、ラッキンコーヒーがデリバリーを開始し、店舗拡大をしてしまいました。 対策としてスターバックスは専属配達員を配備しました。通常、デリバリーアプリで注文すると30分前後かかりますが、専属配達員は1 to 1配送を実施するため、注文後10分前後で配達してくれます。 スターバックスはユーザーがすでにその便利さに移行しているという捉え、スターバックスらしいデリバリーは何か、アフターデジタル型のスターバックスが提供する価値とは何かを再定義しました。 時代に合わせて価値を再定義して技術を正しく導入すれば、アフターデジタルの時代においても大きく成長することができます。 誤解だらけのアフターデジタル 中国で起きたことが日本で同じことが起きるかというと、そうとは思えません。国家の運営体制、経済構造、文化背景の3点が日本と中国では異なるからです。 中国では決済プラットフォーマーが頂点にいて、その下にサービサー、さらに下にメーカーが位置します。 しかし、日本では同様のヒエラルキーにはならないでしょう。中国の人口は14億人、そのうち5億人が使うアリババやテンセントの決済プラットフォームと5000万人が使う日本のプラットフォームでは、参加企業のインセンティブが大きく異なります。 より多くの企業が、よりユーザーの多いプラットフォームに乗ってくるので、ユーザーの選択肢も増え、さらに多くのユーザーが使うようになります。そうすると、企業にとってのメリットも増え、さらに多くの企業が参加します。 決済プラットフォーマーとしてアフターデジタル方産業構造のトップに立つには「圧倒的な資金力」「考え抜かれたUXによる圧倒的なユーザー数」の二つの条件が必要なのです。 日本におけるDXは「デジタルを導入せよ」という命令が出てしまい、「顧客提供価値をアフターデジタル社会に照らし合わせて定義する」という議論が抜けがちです。ユーザーにどのようなUXを提供するのかを考える前に業務や人事のデジタル化を先に行ってしまいます。 また、ユーザーの状況理解とそこに提供するらUXの企画がないまま、DXを進めようとしてしまっています。UXはUIと一緒に使われがちですが、GAFAやアリババ、テンセントではUXは「ユーザー、ビジネス、テクノロジーの3つが関わり合う時に生まれる体験」と捉えています。 優れたUXが高頻度で長く使ってもらえるものを生み、それがビジネスの全てを決めると理解しているからです。 UXインテリジェンス 目指すべきは「多様な事由が調和する、UXとテクノロジーによるアップデート社会」、つまり「人々がその時々で自分に合ったUXを選べる社会」です。これは民間企業が社会のアーキテクチャー設計を担うことを意味します。言い換えると企業のDXが社会のDXを形作るのです。 しかし社会のDXを念頭に置かないと企業のDXも上手くいきません。そして、社会に受け入れられるDXを成し遂げるには、どんな世の中にしたいかという企業家精神が不可欠なのです。 しかし、こうした精神を持たない企業がデジタル化を進めてしまい、データが悪用され、そうした事例がいくつも世の中に出てしまうと、社会発展が止まってしまう可能性が高くなります。 データはUXに還元し、ユーザーとの信頼関係を作ることを最優先にし、心の底から共感できる世界観を提供しなければならないのです。その実現に重要なケイパビリティ(組織的な能力)は「ユーザーの置かれた状況」を考える「UX企画力」なのです。 日本の企業への処方箋 日本企業がDXを推進する場合、組織内部の課題が非常に多いです。経営レベルでアフターデジタルの世界観を理解し、社長から現場まで同じイメージ(DXの必要性、目的)で共有するライン作る必要があります。  また、命令型組織ではなく、上も下も横も対話と議論ができる対話型組織でないとDXは実現できないとも言われています。 DXの目的は「新しいUXの提供」であり、その成功に対しては「組織としてのバリュージャーニーの企画運用ができるようになる」ことが重要です。仮に失敗しても、そこから得た経験からチャンスを見出すこともできます。 そして早く実現に動きながら、本気でケイパビリティの獲得と組織化への集中こそがDX実現の近道なのです。 感想・意見 この本は今の日本に必要なこと、多くの方が気が付いていないであろうDXの本質について書かれてあっておもしろく、学べることも多かったです。そのため、社会人、学生問わずおすすめできる本だと思います。 また、中国の事例を多く紹介していますが、そのレベルの高さに驚かされたと同時に、日本のデジタル化の遅さに焦りを感じさせられます。 私が勤める会社でも多くの企業がそうしているようにDX専門の部署がありますが、そこに所属はしていなくても、DX成功、というより生き残る為に、どのように差別化された優れたUXをユーザーに提供するのか、組織としての能力をどのように上げるべきか真剣に考え、提案しなくてはならないと感じました。 個人的には単純ではありますが、会社内での教育、そして対話型組織を作ることが大切かと思います。 対話型組織は間違いなく必要ですが、上下関係なく議論が環境があっても、同じイメージを持たなくては意味がありません。同じイメージが持てないようだと方向性がバラバラになりますし、場合によっては話が進まないからです。 そして同じイメージを持つには、社内での教育が重要かと思います。この教育というのは能力アップはもちろんですが、自社、競合他社、社会の状況を教える、知るということも含まれます。これらの状況を知ることで、目指すべき場所の想像がしやすくなるからです。 ただ正直なところ、差別化されており、優れたUXを提供するシステムのイメージを共有し、理解することは出来ても、そのシステムを社内で、場合によっては世界で最初に考える、イメージするというのはあまりにも難しいです。 これには「ロケット科学者の思考法」についての記事でも書いたように、「一見無用に思える好奇心からくる研究や思考実験がひらめきを明らかにする」のだと思います。 またOODAループにおける「みる(意識して観る、観察する)」「わかる」も重要かと思います。自社、競合他社、社会を観察し、自分の世界観を元にして、課題ややるべきことを理解することによってアイディアが浮かぶのではないかと思います。 まとめ 以上が「アフターデジタル2 UXと自由」の要約、感想になります。 今の日本にとって必要なことが書かれており、この本に書かれていることを知っているだけで、失敗する可能性(=時代に取り残される可能性)は格段に減るかと思います。 また、実例も多く書かれているので理解しやすい内容です。 社会人の方にも学生の方にもおすすめできる本ですので、ご興味のある方はぜひお手に取っていただけたらと思います。 今回は以上です。それではまた。 リラ吉
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【プログラミング初心者向け】C#・WPFで計算機アプリを作ってみよう Part2(スタイル作成編)

※本記事はプログラミング初心者向けです。これまでにアプリを作ったことがある、プログラミングをしたことがある方にはレベルが低すぎるのでご了承ください。 皆様こんにちは。リラ吉です。 前回は計算機アプリの設計をしました。今回から設計を元にUI部分(レイアウト)を作成していきます。 本記事ではVisual Studioを起動し、スタイルを作るところまで行います。 Visual Studioの起動 まずはPart0でインストールしたVisual Studioを起動します。起動したら「新しいプロジェクトの作成」をクリックします。 新しいプロジェクトの作成画面が表示されたら検索ボックスに「wpf」と入力して検索、検索結果の中から「WPF アプリケーション」を選択します。この時、下の画像のようにC#のものを選択してください。 WPFとは簡単に言えば「UIがあるアプリケーションを作ることのできるもの」になります。UIの定義はかなり広いものではありますが、ここでいうUIは「使用者とプログラムをつなぐ画面」になります。 計算機の場合は計算機画面というUIがあって、使用者がボタンを押すと計算をするプログラムが動くことになります。WPFではこのUI、つまり計算機の画面を作ることが出来るということです。 話を戻して。「WPF アプリケーション」を選択出来たら「次へ」を押して、プロジェクト名を入力します。今回は「Calc」にしました。「場所」についてはデフォルトのままで大丈夫です。入力出来たら「次へ」を押します。 追加情報画面に遷移したらデフォルト設定のまま「作成」を押します。 「作成」を押すと下の画像のような画面が表示され、プロジェクトが作成されます。これでプログラムを書く準備が出来ました。 現在プログラムを書く場所とUIを表示する場所上下に分かれています。上の画像の白い四角形部分がUIを表示する場所、その下のプログラムが書いてある四角い欄が見た目通りプログラムを書く場所です。 この状態だとプログラムを書く欄が小さすぎて書きずらいと感じる方がいらっしゃるかもしれません。 そのように感じた方は下の画像のボタンをクリックし、 プログラムを書く画面とUIを表示する画面を分けても良いかと思います。もし同じ画面でいいよという方はクリックしなく点も大丈夫です。 クリックしたら今後は画面左下の「デザイン」「XAML」でUIとプログラムを書く画面を行き来できるようになります。今回はこのように画面を行き来しながら作っていきます。 サイズを変更する 次にUIのサイズと名前を変更してみます。現在はアプリケーションが横長でMainWindowという名前になっています。 これを設計した計算機と同じで縦長で名前も違うので変更していきます。 変更はMainWindow.xamlのXAMLをクリックし、プログラムを書く画面に遷移させ、TitleとHeight、Widthを変更します。下の画像の部分ですね。 今回は下記のように変更しました。 Title="Karl Claytor" Height="700" Width="500" > 解説をするとTitleはアプリケーション名になります。今回は「Karl Claytor(Calculatorをもじった名前)」にしました。 そしてHeight(縦)を700pixel、Width(横)を500pixelにしました。 アプリケーション名はお好きなものをつけていただいて大丈夫です。サイズに関してもご自分でいい感じと思えるものを設定していただいて大丈夫です。 この状態でデザインを見ると縦長になって、左上を見ると名前も変わっていることが確認できます。これでサイズ変更は完了です。 スタイルの作成 次にスタイルを作っていきます。スタイルとは文字や背景の色はもちろん、カーソルを当てたときの動作などの設定です。つまり基本となるデザインですね。 直接MainWindow.xamlにスタイルを書いても良いのですが、今回はスタイル用のxaml(ControlStyle.xamlというファイルにします)を作成します。 ちなみxamlは簡単に言うとUI関係(表示や操作)に関わる部分を書く場所です。MainWindow.xamlはアプリケーション本体(今回の場合は計算機本体)のUIに関するプログラムを書く場所になります。 今回、直接MainWindow.xamlにスタイルを書かない理由は今後他のプログラムを書く際にそのスタイルを書いたファイルを流用できるからです。 他のアプリケーションを開発する際に今回作ったファイルをコピーしてきて流用し、使用したいスタイルがファイル内にあればそれを使い、なければ新しく追記して開発、次のアプリケーション開発でもファイルを流用し、ということが可能になります(ただファイルに記述したスタイルが膨大になるとアプリケーションが遅くなることがあるので注意)。 どういうことかといいますと、例えば今回の計算機アプリの開発ではボタンのスタイル(デザイン)を作ります。その後皆様がエレベーターをシミュレーションしたアプリを作るとします。その時に そういえば計算機を作った時にボタンのスタイル(デザイン)作ったな。よし、次に作るエレベーターのシミュレーションアプリのボタンは計算機アプリで作ったControlStyle.xamlをコピーしてきて同じスタイルを使おう ということが出来るということです。 では早速スタイルを作っていきます。 まずはソリューションエクスプローラーの「Calc」の上で右クリック、追加→新しいフォルダを選択します。この時のフォルダ名は「Resources」にします。 今度は作成した「Resourcesフォルダ」の上で右クリックし、同様にフォルダを作成します。今度はフォルダ名を「Styles」にします。現在、下の画像のようになっているかと思います。 今度はStylesの上で右クリックして追加→新しい項目を押します。 遷移したら「リソース ディクショナリ(WPF)」をクリック、ファイル名を「ControlStyle」にして「追加」を押します。「追加」を押す前は下の画像の状態になっているはずです。 「追加」を押すとStylesの下にControlStyle.xamlが作成されます。ここにスタイルを書いていきます。 ControlStyle.xamlをクリックすると、下の画像の画面が表示されます。この記事の最初にやったようにプログラムを書く画面とUIを表示する画面を分けていきます。 分けたら「XAML」にプログラムを書いていきます。「デザイン」が選択されている方は「XAML」を押してプログラムを記述する画面に遷移させます。 遷移したらスタイルを書いていきます。スタイルの内容は下記の通りです。 <ResourceDictionary xmlns="http://schemas.microsoft.com/winfx/2006/xaml/presentation" ...

【プログラミング初心者向け】C#・WPFで計算機アプリを作ってみようPart1(設計編)

※本記事はプログラミング初心者向けです。これまでにアプリを作ったことがある、プログラミングをしたことがある方にはレベルが低すぎるのでご了承ください。 皆様こんにちは。リラ吉です。 今回の記事から数パートに分けて、初心者の初心者による初心者のためのプログラミング講座をしたいと思います。 使用する言語はC#でレベルとしては初心者による初心者向けの記事なので、数時間程度で出来るようなものになっていますのでご了承ください。 C#を使用した理由は簡単にUI(表示、操作処理など)を開発できるWPFが使用できるからです。 開発環境は「Visual Studio」 をこの記事では使用します。 「Visual Studio」 のインストール方法については過去の記事をご参照ください。 ただMacOSをお使いの方は裏技はありますが、基本的にはWPFでは開発出来ませんのでご了承ください。 今回作るのは「計算機」です。動作がイメージし易いので設計、テストがしやすいのが選んだ理由です。 最終的な完成イメージは下図のようになります。 今回の記事では実際にプログラムを書く前に簡単に設計をしていきます。 計算機は複雑な内容・処理ではないので、正直設計する必要があるかは微妙なラインではありますが、設計は大事なことですし、時間をかけない程度にやっていきます。 クラス図 かなり適当ですが、クラス図は下図のようになります。 内容を解説すると、計算機を作るうえで大まかに9つのクラスを用意しました。 MainWindow MainWindowはUI(=実際に使う人が見る計算機の画面)にデータを渡す、またUIから渡されたデータをMainWindowModelに渡す役割のクラスです。 MainWindowModel MainWindowModel は MainWindowとDataManagerに「こういう値が来たよ」「こんな風に値が変わったよ」と伝える役割のクラスです。 DataManager DataManagerはMainWindowModelから受け取ったものが一体何なのか、その後どういう処理をすべきか判断している場所です。実はここが一番重要です。 例えば「1」と入力したあと、「.」と入力したらどうなるでしょうか?当然ですが「1」の後ろに「.」をつけて「1.」という小数になります。なのでDataManagerには「1.」になるように判断させます。 しかしこのあとにもう一度「.」を押したらどうなるでしょうか? 私たち人間は「1..」のように小数点の後ろに小数点がないことはわかっていますが、コンピューターはそうはいきません。 こうならないようにDataManagerには「小数点の後に小数点が入力されたらダメ」と判断させなければなりません。 ただこれを聞いてプログラミング経験のある方は それって文字型にしているからであって、数値型(double型など)なら小数点の後ろに小数点が来ないようにするとか考える必要ないんじゃない? そう思われた方もいらっしゃるでしょう。 double型でも問題ありません。というかdouble型のほうが上手くいくかもしれません。 ただ今回は入力した数字や計算結果、数式を表示する場所をTextBlockにしました。 TextBlockのプロパティのTextは文字通りテキストなので、入力した数字等をstring型にして、それをバインドするという設計にしました。 これはどちらが正しいとかでなく、好みの問題になってくるかと思います。 また、DataManagerは下記のクラスとも繋がっています。 CalcStatus CalcStatusはステータス(=今の状況・状態)の列挙型(enum)が書いてある場所です。 計算機にはステータスが必要です。数字を入れた後は「数字を入れた後」という状況になります。 演算子を入れた後は「演算子を入れた後」という状況です。 しかし、プログラミングではステータスのようなものは数字で表されます。 今回作る電卓で言えば0がクリアした後、1が数字を入れ後、2が演算子を入れた後といった感じです。 数字で表しても良いのですが、数字だと作った本人はわかっても、他の人がプログラムを見たとき「ステータスが0ってどういうこと?何を表してるの?」となってしまいます。 クリアした後であれば「ステータスは0」と書くより「ステータスはAfterClear」といった感じで表すほうがわかりやすいです。 これが出来るのが列挙型です。列挙型を使用することで、内部的な処理は数字ですが、私達が見る部分においてはステータスを数字ではなく文字で表すことができます。 Operator 演算子の列挙型が書いてあるクラスです。 CalcOption 二乗や平方根、±のような特殊な計算の列挙型が書いてあるクラスです。 DataStore 値を格納し、計算するクラスです。 NumberButton 数字ボタンを定義しているクラスです。 OperatorButton 演算子ボタンを定義しているクラスです。 これらがこの計算機アプリケーションのクラスになります。この設計をもとに次回の記事からプログラムを書いていきます。 シーケンス図 シーケンス図についても簡単に書いていきます。今回は「数字ボタンを押したとき」「演算子ボタンを押したとき」の2ケースを書きました。 「数字ボタンを押したとき」演算子ボタンを押したとき」 もステータス (=今の状況) によって動作は変わります。 なにも入力されていない状況だと、基本的には数字ボタンを押したときは押された数字をためて(キャッシュして)いき、演算子ボタンを押された際にその数字を一つ目の数字として確定させます。 例えば何も押していない状況で「1」と入力したら「1」がキャッシュされます。もう一度「1」を押すと「11」がキャッシュされます。 その後「+」を押したら「11」という数字が一つ目の数字として確定されるという作りです。 演算子を入力された状態で演算子ボタンを押すと演算子が変わります。 演算子が入力されている状況で数字ボタンを押すと演算子が確定され、数字をためて(キャッシュして) します。 最後に=を押したら数字が二つ目の数字として確定され計算が行われます。 というように書いてもわかりづらいと思うの、例を挙げると、1→2→+→-→3→4→=という順番で押していくと下記のようになります。 ①1が押され1がキャッシュされる ②2が押され、キャッシュされていた数字の末尾(1の後ろ)に2を追加(キャッシュされている値が12になる) ③+が押され、12という値が一つ目の数字として確定される ④-が押され、演算子が+だったのが-になる ⑤3が押され、-が演算子として確定され、3がキャッシュされる ⑥4が押され、キャッシュされていた数字の末尾(3の後ろ)に4を追加(キャッシュされている値が34になる) ⑦=が押され、34という数字が二つ目の数字として確定、一つ目の数字(12)、演算子(-)、二つ目の数字(34)による計算が行われる という流れになります。 実際の実装では制御も入るのでもう少し複雑にはなりますが、基本的にはこの流れになります。 ここまでが計算機アプリの基本的な設計になります。 設計は文字で説明するのが難しいので、もしわかりずらかったら申し訳ございません。 次の記事からVisual StudioでUIを作っていきます。 今回は以上です。それではまた。 リラ吉 https://rira-blog.com/%e3%80%90%e3%83%97%e3%83%ad%e3%82%b0%e3%83%a9%e3%83%9f%e3%83%b3%e3%82%b0%e5%88%9d%e5%bf%83%e8%80%85%e5%90%91%e3%81%91%e3%80%91%e8%a8%88%e7%ae%97%e6%a9%9f%e3%82%a2%e3%83%97%e3%83%aa%e3%82%92%e4%bd%9c/

【プログラミング初心者向け】C#・WPFで計算機アプリを作ってみようPart0(Visual Studio Community 2019のインストール)

皆様こんにちは。リラ吉です。 今回の記事ではプログラミングをする上で便利な統合開発環境「Visual Studio」のダウンロードとインストールの方法をご紹介します。 ご参考になれば幸いです。 Visual Studioのダウンロード Visual StudioをダウンロードするにはこちらのURLにアクセスします アクセスすると下の画像の画面が表示されまので、赤枠で囲った「無料ダウンロード」をクリックします。 無料ダウンロードをクリックすると下の画像の画面に遷移してダウンロードが始まります。もしダウンロードが始まらないようでしたら、画面上部の「こちらをクリックしてもう一度お試しください」をクリックしてダウンロードします。 問題なくダウンロード出来たらインストールしていきます。   Visual Studioのインストール ダインロードが完了したらインストールしていきます。ダウンロードしたファイルを開くと、インストーラーが開きますので、続行を押します。 少し待っていると何をインストールするのかを選択する画面が表示されますので、インストールしたいものにチェックを入れ、「インストールボタン」を押します。今回は「.NET デスクトップ開発」をインストールします。 インストールボタンをクリックするとインストールが開始されます。完了したらプログレスバーが消えます。これでインストールが完了です。 背景色を変更する ここからはオプションですが、よりプログラマーらしくするため、そして目を少しでも疲れさせないために背景色を変更してみましょう。 Visual Studioを開くとウィンドウが表示されます。今回はただの設定ですので右下に青字で書いてある「コードなしで続行(W)」をクリックします。 下の画像の画面が表示されますので、ツール→オプションをクリックします。 オプションを開いたら環境→全般をクリックし「配色テーマ」を「濃色」に変更してOKを押します。 背景が黒くなったら変更完了です。背景を黒くする理由は「プログラマーらしくてかっこいいから」「白よりも目に優しいから」です。 1日に何時間もプログラムを書いていると、どうしても目が疲れてきます。なのでほんの少しでも目に負担をかけないような色にすると良いかと思います。 以上がVisual Studioのダウンロード、インストール方法になります。 開発するうえで非常に役立つツールなので、ぜひ活用していただけたらと思います。 今回は以上です。それではまた。 リラ吉

【宿泊記】加賀屋の能登渚亭の2人分の宿泊費や景色、食事を解説

皆様こんにちは。リラ吉です。 和倉温泉にある「加賀屋」というと、日本一の旅館と言われるほど有名です。 先日その加賀屋に泊まってきましたので、今回の記事ではどのような旅館なのかご紹介いたします。 加賀屋について 加賀屋とは まず加賀屋ですが、石川県七尾市の和倉温泉にある温泉旅館です。 「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」(全国の旅館業者の中から選定)の総合部門1位を36年連続を受賞したことから「日本一の旅館」と言われています。 アクセス アクセス方法は車、高速バス、和倉温泉駅(JR七尾線・のと鉄道七尾線)から徒歩25分あるいは駅からの送迎になります。様々な行き方があるのは利用者としては嬉しいです。 部屋 部屋は大きく分けて下記の5種類があります。 浜離宮雪月花能登渚亭能登客殿能登本陣 浜離宮が最高ランクで次が雪月花になります。 喫煙室と禁煙室がありますので、宿泊の際はどちらを希望するのか伝えたほうがいいかと思います。 宿泊しての感想 宿泊した部屋 私たちが宿泊したのは能登渚亭になります。つまりちょうど真ん中のランクのお部屋です。 事前に「海側の禁煙室」を希望したところ、希望通りのお部屋を用意してくださいました。 部屋の内装等は宿泊の際に撮影した下の動画を参照ください。 真ん中のランクですが、広くて快適で窓からの眺めも良いお部屋でした。 宿泊費 宿泊費は下の写真の通り、85,690円でした。少し高いように思えますが、9月の連休を使って行ったので連休価格だったこと、また後述するサービスを考えると妥当な値段設定かと思います。 サービス 加賀屋に宿泊して一番感動したのはサービスレベルの高さです。 まず送迎者で旅館に着くと多くの従業員が出迎えてくれました。この時点で歓迎されている気持ちになります。 そしてチェックイン後にお菓子をいただきお部屋への案内されましたが、この時も設備についてや展示しているものについて丁寧に解説してくださいました。 お部屋についてからも驚きで、お部屋に到着後、少ししたら仲居さんが浴衣をもってきてくれました。普通の旅館ではお部屋のどこかにS,M,Lの浴衣が置いてあり、自分の体形に合ったものをその中から選びますが、加賀屋は仲居さんが持ってきてくれます。 「どこかにおいておけばいいのに」と思っていましたが、調べてびっくりしました。加賀屋では数センチ刻みで浴衣が用意されているらしく、お部屋に案内した際に仲居さんが宿泊客の身長を見て最適な浴衣を持ってくるようにしているそうです。 このほかに細やかな気配りや一つ一つの仕草、そして丁寧で綺麗な言葉使い等、感動することばかりでした。 温泉 温泉については男湯が1つ女湯が2つあります。 男湯のほうが少ないように思えますが、男湯は3フロア(3階)あり、その3フロアをエレベーター、あるいは階段で行き来するようになっています。浴場にエレベーターがあるのはさすがに初めて見ました。 女湯は1つが2フロアの露天風呂もある大浴場、もう1つが竜宮城のような美しい大浴場になっています。 泉質は下記の通りです。 塩化物泉で保温力が高く、入浴後もからだがポカポカしていました。 源泉名和倉温泉(5号源泉、8号源泉、10号源泉、13号源泉)湧出地石川県七尾市和倉町ヨ部79番地1泉質ナトリウム・カルシウム-塩化物泉(高張性弱アルカリ性高温泉)泉温82.7℃(気温22.0℃)湯出量990リットル/min(動力)PH値7.6(ガラス電極法)蒸発残留物24.3g/kg(180℃)電気伝導度26.4mS/cm(25℃) 料理 料理については2食(夕、朝)付いていました。 能登渚亭に宿泊した場合はお部屋での食事になりました。「部屋でゆっくり食べたい」という方には最適化と思います。 そして夕食の内容ですが下の写真になります。 松茸(後から追加)、お刺身、アワビ、お肉があり、非常に豪華な夕食でした。 美味しいのはもちろんですが、お味噌汁の汁椀に輪島塗を使用しているなど、食器も非常にこだわっており、食べて楽しい、見て楽しい食事でした。 ただこれだけの量を少しずつ仲居さんが持ってきてくださるので、食事には時間がかかります。そのため売店でお土産を買う場合は食事前に買っておかないと食べ終わった時には閉店時間を過ぎていたということになる可能性があるのでその点だけ注意が必要です。 朝食については下の写真になります。 A ご飯、お味噌汁、サラダ、魚といったバランスの良い食事です。 少し多いかなと最初は思いましたが、重いものは一切ないのでしっかり食べ切れました。 施設 施設については売店やラウンジなど基本的なものは全て備えてありました。売店については一つの小さな商店街なのではないかというくらい多くの店があり、買うのにかなり迷ってしまいました。 なので「せっかく来たし色々買いたい」という方は時間がかかることを前提に予定を立てるのが良いかと思います。 美術品 加賀屋には多くの美術品が展示してあります。 中でも能登渚亭の客室へ行く際に乗るエレベーターから見える巨大な加賀友禅は圧巻です。 このほかにも様々な美術品がありますので、散歩をしながら美術品を見て楽しむということも出来るかと思います。 以上が加賀屋に宿泊した際の感想になります。 間違いなく毎年日本一の旅館候補に上がるほどのサービスを提供していると思いますので、ご興味のある方はぜひ宿泊していただけたらと思います。 今回は以上です。ここまでお読みいただきありがとうございます。 それではまた。 リラ吉

【書籍紹介】IT用語図鑑 ビジネスで使える厳選キーワード256

皆様こんにちは。リラ吉です。 近年「IT」「AI」「DX」という言葉をよく聞くようになりました。 これらの話を理解するにはIT用語を知る必要がありますが、IT用語に触れる機会が少なく、どのIT用語がよく使われるのかわからないという方もいらっしゃるかと思います。 今回の記事では重要なIT用語をわかりやすく説明している「IT用語図鑑 ビジネスで使える厳選キーワード256」をご紹介したいと思います。 https://www.amazon.co.jp/IT%E7%94%A8%E8%AA%9E%E5%9B%B3%E9%91%91-%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9%E3%81%A7%E4%BD%BF%E3%81%88%E3%82%8B%E5%8E%B3%E9%81%B8%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%89256-%E5%A2%97%E4%BA%95-%E6%95%8F%E5%85%8B-ebook/dp/B07PM2CFVF/ref=tmm_kin_swatch_0?_encoding=UTF8&qid=1641650700&sr=1-1 特徴 IT用語図鑑 ビジネスで使える厳選キーワード256は本の名前の通り256個のIT用語を説明している本ですが、下記の特徴があります。 初心者向け(IT関係の仕事をしている方にとっては常識レベル)1用語1ページであり、またイラストもあるので理解しやすい関連のあるキーワードが近いページにある これら特徴についてもう少し解説していきます。 初心者向け まずこの本は初心者向けです。この本はニュースで聞くような身近な用語が序盤に出てきて、後半になるにつれてレベルが上がっていきます。 とはいえ、後半に出てくるような用語でもVPNやカーネル、トランザクションといったレベルです。 IT関係の仕事をしている方や基本情報技術者試験レベルを理解している方は正直読む必要はないかと思います。 しかし、IT用語になかなか触れる機会がない方にとっては最適なレベルであり、ニュースはもちろん、仕事をしていく上でIT関係の部署、あるいはお取引先の方の話を理解する上で助けになるレベルかと思います。 1用語1ページであり、またイラストもあるので理解しやすい この本は256個の用語の説明がありますが、1用語1ページであり、またすべての用語にイラストが付いています。 1用語1ページとは書きましたが、ぎっしり文字が書かれているのではなく、1/3はイラストであり、また字も大きいので見やすいレイアウトになっております。 説明についても必要最低限であり、またどのような場面で使用されるのかが書かれているので理解しやすい内容になっています。 関連のあるキーワードが近いページにある これは例えばですが「IPアドレスとポート番号」「ドメインとDNS」「ルーターとスイッチ」「TCTとUDP」といったネットワーク関係が近いページにあるといったように関連のある用語が近いページに書かれています。。 近くにあるため、どのよう用語とどの用語に繋がりがあるのか理解しやすいかと思います。 欠点 欠点は当然ではありますが、よく使われるIT用語を簡単に説明している初心者向けの本なので、この本一冊でしっかりIT用語を理解することはできないということです。 あくまでニュースの内容が理解できるようになる、IT関係の部署・お取引先の人が分かりやすく作った資料を理解することができるようになるというレベルです。 しかし上記のレベルに到達するという目標を持つ方が読む場合、この本はこれといった欠点はないかと思います。 以上が の紹介になります。 わかりやすく、これからIT用語を学びたいという方には最適な本かと思いますので、ご興味のある方は書店で手に取って見ていただけたらと思います。 今回は以上です。それではまた。 リラ吉