2021年7月28日 水曜日 04:26

【書評】PDCAより素早く柔軟に判断・行動ができる!「OODAループ思考[入門]」の要約・感想

【書評】PDCAより素早く柔軟に判断・行動ができる!「OODAループ思考[入門]」の要約・感想

皆様こんにちは。リラ吉です。

皆様はOODA(ウーダ)ループというものをご存じでしょうか。

OODAループは現在、意思決定を早めるのではなく、現場レベルで臨機応変に行動できるため、非常に注目されている方法です。

また、よく比較されるPDCAよりもスピード感がある為、「PDCAは時代遅れ」なんて言う方もいるほどです。

個人的にはPDCAが時代遅れとは正直思いません(理由は「PDCAとの使い分け方」を参照)。しかしOODAのほうがスピードがあるのは確かであり、もし下記のように悩んでいるのであればOODAループは一つの解決策になるかと思います。

  • PDCAを実践しているがスピード感がない
  • 世界的に有名な企業が実践している考え方を試したいけど、その方法がわからない

今回の記事では、これらの悩みを解決する方法、OODAループについて書かれた入江 仁之さんの本、「OODAループ思考[入門]」をご紹介します。

内容の要約

OODAとは

OODA(Observe Orient Decide Act)ループはアメリカの空軍のジョン・ボイド大佐が提唱した理論です。当初は、戦闘機パイロットとしての経験に基づいた、戦闘に勝つための理論でした。

その後、ビジネス、政治、スポーツなどでも活用され、「どんな状況下でも的確な判断・実行により確実に目的を達成できる理論」として欧米で認められるようになりました。

現在はシリコンバレーを中心にビジネスエリートが好んで使う思考法になっています。

その特徴はとにかくスピードが速く、なおかつ柔軟性があるということです。

現代において、速さというものは非常に重要な要素になっています。そもそもなぜ速く動かないといけないかというと、下記のような理由があるからです。

  • 速く動かなければ選択肢がどんどん失われてしまう
  • 速く動かなければ主導権が取れない
  • 速く動いた方がチャンスが増える

OODAループが速い理由は「フレームワークでやることが明確」「直観(注:直感ではない)で行動するから不要なプロセスが端折れる」「気づけるからピンチやチャンスを見逃さない」「意味づけるから行動する理由を探す必要がない」「効果起点だから役に立たないことをしない」「主体的だから自分の最善策になる」だからです。

OODAループの概要

ODDAループは次の図のような、みる(書籍によっては観察と書かれている)という意味のObserve、わかる(情勢への適応、状況判断)のOrient、きめる(意思決定)のDecide、うごく(実行)のActの4つの行動、そしてそれを繰り返すLoopから成り立ちます。下図の矢印の通り、これらの工程はショートカット(省略)することも可能です(ショートカットのしかたは後程解説します)

出典元:https://iandco.jp/%E6%88%A6%E7%95%A5%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB/ooda%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%97/

「みる(Observe)」には目に入ってくるものを「見る」と意識して周りや相手の心を「観る」の2つの意味があります。

OODAループの「みる」は周囲の人の仕草や表情、言動、目の前で起きていること(場合によっては相手の話や声のトーン)を意識して観る(=観察する)ことに重きが置かれています。

人間は特に関心のないものだったり、何かに心をとらわれている時は目の前にある現象を知覚できません。しかし、それを知った上で意識して「みる」だけで、見るものは大きく変わってきます。

また、冷静に見ることも大切です。冷静でなかったり、自分にとって不都合な現実から目を背けたい願望があったり、思い込みが強いと現象を知覚できません。冷静に現実を見つめることで様々なことが見えてきます。

 

「わかる(Orient)」は「みる」で観察したものを自分なりに理解し、納得することです。OODAループでは最も重要なプロセスになります。私達は何かを見た(観た)とき、自分が持っている世界観に照らし合わせて理解することで納得できます。

世界観とは「○○とはこういうものだ」という認識、見方のことを言います。しかし、私達は一人ひとり異なる世界観持っているので、同じ現象でもどう理解するか異なります。そういう意味ではOODAループは「判断する対象」にだけ注目する客観的思考法ではなく、「対象とその背景に対する認識(世界観)」をセットで理解する主体的思考法になります。

また、「わかる」では見た(観た)ものを瞬時に「自分なりに理解して納得する」ことが第一であり、場合によっては正しく把握する必要はありません。理解が間違っていることはありますが、わからないから動かないよりは、よほどましです。

まずは動いてみて(試してみて)、間違っていたら素早く修正するという仕組みがOODAループにはあるので、間違っていても問題ないのです。

この仕組みがシリコンバレーで起業家たちOODAループを活用している理由です。GoogleもFacebookもOODAループのような、とりあえずの「わかる」を実行し、実践を通じて検証することで、現在を地位を確立しました。正しく「わかる」ことに固執し、リサーチと作りこみに時間をかけているうちに周回遅れになった多くの日本企業とは対照的です。

 

「きめる(Decide)」は「みる」「わかる」の次のプロセスで、どんな行動をするのか判断します。一般的に意思決定とは、複数の選択肢を並べて比較し、最善の答えを見つけ出す分析方法を言いますが、OODAループの「きめる」は可能な限り直観を元に判断します。

「わかる」と感じられた状況では、上記の通り、直観的に決めます(普段からこの決め方が出来るように世界観を広げる努力をします)。しかし「何が起きているのかわからない」という状況であれば、あらためて「みる」をします。

その上で時間があるなら選択肢を洗い出し、比較・分析をしてきめます。時間がなければ時間が許す限り自分の世界観を総動員して理解する努力をし、直観的にきめます。時間がないのに1つずつ選択肢を洗い出して比較・分析することも、時間がないからといって、行動を放棄することは避ける必要があるからです。

 

「うごく(Act)」は他の3つよりシンプルです。重要なことは最後までやり抜くことです。単に行動するのではなく、成果(失敗も含む)が出るように行動します。

「うごく」時は、すぐに実行するという意思を徹底することが最も重要です。確信が持てない状況でうごくのは誰にとっても不安ですし、思ったような成果が得られないかもしれません。しかし、失敗するにしても早いほうがいいです。

 

ODDAループの最後は「みなおす(Loop)」です。「うごく」を終えた後、その結果がどうだったか見直します。失敗に終わった場合、もう一度OODAループを回します。

ただ失敗した際は、終わったことをあれこれ考えるのではなく、最初からOODAループを回しなおすことを最優先にします。OODAループを何度も素早く回すことによって「こういうときは、こううごく」という手持ちパターンが増えていき、直観力に磨きがかかっていきます。そして最終的には成果が出てきます。

 

OODAループをショートカットで使う

OODAループの実践のカギは「ショートカット」にあります。どんな状況でも「みる→わかる→きめる→うごく→みなおす」のプロセスを踏むのではなく、そのうちいくつかを省略することが、スピードアップにつながります。

例えばですが、プレゼンの前にはスライドに間違えがないか、PCの調整は大丈夫かなど何度も確認します。しかし、慣れてくると、いつものことだから大丈夫と思い再チェックプロセスを省略します。

この見積もりが外れると困った状況になります。状況の認識(上のプレゼンの例だと、毎回の事だから慣れているという認識)と行動の結果の予測(チェックしなくても問題なくプレゼンが出来るという予測)を正しく見積もれないと、現実(スライド等にミスがあった。チェックが必要だった)とギャップが生じ、不幸な事態を引き起こします。

逆に言えば、「状況の認識」と「行動の結果の予測」を正しく見積もり、正しいショートカットのパターンを選択すれば、失敗せずに速く行動できるということです。必要なプロセスだけ踏んで、あとはスキップします。

どのようなときに、どんなショートカットを使うかというと下図のように整理すると、適用すべきパターンが見えてきます。

領域A(状況をよく知っていて、行動の結果を予測できる)は「わかる→うごく(みる、きめるを省略)」のパターンを使う 例:決まり切った作業など

領域B(未知の状況だが、行動の結果は予測できる)は「みる→わかる→みる」のように「みる」を2回行い、世界観を更新する 例:受験勉強、ダイエット

領域C(状況は理解しているが、行動の結果は予測できない)は「わかる→きめる→うごく」で仮説検証し、どんどん「わかるようにする」 例:リーンスタートアップ

領域D(未知で結果も予想できない)は通常のOODAループを回す。

領域Aは何度も同じ経験をするなどして、その状況よく知っていて、行動の結果も予測できるパターンです。例えば老舗テーラーや高級レストランでは、目利きの店員が訪れた客を値踏みします。彼らは数秒の間に客が身に着けているものや髪、表情などを見てみてジャッジし、行動します。

これは「みる」のようにじっくり観察するのではなく、長い間大勢と接した経験から、観察しなくてもわかって、うごけるようになったと考えられます。

 

領域Bでは未知の状況ではあるけど、結果が予測できるパターンです。例えば受験勉強やダイエットです。

このパターンではまずその事象を「みる(観察する)」ことが始まりです。ダイエットであれば体重や体脂肪を確認して、自分の体形がどんな状態かを知るというのが1つ目の「みる」です。

次に「わかる」をします。ダイエットの場合はいつまでにどんな姿になりたいのかの目標設定をし、同時にダイエット方法やジムの情報収集など目標達成のためにやるべきことを理解します。

そしてもう一度「みる」をします。これは「わかる」で理解したことが現実に合致しているかの観察です。こうすることで、自分の世界観は更新され、より広く、深いものになっていきます。こうすることで領域Bから領域Aにシフトできます。


領域Cのように理解はできても結果は予測できない場合は「わかる→きめる→うごく」です。

状況を整理して受け止めることが出来ても、結果が予測できない。だから、とりあえず「きめて」「うごく」のです。

シリコンバレーを中心に、起業や製品、サービス開発の手法として広く活用されているリーンスタートアップ(コストをかけずに最低限の試作品を短期間でつくり、顧客の反応を取得して、顧客がより満足できる製品・サービスを開発していく方法)は他社より抜きん出て敏感にマーケットを取る手法ですが、ここでも領域Cのパターンを使っています。

 

領域Dの未知で結果も予測できない場合はフルセットのOODAループを使用します。

領域Dは完全に想定外の状況の為、多くの情報を収集、分析して、全体の状況を把握し、行動に移します。

 

世界観をつくるフレームワーク

OODAループの中で、要になるのは「わかる」です。「わかる」をショートカットしないパターンはありません。

しかし、全ての現象が「わかる」わけではありません。そこで世界観が必要になります。

世界観はVSAM(ビジョン:Vision 戦略:Strategy 行動指針:Activities Directions メンタルモデル:Mental Model)で形作られます。

世界観とは世界を今、あるいはその先をどう観るかということで、わかるとは世界観をつくること、世界観は、目的であるビジョン、それを実現するための戦略、行動指針、それらを潜在的に観ているかを示唆するメンタルモデルによって構成されています。

 

さらに加速する為に必要なこと

速く、最適な行動を取る為には世界観を磨き続ける必要があります。

その方法の一つ目が様々な経験をして教養を身につけることです。

VSAMのうちのVSAを意識しつつ、それとは直接は関係ないこと、異分野にまで視野を広げ、教養を身につけると良いでしょう。

メンタルモデルを捉える為に、第三者にフィードバックをしてもらうことも大切です。自分のメンタルモデルを箇条書きにして信頼できる人に見せて意見をもらうと、意外な自分の一面に気がつけます。

常識を疑い、真実を意識することも大事です。物事が起きている現場に足を運び、自分の目で事実を確かめるのも良いことです。自分の目で確認することで、自身の思い込みを払拭できます。

また、OODAループを使い、世界観を最新のものに更新し続けることも大切です。

 

相手のOODAループに入る

私達の毎日は一人では完結しませんが、共に過ごす仕事仲間や家族、友人には自分のものとは違うそれぞれ世界観があります。そして彼らが自覚しているかはともかく、「みる→わかる→きめる→うごく」のOODAループに近い思考を持っています。

なので相手の自分に対する世界観(私をどう捉えているか)に働きかけて変えることが出来れば、自分に対する相手の理解や判断を変えられます。

これは営業先の関心を引いたり、面接で良い印象を与えようとすることも同じです。相手の言動、反応を観察して、それに基づいて目標を達成するためにOODAループを回していくといいでしょう。

個人的な感想

個人的な感想としてはスピードを求める仕事をしている方には非常に参考になる本だと感じました。

重要な部分(例えば世界観)については他の部分よりも多く説明されているので、どこが重要なのか、またその重要な部分をどうやって考えればいいのかわかりやすいかと思います。

また図が多いということも理解を深めるうえで非常に助かりました。

この本に書いてあることで特に重要なのは、OODAループの概要はもちろんですが、異分野にまで視野を広げ、教養を身につけ、世界観を広げるという点だと思います。

これはジャンルは違いますが同じビジネス本の「ロケット科学者の思考法」「「一緒に働きたい」と思われる 心くばりの魔法 〜ディズニーの元人材トレーナー50の教え〜」にも同様のことが書いてあります。

なので、この著者独自の意見やOODAループにだけ関係することではなく、多くの成功者がやっていることなのでと思います(これらの本について下記の記事をご参照ください)。

【書評】偉人達から成功する方法が学べる「ロケット科学者の思考法」の要約・感想、実体験
【書評】「一緒に働きたい」と思われる 心くばりの魔法 〜ディズニーの元人材トレーナー50の教え〜の内容・感想

次にお値段についてですが、お値段は1650円(1500円+税)とビジネス書としては普通の値段ですが、従来とは違うアプローチについて学べるという点を考えると、1650円というのは安い気もします。

欠点としては、一部を除いて、そこまで深くは書かれていないということだと思います。ページ数もあとがきを含めても162ページとビジネス本としてはかなり短めです(それでも1650円分の価値はあります)。

ただこの本のタイトルにもある通り、あくまでこの本は「入門書」なので仕方ないとは思いますが、もう少し深く書いて欲しかったというのが率直な感想でした。

 

PDCAとの使い分け方

この記事の冒頭で「PDCAは時代遅れ」と言う方もいると書きましたが、個人的な意見では、PDCAと使い分けることが重要であり、それが出来るならOODAループは強力な方法だと感じました。

OODAループを使う最大の利点はこの本にも書かれている通り、スピードが速いことです。そのため、スピードが重要になることについてはOODAループが非常に有用だと思います。また、ユーザー(顧客)の意見を聞き、柔軟に対応させたい場合にも有効だと思います。

例えば、私個人のお話しすると、私はAI関係の仕事をしています。AIの研究・開発についてはPDCAよりもOODAループのほうが向いているかと思います。

AIを使ったらおもしろいと思った製品、導入しようと思った場所、導入したらおもしろいと思える場所を考えたり、見つけたりしたら観察し、自分なりに状況を理解し、作ることを決め(というか許可をもらい)、作って実験、場合によっては導入します。

二週目のループでは実験結果やAIの動作、使った人を観察し、状況を理解し、改良することを決め、改良して再実験、再導入し、また観察し…という流れにします。この方が、より多くのデータが早く取れる上に、軌道修正・仕様の変更・機能の追加に柔軟に対応できることから、PDCAよりも向いています(IT関係のお仕事・勉強をされている方にはアジャイル開発の考え方と言った方がわかりやすいかなとも思います)。

別の例だと、この記事をOODAループを応用して書くこともできます。1週目は本を読み(観察し)、理解し、書くことを決め、書いていきます。ループの2週目以降は書いた記事を観察、あるいはTwitter等で記事に対する意見をもらい、問題点を自分なりに理解し、変更点を決め、修正をするというループです。こういったことにもOODAループは使えるかと思います。

あとは近年でOODAループを使っているなと思うのがソーシャルゲーム(ソシャゲ)です。ソシャゲは流行や状況に柔軟に対応しながらアップデートを繰り返しているなと個人的には思っています。

このように様々な業務、勉強にOODAループを当てはめることが出来ると感じています。

しかしながら、スピードを求めない場合や大規模な組織で動く場合、きっちり計画を作って計画通り進めたい場合はOODAループよりPDCAのほうが良いと思います。

仕事ではありませんが、例えば旅行がそうです。計画し(Plan)、旅行に行き(Do)、旅行を振り返り(Check)、次の旅行でどうすべきかを考え、改善する(Action)が理想かと思います。OODAループのスピードで旅行に行ったら、おそらく金欠になります。

また、OODAループの最も重要なプロセスである「わかる」は自分の世界観を元に理解をしようとします。しかしながら、大勢の人間が参加するプロジェクトで各々が自分の世界観を元にしてしまうと、組織の統制が取れなくなるのではないかと個人的には思います。

このような場合はしっかり計画をしたうえで、関係者が同じ方向を向いた状態でプロジェクトを進めることのできるPDCAを採用したほうが良いと思います。

まとめ

以上が「OODAループ思考[入門]」の要約・感想になります。

PDCAとは異なるスピードの速いアプローチ方法を学べる本となっており、普段の仕事や勉強でも使える思考です。

内容としても入門書であり、理解しやすいものとなっていますので、ご興味のある方はぜひ読んでいただけたらと思います。

今回は以上です。それではまた。

リラ吉


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皆様こんにちは。リラ吉です。 ウォルト・ディズニー・カンパニー、通称「ディズニー」は映画やキャラクター、ディズニーランドをはじめとするテーマパーク、ホテルなど、様々な事業に取り組み、そして成功している誰もが知っている大企業です。 今でこそ、世界最大級のエンターテイメント会社ですが、そんなディズニーも90年代に低迷してしまいました。 しかし、低迷していたディズニーはある人物をCEOに任命したことにより、立ち直ります。 その人物こそが「ロバート・アイガー」です。では、彼がCEOになり、ディズニーを立て直すまで、どのような人生を送ってきたのでしょうか? 今回の記事では彼の成功の数々を追体験できる、ロバート・アイガー氏の本「ディズニーCEOが実践する10の原則」をご紹介していきます。 内容 10の原則 著者がこれまでに学んだことを振り返ると、下記の真のリーダーシップに必要な10の原則が浮かび上がってきます。 1.前向きであること リーダーは前向き、つまり熱意をもって高い目標に取り組まなければなりません。悲観的なリーダーは人々をやる気にさせることが出来ません。 2.勇気を持つこと 変化と競争が激しい世の中では、リスクテイクが必要であり、イノベーションは欠かせません。そしてイノベーションは、人々が勇気を持った時に生み出されます。 3.集中すること 最も重要で価値の高い戦略やプロジェクトに時間と労力を注ぎ込むことが極めて大切です。 4.決断すること 多様な意見を尊重しながら、タイムリーに判断を下し、実行する必要があります。 5.好奇心を持つこと 好奇心は場所、考え方との出会いに繋がります。イノベーションのきっかけは好奇心なのです。 6.公平であること リーダーは公平に接し、他者に共感できる近寄りやすい存在でなければなりません。 7.思慮深いこと 思慮深さとは知恵を身に着けるプロセスです。思慮深いリーダーの意見や判断は信頼できるし、正しいことが多いです。 8.自然体であること 正直でありのままのあなたでいましょう。敬意と信頼は、嘘のないリーダーによって育まれます。 9.常に最高を追求すること ほどほどで妥協しないことが大切です。改善の余地があると思ったら、もっといいものにするために力を注ぎましょう。 10.誠実であること 誠実であることは何より大切です。大きなことにも小さなことにも倫理的に高い基準を設けられるかが組織の成功を左右します。 これらの考えは著者の長いキャリアで体験した逸話や事例を読めばより具体的に、身近に感じられるでしょう。 下っ端時代 著者は大学を卒業後、テレビ局のABCで働き始めました。最初はスタジオ管理の仕事で、華やかなテレビの舞台とは違い、いじめなど、今ではクビになっているに違いない行為多い職場で長時間の雑用をしていました。 その後、クビになりそうになりながらも、スポーツ関係の部署に異動し、ルーンと出会います。彼から新しいものや証明されていないものを怖がったらイノベーションはできない事、そして「もっといいものを作るために必要なことをしろ」「最高を追求しろ」という教訓を学びました。 ルーンからはそのほかに、「イノベーションを起こさなければ死ぬ」「出来ないなら他の方法を探して目標を達成すること」「やってはいけないのは失敗することではなく、自分のせいでないフリをしたり、誰かに罪をなすりつけること」ということを学びました。 大抜擢 34歳の時に著者はABCスポーツのバイスプレジデントになりましたが、その後すぐにABCの四分の一の規模であるキャピタル・シティーズ・コミュニケーションズにABCは買収されました。 キャピタル・シティーズ・コミュニケーションズのトップ、トムとダンはテレビビジネスの変化を予見しておりましたし、コスト管理を徹底して、何でもかんでもお金をかけるのではなく、使うべきところにお金を使っていました。 ルーンはトムとダンによって今でやっていたスポーツと報道のどちらか一つに専念するように言われ、報道を選びました。 残された著者が所属するスポーツ部門のトップにトムとダンが指名したのは、スポーツ番組を担当したことのないデニスでした。デニスは知ったかぶりをせず、わからないことはわからないと言い、部下のことを第一に考えている人でした。 デニスがもともと心の広い人物だったのもありますが、この文化を作り上げたのはトムとダンでした。彼らは正直で敬意を持って人と接する人物でした。 著者は自分のことを馴染みのないことでもやり遂げる力があると証明したがる人物だと考えています。そういう意味では経験より能力を重んじ、本人ができると思っている以上の力を求められる仕事を部下に与えるトムとダンは理想の上司でした。 その後トムとダンは著者をABCエンターテイメントの社長に任命しましたが、エンターテイメント業界出身でない人間をABCエンターテイメントのトップに据えるのははじめてのことでした。ですがトムとダンは「君ならできる」とその仕事を与えました。 首位奪還 ABCエンターテイメントのトップに着任してすぐは、戸惑いもありましたが、「やるべきことをやれ」「経験がないということは言い訳にはならない」と心に刻みました。 そんな時にどうするかというと、自分を偽らず、謙虚に知らないことを知るところから始めなければいけません。 トップという立場でも必要なことは聞き、理解できないことははっきり認め、学ぶべきことは努力して早く学ぶことが大切です。本物のリーダーシップとは、自分が何者か知り、誰かのふりをしないことなのです。 著者がABCエンターテイメントのトップだった時、上手くいった番組もあればこけた番組もありましたが、著者が学んだことは努力不足はいけないが、避けられない失敗ならしてもいいと腹をくくらなければ、イノベーションは起こせないということでした。 その後、ABCテレビジョン・ネットワークの社長に就任してすぐ、ダンの引退と共にキャピタル・シティーズ/ABCのCOOに就任しました ディズニー入社 COOに就任後、キャピタル・シティーズ/ABCはディズニーに買収されました。 自分が社長、つまりディズニーのNo.2になれるかもと思っていた著者でしたが、実際には別の人が選ばれてしまいます。一瞬がっかりしたものの、仕事がうまくいくように努力することの方が先でした。 しかし、社長に就任した人物はCEOの右腕としては不十分で、自分の時間を管理し、他人の時間を尊重するという管理職に必要なスキルをまるでわかっていなかったし、他の人の問題に耳を傾け、解決策を見つける手助けをすということもしなかったため、当然ながら、その社長はクビになりました。 No.2 それから3年間、ディズニーにはNo.2を置かずに経営を続けました。 しかし、1999年の終わりにはずっと1人でディズニーの経営を切り盛りしてきたCEOのマイケルにしわ寄せがやってきました。彼がNo.2を指名したがらないことが、ディズニー全体に悪影響を与えてしまったのです。 著者が休暇中にCEOと取締役数人が夕食を共にし、後継者について話し合った際に、著者を後釜に据えることはないと、CEOは宣言しましたと聞かされましたが、後日著者がら呼び出されて言われたのはCOO、つまりNo.2に任命されました。 内紛 COOに指名された頃、伝統的なメディアの終わりが始まり、世界が変わろうとしている時代でした。 世界が変わっていることを誰よりも体現する存在が、アップルの経営者で、ピクサーのCEOであるスティーブ・ジョブズでした。 ピクサーはディズニーにとって重要なパートナーでしたが、アップルのやり方を非難するなどして、ディズニーとピクサーの(というかディズニーのCEOのマイケルとスティーブ・ジョブズの)関係は悪化していきました。 そのことに加え、同時多発テロが起き、標的にされかねなくなったということや、コムキャスト社がディズニーを買収しようとしていたこと、CEOのマイケルと重鎮取締役ロイ・ディズニーとの対立などがあり、ディズニーは問題が山積みになっていました。 問題が多くなりすぎたことから、結果的にマイケルは2006年の任期満了をもって引退することが決定し、ディズニーはそれまでに後継者を探さなければいけませんでした。 後継者選び 著者がCEOになるには、取締役が求めている変革者だと信じてもらわうために、説得しなければなりませんでした。 著者がやったことは三つの戦略的優先順位を決め、「自分たちの行きたい場所はここだ。そこにたどり着くにはこうすればいい」と伝えることでした。つまり。ディズニーや著者の過去の実績の話ではなく、未来の戦略を話しました。 しかし、ディズニーのCEO選びはなかなか進みませんでした。著者は取締役会、マスコミ等の質問、批判を受け、パニック障害を引き起こしたこともありました。 一連の出来事や世の中の評価を考えると、取締役会が変化を求めて外部の人を指名する可能性も充分に考えられましたが、最終的には著者がCEOに決まりました。 最初の100日 CEOとなった著者は、今後半年の間にやらなければいけないことをまとめました。その中には「ロイ・ディズニーとの和解」「ピクサー及びスティーブ・ジョブズとの関係を修復する」などがありました。 著者はロイ・ディズニーが求めていたのは敬意ということに気づきました。ほんの少し敬意を払うだけで信じられないようなことが起こり、逆に敬意を欠くと大きな損をします。敬意を払うというのは一見つまらなそうなことですが、敬意をもって共感をもって働きかけ、人を巻き込めば、不可能と思えることも現実になるのです。 ピクサー買収 新しいiPodでディズニーのテレビ番組を配信する件について、スティーブ・ジョブズと話し合うようにはなっていましたが、ピクサーの話に応じてくれても、ジョブズが持ち寄る条件はいつも、ピクサーの有利になるようなものばかりでした。 そんなとき、著者はピクサーを買収するという考えを思いつきます。そのことを緊張で汗が噴き出す中、そのことをジョブズに伝えると「あぁ、それならとんでもないってこともないな」と返答がありました。 ジョブズのと会議で、ジョブズはホワイトボードに片側に「メリット」、反対側に「デメリット」と書き、ピクサーを売却するデメリットを余るほど書いていきました。対して著者はメリットを一握りしか言えませんでした。 しかしジョブズは「メリットは少ないが間違いないものだし、沢山のデメリットより重要だ」と述べました。 ジョブズはメリットとデメリットのすべての重要性を推し量り、デメリットの多さに騙されてメリットの重みを、特に彼が成し遂げたいことを見失いませんでした。それこそがジョブズがジョブズたる所以でした。 ピクサー買収をする方向性で進めていた著者ですが、反対意見は少なくありませんでした。しかし、最終的には取締役会を説得、ジョブズから癌が再発した話も聞きましたが、買収は成立しました。 マーベル買収 2008年、良質なオリジナルコンテンツを増やすために、次に買収を考えたのはマーベルでした。 2009年、ようやくマーベルCEOのアイクと話し合う機会を作りました。彼は瀕死になったマーベルを手に入れて、その頭脳と執念で立て直したほどの人物でした。 アイクとの食事などを通じて、話を進めていき、買収することに同意してもらいました。 アイクが同意した決め手はジョブズでした。ジョブズは電話で「ロバート・アイガー(著者)は約束を守る人間」だと伝えたことが決め手となりました。 もちろんマーベルの社員には不安を感じる人間も少なくありませんでした。著者はピクサーを買収した際にも言った、「君たちらしさに価値があるのに、それを変えてしまったら買った意味がなくなる」という言葉をマーベル社員に伝えました。 スターウォーズ継承 マーベル買収を終えてから、ずっとルーカスフィルムは買収候補のトップに上がっていました。 ルーカスフィルムのジョージ・ルーカスの中では、ルーカス・フィルムはピクサーと同じくらい価値があったが、ディズニーにとってはそこまでの価値はありませんでした。いつかそうなる可能性はありましたが、そこにたどり着くまでには何年も努力し、偉大な作品を作らなければなりません。 守秘義務契約を結び、ルーカス・フィルムを調査し、適正な価格を提示、ジョージ・ルーカスは買収価格に合意しました。ただ、問題はジョージの役割でした。 経営者として彼に「好きな映画を好きな時に撮ってください」とは言えません。しかし、スターウォーズをジョージが手放すとは思えなかったのです。 結局、税制の改正もあって、彼は嫌々ながら買収に合意しました。彼にとってスターウォーズという自分の子供同然の手放すことは非常に辛いものでした。 彼の気持ちは痛いほどわかっていましたが、著者は経営者としての責務を果たす必要がありました。しかし、それでも彼には切実に接しました。 これまでのピクサー、マーベル、ルーカス・フィルムの買収に共通していたのは、支配的な所有者と信頼を築けるかでした。そしてその鍵は誠実であるかどうかです。 信頼を築けることでこの3社を買収し、良い関係でいることができたのです。 イノベーションか死か 3社の買収は終わり、自分達のコンテンツをテクノロジープラットフォームを使って直接消費者にコンテンツを届ける時が来ました。 そのためにやり遂げなければならないのははっきりしていました。イノベーションを起こすことです。できないなら生き残れません。 ディズニーはBAMテック社を完全買収し、支配的所有権を取得して、動画配信サービスを立ち上げることを発表しました。それがESPNプラスとディズニープラスでした。 その後、ディズニーは報酬制度の変更など、イノベーションに不要な伝統をどんどん捨てていきました。 正義の代償 イノベーションが業界を変えていることは間違いありませんでしたが、テクノロジーの変化よりも深い意味で社会の姿を変えるような変革が起きていました。 特にエンターテイメントの世界ではハリウッドやあらゆる職場でのセクハラや性別差別に対して行動が起こり始めていました。 ディズニーもまた、社員が安心して働ける環境を作り出し、維持するために、社内の全ての人が意見できるようなプロセスを置き、告発者を守ることを強調しました。 それから半年間は課題が山積みでした。動画配信サービス、人事問題、フォックスの買収に向けての分析と交渉などです。 さらに、ESPN社長のジョンが薬物問題を告白しました。彼は優秀な人物で、失うのは痛かったですが、正しいことをするために、ジョンは辞任、ディズニーはESPNとアニメーションという柱になる2つの事業のリーダーを失いました。 また、テレビシリーズ「ロザンヌ」の主演、ロザンヌ・バーがTwitterで炎上、商業的には存続が正しいですが、人として正しいことをするために「ロザンヌ」の打ち切りを決定しました。 未来への布石 フォックスの買収を進めていましたが、コムキャスト社がディズニーが提示した額よりもはるかに高い額を提示しました。 ディズニーはその額より高い額を提示、買収合意が発表されました。これにより買収の問題も収まり、良いタイミングで配信サービスの情報を株主に公開しました。 最終的には全てのディズニー作品、マーベル作品、さらにシンプソンズをはじめとする買収したフォックスの作品も提供できるようになること、スマートフォンのアプリがどのように動くか、月額料金はいくらなのかなどの説明をしました。 著者がここまで来れたのには素晴らしい指導者との出会いがあったからです。彼らからできる限り全て吸収しました。 著者はミッキーマウスクラブを見て育ち、生まれて初めて映画館に行った際にはシンデレラを見に行きました。そんな著者がディズニーの遺産を守り、次の世代に引き継ぐ立場になったことが信じられないと語っています。 世界中から権力者、重要人物だと祭り上げられても、自分を見失わないことがリーダーの本質です。自分を過信した瞬間、肩書きに頼り始めた瞬間に自分を見失ってしまいます。 人生のどの段階にいても、自分という人物は今も昔も変わらないということを心に留めてること、それが何より難しく、なによりも大切な教訓なのです。 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || ).push({}); 個人的な感想 まず、少し驚いたことがタイトルでした。このタイトルだと、「7つの習慣」のように10の原則についてそれぞれの章で詳しく書かれているのかと思いきや、この本は著者であるロバート・アイガー氏の1974年の下っ端時代から2019年までを追体験し、この10の原則を彼のキャリアを通して理解するという内容でした。 そのような予想と違った面もありましたが、10の原則はもちろんのこと、どのような人と出会い、学び、力をつけていったか、そしてどのように会社を導いたのかを著者の実体験を通して学べる本ため、非常に理解しやすかったです。 また、読んでいて非常に楽しかった本でもあります。著者の人生を追体験できる本なので、続きが気になるのです。電車で読んでいて、目的の駅に着いた時は「この後ディズニーと著者はどうなるのか続きが気になるのに降りなくちゃいけないのか」と思えるほどでした。 特にスティーブ・ジョブズとのやり取りは特に面白く、また参考になりました。ジョブズと著者のような世界のリーダーの考えを私はできていませんが、「このように考えられるようにする」という目標を与えてくれました。もちろんその目標を達成するのは非常に難しいですが、著者の言う通り「熱意をもって高い目標に取り組むことが大切」なのだと思います。 一番参考になったのは、著者のように「地位、立場に関係なく、わからないことは聞いて理解する」「謙虚な姿勢で努力する」「目指すべきところ、やるべきことをはっきりさせる」ことが大切であるということです。これは誰にでもできることではないかもしれませんが、誰もが実践すべきことであると感じました。 あとはこの本に対する投資対効果ですが、定性的ではありますが、これは間違いなく投資額以上の効果があると思います。この本は2310円(2100円+税)でしたが、2310円でリーダーとしての心得や、著者の成功までの人生を追体験は普通出来ません。 読むことをおすすめできるのは、周りから信頼されたい、成功したいと思っている方です。社会人の方のほうが理解、共感は出来ると思いますが、実力をつけ、敬意と信頼を得たいと思っている学生の方にもおすすめできる本だと思います。 まとめ 以上が「ディズニーCEOが実践する10の原則」の内容の要約、感想になります。 ロバート・アイガー氏がどのようにして世界的なリーダーになったのかを追体験できる本であり、彼のキャリアを通じて、大切な10の原則が学べる本です。 面白い本であると同時に、皆様の年齢、立場にかかわらず参考になる本であり、読む価値は十分にあるかと思います。 もしご興味がありましたら、ぜひ読んでいただけたらと思います。 今回は以上です。それではまた。 リラ吉 ディズニーCEOが実践する10の原則 価格:2310円(税込、送料無料) (2021/6/16時点)楽天で購入

【書評】DXの本質とは?「アフターデジタル2 UXと自由」の要約・感想

皆様こんにちは。リラ吉です。 近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉を聞くことが増えました。 DXとは「文書や手続きを単に電子化するだけではなく、ITを徹底的に活用することで、手続きを簡単・便利にし、蓄積されたデータを政策立案に役立て、国民と行政、双方の生産性を抜本的に向上することを目指します」と経済産業省は定義しており、その考えから、リモートワークやデリバリーフード、銀行振り込みなど、様々なものがオンライン上で出来るようになっています。 しかし、日本はデジタル化が遅く、オフラインのものが多いというのが現状です。 ではDXの実現にはどのようなことが必要なのでしょうか?そしてDXが実現された社会とはどのような社会なのでしょうか? 本記事ではそれらのことについて書いてある藤井 保文さんの本「アフターデジタル2 UXと自由」について書きたいと思います。 内容の要約 オフラインのない状態がくる 中国の都市部では現金の使用率が5%以下まで低下し、モバイルペイメントの利用が浸透しています。デリバリーフードもアプリで済ませ、都市部の移動もシェアリング自転車を使う人が増えています。 このようにもともとオフラインだったものが次々とオンラインデータ化し、個人のIDと紐付けられ、膨大な行動データが利活用可能になっています。日本もだんだんとそうなってきています。そして行動データを利活用できないプレイヤーは負けていく時代なのです。 アフターデジタル社会において成功企業が共通で持っている思考法を「OMO」と言います。OMOは「オンラインとオフラインを分けるのではなく、一体のジャーニーとして捉えて、これをオンラインの競争原理から考える」というものです。 ジャーニーとは人の行動、思考、感情などの見える化したものを指します。これにより、オンライン、オフラインという区別を意識しなくても、そのとき最適な方法を選ぶことができます。 これまでは製品を販売するというゴールに向かって企画、生産し、売っていくというビジネスモデルでした。これからは製品はあくまで顧客との接点の一つと考え、他の接点である、アプリ、店舗などと等しく扱われます。 すべての接点が1つのコンセプトでまとめ上げられ、その世界観を体現したジャーニーに顧客が載り続け、企業は顧客に寄り添い続ける、そうした新しい型(バリュージャーニー)に変化します。このバリュージャーニーの時代では顧客を状況レベルで理解するほど強くなります。 ソフトバンクの孫正義はペイメント機能に始まり、移動、飲食、金融など生活インフラ機能を全方面でとらえたアプリを「スーパーアプリ」と表現しました。スーパーアプリで重要なことは「いかにして、日常の様々なことに使ってもらうか」になります。スーパーアプリはアジアでは中国が先行しています。 一方でGAFAという世界最強のプラットフォーマーがある米国では、プラットフォーマーに頼りすぎず、テクノロジーをまとったブランドが中間業者を挟まず顧客にダイレクトにつながるD2Cという動きが生まれてきています。D2Cブランドは、従来の顧客に製品を販売していくモデルではなく、テクノロジーを駆使してリレーションを作っていくモデルです。 日本はデジタル化が遅れている国です。その理由の一つが「日本はホワイトリスト方式」だからです。ホワイトリスト方式というのは「やっていいことを決め、それ以外はやってはいけない」という管理の仕方です。決めたことしかやってはいけない為、自由度が低くなります。 対して米国などはブラックリスト方式、つまり「やってはいけないことを決め、それ以外は一旦はやっていい」という管理方法です。これは自由度が高く、デジタル化を進める上では良いです。しかし、企業や個人に責任を負わせることになるため、社会問題が発生した場合、大企業でも容易につぶれるリスクもあります。 アフターデジタル型産業構造の生き抜き方 決算プラットフォーマーはアフターデジタル型産業構造において、強い立場にいます。 中国のアリババとテンセントは細やかなUX(新たな顧客体験)にまで一気通貫しています。アリババのアリペイとテンセントのWeChatペイにそれが反映されていて、ほとんどの人が両方使っています。 この二つは同じカテゴリーのサービスですが、異なるミッションでそのカテゴリを捉えています。例えば送金を例にするとアリペイは送られてきたお金がそのままウォレットに入りますが、WeChatペイは受け取るというアクションを取らないとウォレットには入りません。 このように聞くとアリペイの方が便利に聞こえます。しかし、著者の経験として、プロジェクトの打ち上げの際に奢ろうとしたら部下の1人が「私もお金を出します」とWeChatペイで100元送ってきました。 この時、著者は奢る気だったので当然受け取りませんでした。しかし、部下も受け取らずに返金されることがわかっていて100元を送ってきました。このような日本でよく行われる「奢ってもらえるのはわかっているけど、一応財布を出すポーズだけはする」のようなお金のやり取りというコミュニケーションをデジタル上で出来るのです。テンセントの狙いは全てをコミュニケーション化することなのです。 アリペイは商取引の円滑化が優先です。受け取りアクションを取り入れると取引を通じて沢山の人から送金があると無駄なことが増えてしまいます。このようにアリババとテンセントは同じ機能でも同じサービスにならないのです。 このように機能やUXだけでなく、展開戦略やミッションが反映され、企業の「社人格」のようなものが現れます。結果、ユーザーには「この企業はこういう存在である」と認識されるのです。 アフターデジタル型産業構造になることで、最も恐怖を感じているのはメーカーです。メーカーは顧客接点の頻度が低く、顧客理解の解像度が低くなってしまいます。 しかし、例えば電気自動車メーカーのNIOは「鍵を渡してからが仕事」と言っています。NIOは購入者限定の会員サービスがあります。どちらかと言えば会員サービスを買うために600〜700万円支払い、ギフトとして車を差し上げているくらい車を差し上げるようなものです。 通常、メーカーは購入時のみしか接点を持てませんが、NIOは定常サービスによって顧客との接点を確保し、いつまでも顧客の相談に乗れるような関係性を作っています。 価値の再定義も必要です。中国においてスターバックスは30分に届いたコーヒーは味が落ちていると考え、デリバリーに参入していませんでした。その結果、ラッキンコーヒーがデリバリーを開始し、店舗拡大をしてしまいました。 対策としてスターバックスは専属配達員を配備しました。通常、デリバリーアプリで注文すると30分前後かかりますが、専属配達員は1 to 1配送を実施するため、注文後10分前後で配達してくれます。 スターバックスはユーザーがすでにその便利さに移行しているという捉え、スターバックスらしいデリバリーは何か、アフターデジタル型のスターバックスが提供する価値とは何かを再定義しました。 時代に合わせて価値を再定義して技術を正しく導入すれば、アフターデジタルの時代においても大きく成長することができます。 誤解だらけのアフターデジタル 中国で起きたことが日本で同じことが起きるかというと、そうとは思えません。国家の運営体制、経済構造、文化背景の3点が日本と中国では異なるからです。 中国では決済プラットフォーマーが頂点にいて、その下にサービサー、さらに下にメーカーが位置します。 しかし、日本では同様のヒエラルキーにはならないでしょう。中国の人口は14億人、そのうち5億人が使うアリババやテンセントの決済プラットフォームと5000万人が使う日本のプラットフォームでは、参加企業のインセンティブが大きく異なります。 より多くの企業が、よりユーザーの多いプラットフォームに乗ってくるので、ユーザーの選択肢も増え、さらに多くのユーザーが使うようになります。そうすると、企業にとってのメリットも増え、さらに多くの企業が参加します。 決済プラットフォーマーとしてアフターデジタル方産業構造のトップに立つには「圧倒的な資金力」「考え抜かれたUXによる圧倒的なユーザー数」の二つの条件が必要なのです。 日本におけるDXは「デジタルを導入せよ」という命令が出てしまい、「顧客提供価値をアフターデジタル社会に照らし合わせて定義する」という議論が抜けがちです。ユーザーにどのようなUXを提供するのかを考える前に業務や人事のデジタル化を先に行ってしまいます。 また、ユーザーの状況理解とそこに提供するらUXの企画がないまま、DXを進めようとしてしまっています。UXはUIと一緒に使われがちですが、GAFAやアリババ、テンセントではUXは「ユーザー、ビジネス、テクノロジーの3つが関わり合う時に生まれる体験」と捉えています。 優れたUXが高頻度で長く使ってもらえるものを生み、それがビジネスの全てを決めると理解しているからです。 UXインテリジェンス 目指すべきは「多様な事由が調和する、UXとテクノロジーによるアップデート社会」、つまり「人々がその時々で自分に合ったUXを選べる社会」です。これは民間企業が社会のアーキテクチャー設計を担うことを意味します。言い換えると企業のDXが社会のDXを形作るのです。 しかし社会のDXを念頭に置かないと企業のDXも上手くいきません。そして、社会に受け入れられるDXを成し遂げるには、どんな世の中にしたいかという企業家精神が不可欠なのです。 しかし、こうした精神を持たない企業がデジタル化を進めてしまい、データが悪用され、そうした事例がいくつも世の中に出てしまうと、社会発展が止まってしまう可能性が高くなります。 データはUXに還元し、ユーザーとの信頼関係を作ることを最優先にし、心の底から共感できる世界観を提供しなければならないのです。その実現に重要なケイパビリティ(組織的な能力)は「ユーザーの置かれた状況」を考える「UX企画力」なのです。 日本の企業への処方箋 日本企業がDXを推進する場合、組織内部の課題が非常に多いです。経営レベルでアフターデジタルの世界観を理解し、社長から現場まで同じイメージ(DXの必要性、目的)で共有するライン作る必要があります。  また、命令型組織ではなく、上も下も横も対話と議論ができる対話型組織でないとDXは実現できないとも言われています。 DXの目的は「新しいUXの提供」であり、その成功に対しては「組織としてのバリュージャーニーの企画運用ができるようになる」ことが重要です。仮に失敗しても、そこから得た経験からチャンスを見出すこともできます。 そして早く実現に動きながら、本気でケイパビリティの獲得と組織化への集中こそがDX実現の近道なのです。 感想・意見 この本は今の日本に必要なこと、多くの方が気が付いていないであろうDXの本質について書かれてあっておもしろく、学べることも多かったです。そのため、社会人、学生問わずおすすめできる本だと思います。 また、中国の事例を多く紹介していますが、そのレベルの高さに驚かされたと同時に、日本のデジタル化の遅さに焦りを感じさせられます。 私が勤める会社でも多くの企業がそうしているようにDX専門の部署がありますが、そこに所属はしていなくても、DX成功、というより生き残る為に、どのように差別化された優れたUXをユーザーに提供するのか、組織としての能力をどのように上げるべきか真剣に考え、提案しなくてはならないと感じました。 個人的には単純ではありますが、会社内での教育、そして対話型組織を作ることが大切かと思います。 対話型組織は間違いなく必要ですが、上下関係なく議論が環境があっても、同じイメージを持たなくては意味がありません。同じイメージが持てないようだと方向性がバラバラになりますし、場合によっては話が進まないからです。 そして同じイメージを持つには、社内での教育が重要かと思います。この教育というのは能力アップはもちろんですが、自社、競合他社、社会の状況を教える、知るということも含まれます。これらの状況を知ることで、目指すべき場所の想像がしやすくなるからです。 ただ正直なところ、差別化されており、優れたUXを提供するシステムのイメージを共有し、理解することは出来ても、そのシステムを社内で、場合によっては世界で最初に考える、イメージするというのはあまりにも難しいです。 これには「ロケット科学者の思考法」についての記事でも書いたように、「一見無用に思える好奇心からくる研究や思考実験がひらめきを明らかにする」のだと思います。 またOODAループにおける「みる(意識して観る、観察する)」「わかる」も重要かと思います。自社、競合他社、社会を観察し、自分の世界観を元にして、課題ややるべきことを理解することによってアイディアが浮かぶのではないかと思います。 まとめ 以上が「アフターデジタル2 UXと自由」の要約、感想になります。 今の日本にとって必要なことが書かれており、この本に書かれていることを知っているだけで、失敗する可能性(=時代に取り残される可能性)は格段に減るかと思います。 また、実例も多く書かれているので理解しやすい内容です。 社会人の方にも学生の方にもおすすめできる本ですので、ご興味のある方はぜひお手に取っていただけたらと思います。 今回は以上です。それではまた。 リラ吉

【書評】数字を通して世界の真実を見る!「Numbers Don’t Lie 世界のリアルは「数字」でつかめ!」の要約・感想

皆様こんにちは。リラ吉です。 インターネットを使うのが当たり前になった現在、私達は様々な情報を見つけることが出来るようになりました。 それにより便利な世の中になりましたが、同時に嘘の情報やフェイクニュースのようなものも増え、世界で起こったこと、起こっていること、起こりつつあることを理解するのは非常に難しく、何が真実・事実で、何が嘘なのかを知ることが難しくなっています。 そんな中、事実を知る方法の一つが「数字を見る」というものです。 もちろん改竄されていないという前提ですが、世界の真の姿を理解するに、信頼性のある数字は非常に役に立ちます。 では、数字はどんな真実を私たちに伝えてくれるのでしょうか? 今回の記事では、数字はどんな真実を私たちに伝えてくれているのか、様々な例を挙げて説明しているバーツラフ・シュミル (著), 栗木 さつき (翻訳), 熊谷 千寿 (翻訳)の本「Numbers Don't Lie 世界のリアルは「数字」でつかめ!」の内容、感想を書きたいと思います。 この本は下記のような方におすすめです。 物事を数字で考えたいと思っている数字を通して世界の真実をちょっと見てみたい もし上記のように思っている方がおらっしゃいましたら、この記事がご参考になれば幸いです。 内容 この本はタイトル通り数字は嘘をつかないと言う考え方から、数字がどんな真実を伝えているのかを説明するために、下記のような様々な例が書かれています。 子供が少なくなったらどうなるのか?投資に対する最高のリターン感染流行の規模を予測するのが難しい理由ギザのピラミッドは何人でつくったのか?日本の将来への懸念長寿国日本の食生活の秘訣風力発電には化石燃料が必要電気自動車は本当にクリーンか? これらについて、どのようなことが書いてあるのかというと、例えば比較的有名な「風力発電には化石燃料が必要」という話では、出力5MWの風力タービンを作るには900トンの鋼鉄が必要と書かれています。 そもそも、鋼鉄を作るにはエネルギーが必要で、1トン当たり約35GJのエネルギーを消費して作られます。2030年までに運転開始予定の風力タービン用の鋼鉄を製造するには、6億トン以上の石炭に相当する化石燃料が必要で、風力タービンについているブレードを補強するグラスファイバーを製造するには1トンあたり170GJのエネルギーが必要になります。 2030年までに総出力2.5TWの風力タービンを作るとなると、9000万トン程度の石油が必要で、さらに定期的に潤滑油を交換しなければならないというようなことが書いてあります。 このほかにも多くの例が書かれており、合計すると、71の例が書かれています。 しかし、数字は嘘をつかないかもしれませんが、その数字がどんな真実を伝えているのかを判断する為には、物事を深く、同時に広く見なければなりませんとも著者は述べています。 信頼できる正確な数字でも、必ず多角的な視点から見て、絶対的な価値を評価する為に、相対的化や比較化という視点が必要になります。 また、疑いを持ち、用心を持つことも大切ですが、現代社会の複雑に絡み合う現実を把握する為にも、物事を数値化する努力を常にしていかなければならないでしょう。 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || ).push({}); 個人的な感想・意見 読んでみて「この事実は知らなかった」「面白い・興味深い」と思いましたが、この本を読んだからといって、イノベーションを起こせるわけでもなく、仕事の生産性が向上するわけでもなく、数字に強くなって数学の点数が向上するわけでもないと正直感じました。 しかしながら、この本に書かれていることは知識として知っておいて損はないと思います。また、物事を数字で見ると自分の知らない側面が見えてきます。 話のネタにするのもよし、自分の知っている世界観や思い込みを更新するもよし、様々な使い方があると思います。 個人的な意見ではありますが、数字は嘘をつきません。しかし、数字を作る人が嘘を元に数字を作る、もしくは改竄する可能性はあります。 そういう意味で、疑いを持ち、多角的に見る必要があるという点には非常に共感が持てました。 また、フェイクニュースがあちこちにある今の時代において、数字を用いて何が真実で何が真実ではないのかはもちろんのこと、何に対する真実かを私達が判断することが重要であると感じました。 簡単な例を挙げると、新型コロナウィルスの死亡率は何%でしょうか? 日本における死亡率は厚生労働省のホームページに書いてありますが、それを計算するための分母、つまり感染者数とは何なのでしょうか? ホームページには「陽性者数」と書かれています。つまり医療機関で陽性が確認された人です。 しかし、無症状のため、検査を受けていない人もいます。陰性と診断された後に症状が出たけど、以前に陰性と診断されたので、「感染していない」「風邪を引いただけ」と思って検査に行かなかった人もいるでしょう。 それらのことを考えると、陽性と診断されたら何%の確率で死に至るかは計算できても、感染したら何%の確率で死に至るのかの真実は計算不可能になります。 なので、この新型コロナウィルスの例では厚生労働省のホームページに書いてある数字は「陽性と診断された場合の死亡率」という点では真実を語っていて、「感染した際の死亡率」については真実を語っていないというわけです。 この新型コロナウィルスの例は改竄されていないという前提条件は必要ですが、数字が何に対する真実なのかを判断するのは難しくありません。しかし、世の中にはもっと判断の難しいものがたくさんあります。 よく「数字で考えろ」と言う方をよく見かけます。仕事をしている方でこのようなことを言われたことのある方、聞いたことのある方は多いかと思います。 私なりの意見では、世の中のことの多くは数字で考えるべきだと思います。しかし、数字で考える上で重要なことは、本書に近いことは書いてありますが、その数字に対して疑いを持ち、その数字は何を意味するのか、何の真実を語っているのか、またどの程度真実に近いかを判断する力だと感じました。   まとめ 以上が「Numbers Don't Lie 世界のリアルは「数字」でつかめ!」の内容の要約・感想になります。 例が71もあるため、読みごたえがあり、さらにそれぞれの例が非常に面白く、新しいことが知れる本になっています。 数字を通して世界の真実をちょっと見てみたいという方はこの本を楽しめると思いますので、おすすめできます。 皆様がこのように考えているのであれば、ぜひこの本を手に取っていただけたらと思います。 今回は以上です。それではまた。 リラ吉 ...
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【食レポ】行列のできる洋菓子ブランド「ノワ・ドゥ・ブール」

皆様こんにちは。リラ吉です。 先日、新宿伊勢丹の中でも特に行列ができるお店「ノワ・ドゥ・ブール(noix de beurre)」に行ってきました。 食べてみたら衝撃的なおいしさでしたので、今回の記事ではこの洋菓子ブランド「ノワ・ドゥ・ブール」を紹介したいと思います ノワ・ドゥ・ブールとは ノワ・ドゥ・ブールはフィナンシェやマドレーヌなどの焼き菓子、生ケーキを販売している洋菓子店です。 お店は新宿、日本橋、銀座の伊勢丹にあり、どのお店も行列が出来るようです。 今回訪れたのは新宿伊勢丹店で、平日の15時頃でした。 人の少ない時間帯ですが、この時間でも行列は出来ており、20分ほど並びました。休日なら1時間近く並ぶかと思います。 ノワ・ドゥ・ブールの感想 購入したのは焼き立てフィナンシェが2つ、ガレット・ブルトンヌが1つ、カヌレが2つの焼き菓子セット(1,475円)、それとママレード・ママン(1つ216円)です。 フィナンシェは外のサクサクした食感、中のしっとり感がしっかり味わえるます。 頂いた紙にはバターとアーモンド香ると書いてありましたが、バターの味が強く、アーモンドの味は弱めに感じました。また焼きたてらしい香ばしい匂いが食欲を誘います。 カヌレは外は見た目通りカリカリしていて、中はしっとりしています。 味は一瞬、カスタードのような風味が来た後、ラム酒独特の味がしっかり来ますので、若干クセがあります。また、上品な大人の味なので、子供は苦手かもしれません。 フィナンシェは万人受けしそうですが、カヌレは好き嫌いが分かれるかと思います。 ガレット・ブルトンヌは焼きたてのクッキーの食感で、バターと塩がすごく効いています。この塩の風味が味を引き立てていると感じました。 またこの塩の風味が最後まで残るので後味もスッキリしている印象です。 外側のザクっとした食感が強く、中のしっとり感が弱目の印象でした。また、ポロポロしているので、上手く食べないと床に落としそうでした。 ママレード・ママンは柔らかく、バターと卵の味がしっかりしていて非常にシンプルな印象でした。 また、商品の説明を見ると、はちみつも入れていると書かれていますが、それほど感じませんでした。なのではちみつ独特の味が苦手という方も全く問題ないと思います。 これら4つはどれも非常に美味しく、並んで良かったと思います。また、この4つ以外の焼き菓子も期待できると思います。 まとめ 以上がノワ・ドゥ・ブールの感想になります。 平日の昼間でも15〜30分ほど並ぶでしょうし、休日なら1時間近くは並ぶかと思います。 しかし、それだけ並ぶ価値がある味であり、自分の為に買ってもよし、お土産として買ってもよしなお菓子です。 欠点としてはお店が東京にしかないことですが、焼き立てではないものの、通販でも焼き菓子は購入可能なので、東京近郊以外お住まいの方でもこの味を味わうことができます。 通販で購入できるものについては食べたことはありませんが、プレゼントした方は美味しいと仰っていたので。こちらもオススメです。 ご興味がある方でお店に足を運べる方はお店で購入し、遠方の方は通販で是非買っていただけたらと思います。 今回は以上です。それではまた。 リラ吉

【書評】スティーブ・ジョブズも愛読した!「禅マインド ビギナーズ・マインド」の要約・感想

皆様こんにちは。リラ吉です。 スティーブ・ジョブズは生前、座禅を組み、禅の考えを好んでいたことが知られています。 その為、アップルの製品には禅の精神が詰まっているといわれています。 そんなジョブズが愛読していた禅に関する本が鈴木俊隆さんの「禅マインド ビギナーズ・マインド」です。 今回の記事ではこの「禅マインド ビギナーズ・マインド」をご紹介します。 内容の一部要約 姿勢 座禅の姿勢は左足を右のももの上、右足を左のももの上に置きます。こう置くことで、右足、左足が一つになり、二つでも一つでもないという「二元」性の「一者」性を表しています。 これは大事な教えで、例えば心と身体は一つと言いますが、心と身体は別物です。しかし、二つであるかと言うと、それも違います。心と身体は二つでありながら、一つなのです。 背筋を伸ばし、顎を引き、正しい姿勢を取ることが修行の目的です。この姿勢をとる時、心が正しい状態にあります。 この正しい姿勢を取るというのは座禅の時だけではなく、日常でも正しい姿勢をします。逆に正しくない姿勢でも試してみてください。正しい姿勢を保つということがどんなに大事かわかります。 呼吸 座禅をする時には呼吸に従います。 息を吸うと空気は身体の中の世界に入ってきます。吐くときは外の世界に出ていきます。しかし、この二つは実際には喉という回転扉があるだけの一つの全体の世界です。 自分を意識せず、息の動きだけについていけるように、心が純粋で、落ち着いていれば、そこには私も世界も、心もありません。ただ回転扉(喉)があるだけです。 私たちはその時すべきことをするだけです。座禅では呼吸の動きに気付き、回転扉になり、座って息に集中する。これが禅の修行なのです。 コントロール 周りの人々をコントロールしようとしても出来ません。 一番いいのは好きなようにさせることです。この時、みんなは広い意味ではコントロールされています。 羊や牛をコントロールするには、広々とした、余裕のある草地に放すことです。人についても同じことが言えて、好きなようにさせておいて、そして見守るのです。 自分自身をコントロールする時、同じ方法が役立ちます。 座禅をしていて、落ち着きを得たいなら、心を横切るイメージに邪魔されないようにします。イメージは起こっては消え、起こっては消えます。これをありのままに見つめて、そのまましておくのです。そうすればコントロールできます。 しかし、これは簡単ではなく、努力が必要です。たった一つ皆様の助けになる努力は自分の呼吸を数えること、あるいは吸うことや吐くことに集中することです。 心の波 座禅をする時、思考を止めようとしてはいけません。止めようとするのではなく、止まるがままにさせます。 心に何かが起きたら、入ってこさせ、出ていかせます。どんなものも長くはとどまりません。 思考を止めようとすることは、それに邪魔されているということなのです。 何かが心の外で起こっているように見えますが、それは心の波にすぎません。心の波に邪魔されなければ次第に収まっていきます。 心の雑草 目覚ましが鳴ると、皆様は目を覚まします。そんなにいい気分では無いと思います。 朝座禅をするのはそんな簡単なものではなく、自分を叱咤激励しなければなりません。 こうしたものは心の波にすぎません。座っていると次第にこの波は穏やかになり、あなたの努力そのものが、なにか微細な感覚に変わっていきます。 抜いた植物は植物の肥料になると言います。雑草を抜いて植物の近くに埋めると肥料になるのです。 座禅でも、心の波を感じても、そうした波自身があなた方を助けることがあるのです。心の波を気にかける必要はありません。むしろ心の雑草として感謝すべきです。 禅の真髄 ある経典に四種類の馬がいます。卓越した馬、優秀な馬、普通の馬、劣った馬です。 卓越した馬は騎手の意思に従って早足や並足、左右に動きます。優秀な馬は鞭が皮膚に届くか届かないかのうちに卓越した馬と同じように動きます。普通の馬は身体に鞭の痛みを感じたら走ります。劣った馬は痛みが骨の髄まで達したら走ります。 この話を聞くと、誰もが卓越した馬になりたいてましょう。 しかし、ブッダの心とともに座禅の修行をすると、最悪の馬こそが最も大事な馬だとわかります。 自分が不完全であるからこそ、道を求める心のしっかりとした基礎ができるのです。完全に正しい姿勢で座る人は禅の本当の道、禅の真髄を見つけるのには時間がかかります。 道元禅師は「将錯就錯(しょうさくしゅうさく/ しょうしゃくじゅしゃく)と言われました。これは間違いを間違いで受け継ぐ、あるいは間違い続けるという意味です。 禅の修行はまさに将錯就錯で、長い年月、間違えても間違えても、ひたむきに続けるということです。 「よい父は、よい父でない」とも言います。これは自分がよい父親と思っている人は、よい父親ではありません。 よい父になろうと専心して努力すれば、自分を最悪の父と考えていても、よい父になりえます。 合掌礼拝 座禅の後は床に伏して九拝します。このように合掌礼拝することで、私達は自分自身を明け渡します。これは自分の持っている二元的な考えを捨てましょうという意味です。 礼拝の際はあらゆるものに礼をします。例えば師が弟子に礼をし、弟子が師に礼をし、犬や猫にも礼をするのです。 すべてをあるがままに受け入れ、それぞれに尊敬の念を払います。これが本当の礼拝です。 礼拝が価値のある修行なのは、自分自身を自己中心的な人間からもっと向上させることができるからです。 正しい努力 修行で大事なのは正しい努力です。しかし、私達は多くの間違った方向の努力をしてしまいます。 修行について、あるいは修行の成果について、何か先入観や固定した考えを持ってしまうと、そこから抜け出せなくなります。 二元的な観念に巻き込まれてしまうのはあなたの修行が純粋ではないからです。純粋というのはありのまま、そのままという意味です。何かが得られると考えると、不純な修行になってしまうのです。 何も得ようとしないで修行、座禅をするというのは、修行から余分なものを取り除く努力です。余分な考えがやってきたら、それを止めます。それが努力を向ける方向です。 神は与える 私達の創造する文化的な仕事は私達に与えられたものです。しかし、すべてはもともと一つなので、実際にはすべて与えているのです。 一瞬一瞬、私達は何かを作り出しています。私達が座禅の姿勢で座るとき、私達は創造の最も基本的な活動を行なっています。 座っているときは無です。ただ座っているのです。しかし、立ち上がるときにあなたは現れます。これが創造の最初のステップになるのです。 二番目はお茶や料理を作ろうとしているとき、三番目は自分の中に何かを作ろうとしている時です。それは教育や文化、芸術であったりします。 毎日、なにか新しいことをしてみましょう。それこそが創造するに繋がります。 修行における間違い 多くの人は座禅の修行をする時、理想を追い求め、獲得すべき、あるいは達成すべき理想像やゴールを決めてしまいます。 理想を獲得するのは常に未来です。そのため、今の自分を理想のために犠牲にしてしまいます。座禅はただ座るだけです。それを毎日繰り返します。 修行が嫌になった時は、理想を獲得しようと考えてしまっています。しかし、それを警戒信号と見て感謝すべきなのです。 その時は間違いを捨て、初心の修行をまた始めるといいでしょう。 常に空であること 仏教を理解しようと望むなら、忍耐深くなければならないと言われています。 しかし、「忍耐」よりも「絶え間ない」という意味の方が良いです。絶え間ないこと、つまり、いつもここにあるということです。そこにあるのはものごとをありのままに受け取る働きです。 空(くう)の状態を理解した人には、いつも、ものごとをありのままに受け入れる可能性が広がっているでしょう。 空(くう) 私達は未来について希望を持っていると、今ここにおいて、真剣になれません。「明日やろう」などとよく言います。今日存在するものが明日も存在すると考えているのです。真剣にやらなくても約束されたことが起こると期待しているのです。 しかし、永続的に存在する確かな道はありません、一瞬一瞬、私達は自分の道を見つけなければなりません。 自分の道を作るには自分を理解することです。真の理解は空(くう)から生まれます。すべて心の部屋から出して大掃除をするのです。必要であれば戻すかもしれません。戻すときは一つ一つ戻して、必要でないものは戻さないようにします。 無を信じる 無を信じるということは絶対に必要です。つまり色や形を持たないものの存在を信じなければなりません。どのような神や教義を信じるにしても、それに執着してしまうと、非常に自己中心的になってしまいます。 見るものすべてが無から現れたものとして受け入れるように準備して、特定の色や形を持った現象は、何か理由があってそう現れているのだと知ると、完全な落ち着きを得るでしょう。 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || ).push({}); 個人的な感想 上記の内容の要約を読んでいただければわかるかと思いますが、仏教についてあまり知識がない人にとっては非常に難しい内容になっています。私自身、日本人にありがちな、法事以外で宗教にかかわることがない人間なので、用語が難しく、読むのにかなり苦労しました。 そして読む以上に、本に書いてあることを実践するのは難しいです。 例えば「座禅はただ座るだけ」「すべて心の部屋から出して大掃除をする」と書いてありますが、心を無にして座るというのはどういう状態なのか想像もつきません。これは非常にシンプルな状態ですが、シンプルであることは何よりも難しいのだと感じました。 これが出来るようになるには長い修業が必要なのでしょう。 しかし実践できることもありました。それは「呼吸の動きを感じ取る」「あるがままを受け入れる」ということです。 私はイライラした時に呼吸の動きを感じながら深呼吸をし、「イライラしている自分も受け入れよう」と考えてみました。このように考えたら、少しではありましたが、気持ちが落ち着きました。 この「あるがままを受け入れる」というのは「ディズニーCEOが実践する10の原則」でも書かれていた「自然体であること(正直でありのままのあなたでいましょうという考え方)」に近いものであり、世界トップクラスのリーダーも同じような考え方をしているのだなと思いました。 また、禅の真髄の「よい父は、よい父でない」という話は、聞いてみるとその通りだと思いましたが、自分で気が付くのは難しく、学べてよかったです。 このように非常に参考になりますが、全体的に理解するのは難しく、万人におすすめできる本ではありません。 おすすめできる方は仏教に対しての知識がある方、禅とは何かを学びたいと思っている方、落ち着きたいと思っている方、ジョブズのファンの方です。このような方は楽しみながら読めるかと思います。 まとめ 以上が「禅マインド ビギナーズ・マインド」の紹介になります。 内容、用語が難しいですが、理解できれば非常に学べることが多い本です。 万人におすすめできる本仏教や禅に興味がある方にはおすすめできる本です。 残念なことは本来の定価が857円+税なのですが、値段が高騰しており、新書が3000円越えになっています。なので、購入するなら古本を買うことがおすすめです。 もしご興味のある方は古本屋で探して、ぜひ読んでいただけたらと思います。 今回は以上です。それではまた。 リラ吉

【書評】「ディズニーCEOが実践する10の原則」の要約・感想

皆様こんにちは。リラ吉です。 ウォルト・ディズニー・カンパニー、通称「ディズニー」は映画やキャラクター、ディズニーランドをはじめとするテーマパーク、ホテルなど、様々な事業に取り組み、そして成功している誰もが知っている大企業です。 今でこそ、世界最大級のエンターテイメント会社ですが、そんなディズニーも90年代に低迷してしまいました。 しかし、低迷していたディズニーはある人物をCEOに任命したことにより、立ち直ります。 その人物こそが「ロバート・アイガー」です。では、彼がCEOになり、ディズニーを立て直すまで、どのような人生を送ってきたのでしょうか? 今回の記事では彼の成功の数々を追体験できる、ロバート・アイガー氏の本「ディズニーCEOが実践する10の原則」をご紹介していきます。 内容 10の原則 著者がこれまでに学んだことを振り返ると、下記の真のリーダーシップに必要な10の原則が浮かび上がってきます。 1.前向きであること リーダーは前向き、つまり熱意をもって高い目標に取り組まなければなりません。悲観的なリーダーは人々をやる気にさせることが出来ません。 2.勇気を持つこと 変化と競争が激しい世の中では、リスクテイクが必要であり、イノベーションは欠かせません。そしてイノベーションは、人々が勇気を持った時に生み出されます。 3.集中すること 最も重要で価値の高い戦略やプロジェクトに時間と労力を注ぎ込むことが極めて大切です。 4.決断すること 多様な意見を尊重しながら、タイムリーに判断を下し、実行する必要があります。 5.好奇心を持つこと 好奇心は場所、考え方との出会いに繋がります。イノベーションのきっかけは好奇心なのです。 6.公平であること リーダーは公平に接し、他者に共感できる近寄りやすい存在でなければなりません。 7.思慮深いこと 思慮深さとは知恵を身に着けるプロセスです。思慮深いリーダーの意見や判断は信頼できるし、正しいことが多いです。 8.自然体であること 正直でありのままのあなたでいましょう。敬意と信頼は、嘘のないリーダーによって育まれます。 9.常に最高を追求すること ほどほどで妥協しないことが大切です。改善の余地があると思ったら、もっといいものにするために力を注ぎましょう。 10.誠実であること 誠実であることは何より大切です。大きなことにも小さなことにも倫理的に高い基準を設けられるかが組織の成功を左右します。 これらの考えは著者の長いキャリアで体験した逸話や事例を読めばより具体的に、身近に感じられるでしょう。 下っ端時代 著者は大学を卒業後、テレビ局のABCで働き始めました。最初はスタジオ管理の仕事で、華やかなテレビの舞台とは違い、いじめなど、今ではクビになっているに違いない行為多い職場で長時間の雑用をしていました。 その後、クビになりそうになりながらも、スポーツ関係の部署に異動し、ルーンと出会います。彼から新しいものや証明されていないものを怖がったらイノベーションはできない事、そして「もっといいものを作るために必要なことをしろ」「最高を追求しろ」という教訓を学びました。 ルーンからはそのほかに、「イノベーションを起こさなければ死ぬ」「出来ないなら他の方法を探して目標を達成すること」「やってはいけないのは失敗することではなく、自分のせいでないフリをしたり、誰かに罪をなすりつけること」ということを学びました。 大抜擢 34歳の時に著者はABCスポーツのバイスプレジデントになりましたが、その後すぐにABCの四分の一の規模であるキャピタル・シティーズ・コミュニケーションズにABCは買収されました。 キャピタル・シティーズ・コミュニケーションズのトップ、トムとダンはテレビビジネスの変化を予見しておりましたし、コスト管理を徹底して、何でもかんでもお金をかけるのではなく、使うべきところにお金を使っていました。 ルーンはトムとダンによって今でやっていたスポーツと報道のどちらか一つに専念するように言われ、報道を選びました。 残された著者が所属するスポーツ部門のトップにトムとダンが指名したのは、スポーツ番組を担当したことのないデニスでした。デニスは知ったかぶりをせず、わからないことはわからないと言い、部下のことを第一に考えている人でした。 デニスがもともと心の広い人物だったのもありますが、この文化を作り上げたのはトムとダンでした。彼らは正直で敬意を持って人と接する人物でした。 著者は自分のことを馴染みのないことでもやり遂げる力があると証明したがる人物だと考えています。そういう意味では経験より能力を重んじ、本人ができると思っている以上の力を求められる仕事を部下に与えるトムとダンは理想の上司でした。 その後トムとダンは著者をABCエンターテイメントの社長に任命しましたが、エンターテイメント業界出身でない人間をABCエンターテイメントのトップに据えるのははじめてのことでした。ですがトムとダンは「君ならできる」とその仕事を与えました。 首位奪還 ABCエンターテイメントのトップに着任してすぐは、戸惑いもありましたが、「やるべきことをやれ」「経験がないということは言い訳にはならない」と心に刻みました。 そんな時にどうするかというと、自分を偽らず、謙虚に知らないことを知るところから始めなければいけません。 トップという立場でも必要なことは聞き、理解できないことははっきり認め、学ぶべきことは努力して早く学ぶことが大切です。本物のリーダーシップとは、自分が何者か知り、誰かのふりをしないことなのです。 著者がABCエンターテイメントのトップだった時、上手くいった番組もあればこけた番組もありましたが、著者が学んだことは努力不足はいけないが、避けられない失敗ならしてもいいと腹をくくらなければ、イノベーションは起こせないということでした。 その後、ABCテレビジョン・ネットワークの社長に就任してすぐ、ダンの引退と共にキャピタル・シティーズ/ABCのCOOに就任しました ディズニー入社 COOに就任後、キャピタル・シティーズ/ABCはディズニーに買収されました。 自分が社長、つまりディズニーのNo.2になれるかもと思っていた著者でしたが、実際には別の人が選ばれてしまいます。一瞬がっかりしたものの、仕事がうまくいくように努力することの方が先でした。 しかし、社長に就任した人物はCEOの右腕としては不十分で、自分の時間を管理し、他人の時間を尊重するという管理職に必要なスキルをまるでわかっていなかったし、他の人の問題に耳を傾け、解決策を見つける手助けをすということもしなかったため、当然ながら、その社長はクビになりました。 No.2 それから3年間、ディズニーにはNo.2を置かずに経営を続けました。 しかし、1999年の終わりにはずっと1人でディズニーの経営を切り盛りしてきたCEOのマイケルにしわ寄せがやってきました。彼がNo.2を指名したがらないことが、ディズニー全体に悪影響を与えてしまったのです。 著者が休暇中にCEOと取締役数人が夕食を共にし、後継者について話し合った際に、著者を後釜に据えることはないと、CEOは宣言しましたと聞かされましたが、後日著者がら呼び出されて言われたのはCOO、つまりNo.2に任命されました。 内紛 COOに指名された頃、伝統的なメディアの終わりが始まり、世界が変わろうとしている時代でした。 世界が変わっていることを誰よりも体現する存在が、アップルの経営者で、ピクサーのCEOであるスティーブ・ジョブズでした。 ピクサーはディズニーにとって重要なパートナーでしたが、アップルのやり方を非難するなどして、ディズニーとピクサーの(というかディズニーのCEOのマイケルとスティーブ・ジョブズの)関係は悪化していきました。 そのことに加え、同時多発テロが起き、標的にされかねなくなったということや、コムキャスト社がディズニーを買収しようとしていたこと、CEOのマイケルと重鎮取締役ロイ・ディズニーとの対立などがあり、ディズニーは問題が山積みになっていました。 問題が多くなりすぎたことから、結果的にマイケルは2006年の任期満了をもって引退することが決定し、ディズニーはそれまでに後継者を探さなければいけませんでした。 後継者選び 著者がCEOになるには、取締役が求めている変革者だと信じてもらわうために、説得しなければなりませんでした。 著者がやったことは三つの戦略的優先順位を決め、「自分たちの行きたい場所はここだ。そこにたどり着くにはこうすればいい」と伝えることでした。つまり。ディズニーや著者の過去の実績の話ではなく、未来の戦略を話しました。 しかし、ディズニーのCEO選びはなかなか進みませんでした。著者は取締役会、マスコミ等の質問、批判を受け、パニック障害を引き起こしたこともありました。 一連の出来事や世の中の評価を考えると、取締役会が変化を求めて外部の人を指名する可能性も充分に考えられましたが、最終的には著者がCEOに決まりました。 最初の100日 CEOとなった著者は、今後半年の間にやらなければいけないことをまとめました。その中には「ロイ・ディズニーとの和解」「ピクサー及びスティーブ・ジョブズとの関係を修復する」などがありました。 著者はロイ・ディズニーが求めていたのは敬意ということに気づきました。ほんの少し敬意を払うだけで信じられないようなことが起こり、逆に敬意を欠くと大きな損をします。敬意を払うというのは一見つまらなそうなことですが、敬意をもって共感をもって働きかけ、人を巻き込めば、不可能と思えることも現実になるのです。 ピクサー買収 新しいiPodでディズニーのテレビ番組を配信する件について、スティーブ・ジョブズと話し合うようにはなっていましたが、ピクサーの話に応じてくれても、ジョブズが持ち寄る条件はいつも、ピクサーの有利になるようなものばかりでした。 そんなとき、著者はピクサーを買収するという考えを思いつきます。そのことを緊張で汗が噴き出す中、そのことをジョブズに伝えると「あぁ、それならとんでもないってこともないな」と返答がありました。 ジョブズのと会議で、ジョブズはホワイトボードに片側に「メリット」、反対側に「デメリット」と書き、ピクサーを売却するデメリットを余るほど書いていきました。対して著者はメリットを一握りしか言えませんでした。 しかしジョブズは「メリットは少ないが間違いないものだし、沢山のデメリットより重要だ」と述べました。 ジョブズはメリットとデメリットのすべての重要性を推し量り、デメリットの多さに騙されてメリットの重みを、特に彼が成し遂げたいことを見失いませんでした。それこそがジョブズがジョブズたる所以でした。 ピクサー買収をする方向性で進めていた著者ですが、反対意見は少なくありませんでした。しかし、最終的には取締役会を説得、ジョブズから癌が再発した話も聞きましたが、買収は成立しました。 マーベル買収 2008年、良質なオリジナルコンテンツを増やすために、次に買収を考えたのはマーベルでした。 2009年、ようやくマーベルCEOのアイクと話し合う機会を作りました。彼は瀕死になったマーベルを手に入れて、その頭脳と執念で立て直したほどの人物でした。 アイクとの食事などを通じて、話を進めていき、買収することに同意してもらいました。 アイクが同意した決め手はジョブズでした。ジョブズは電話で「ロバート・アイガー(著者)は約束を守る人間」だと伝えたことが決め手となりました。 もちろんマーベルの社員には不安を感じる人間も少なくありませんでした。著者はピクサーを買収した際にも言った、「君たちらしさに価値があるのに、それを変えてしまったら買った意味がなくなる」という言葉をマーベル社員に伝えました。 スターウォーズ継承 マーベル買収を終えてから、ずっとルーカスフィルムは買収候補のトップに上がっていました。 ルーカスフィルムのジョージ・ルーカスの中では、ルーカス・フィルムはピクサーと同じくらい価値があったが、ディズニーにとってはそこまでの価値はありませんでした。いつかそうなる可能性はありましたが、そこにたどり着くまでには何年も努力し、偉大な作品を作らなければなりません。 守秘義務契約を結び、ルーカス・フィルムを調査し、適正な価格を提示、ジョージ・ルーカスは買収価格に合意しました。ただ、問題はジョージの役割でした。 経営者として彼に「好きな映画を好きな時に撮ってください」とは言えません。しかし、スターウォーズをジョージが手放すとは思えなかったのです。 結局、税制の改正もあって、彼は嫌々ながら買収に合意しました。彼にとってスターウォーズという自分の子供同然の手放すことは非常に辛いものでした。 彼の気持ちは痛いほどわかっていましたが、著者は経営者としての責務を果たす必要がありました。しかし、それでも彼には切実に接しました。 これまでのピクサー、マーベル、ルーカス・フィルムの買収に共通していたのは、支配的な所有者と信頼を築けるかでした。そしてその鍵は誠実であるかどうかです。 信頼を築けることでこの3社を買収し、良い関係でいることができたのです。 イノベーションか死か 3社の買収は終わり、自分達のコンテンツをテクノロジープラットフォームを使って直接消費者にコンテンツを届ける時が来ました。 そのためにやり遂げなければならないのははっきりしていました。イノベーションを起こすことです。できないなら生き残れません。 ディズニーはBAMテック社を完全買収し、支配的所有権を取得して、動画配信サービスを立ち上げることを発表しました。それがESPNプラスとディズニープラスでした。 その後、ディズニーは報酬制度の変更など、イノベーションに不要な伝統をどんどん捨てていきました。 正義の代償 イノベーションが業界を変えていることは間違いありませんでしたが、テクノロジーの変化よりも深い意味で社会の姿を変えるような変革が起きていました。 特にエンターテイメントの世界ではハリウッドやあらゆる職場でのセクハラや性別差別に対して行動が起こり始めていました。 ディズニーもまた、社員が安心して働ける環境を作り出し、維持するために、社内の全ての人が意見できるようなプロセスを置き、告発者を守ることを強調しました。 それから半年間は課題が山積みでした。動画配信サービス、人事問題、フォックスの買収に向けての分析と交渉などです。 さらに、ESPN社長のジョンが薬物問題を告白しました。彼は優秀な人物で、失うのは痛かったですが、正しいことをするために、ジョンは辞任、ディズニーはESPNとアニメーションという柱になる2つの事業のリーダーを失いました。 また、テレビシリーズ「ロザンヌ」の主演、ロザンヌ・バーがTwitterで炎上、商業的には存続が正しいですが、人として正しいことをするために「ロザンヌ」の打ち切りを決定しました。 未来への布石 フォックスの買収を進めていましたが、コムキャスト社がディズニーが提示した額よりもはるかに高い額を提示しました。 ディズニーはその額より高い額を提示、買収合意が発表されました。これにより買収の問題も収まり、良いタイミングで配信サービスの情報を株主に公開しました。 最終的には全てのディズニー作品、マーベル作品、さらにシンプソンズをはじめとする買収したフォックスの作品も提供できるようになること、スマートフォンのアプリがどのように動くか、月額料金はいくらなのかなどの説明をしました。 著者がここまで来れたのには素晴らしい指導者との出会いがあったからです。彼らからできる限り全て吸収しました。 著者はミッキーマウスクラブを見て育ち、生まれて初めて映画館に行った際にはシンデレラを見に行きました。そんな著者がディズニーの遺産を守り、次の世代に引き継ぐ立場になったことが信じられないと語っています。 世界中から権力者、重要人物だと祭り上げられても、自分を見失わないことがリーダーの本質です。自分を過信した瞬間、肩書きに頼り始めた瞬間に自分を見失ってしまいます。 人生のどの段階にいても、自分という人物は今も昔も変わらないということを心に留めてること、それが何より難しく、なによりも大切な教訓なのです。 (adsbygoogle = window.adsbygoogle || ).push({}); 個人的な感想 まず、少し驚いたことがタイトルでした。このタイトルだと、「7つの習慣」のように10の原則についてそれぞれの章で詳しく書かれているのかと思いきや、この本は著者であるロバート・アイガー氏の1974年の下っ端時代から2019年までを追体験し、この10の原則を彼のキャリアを通して理解するという内容でした。 そのような予想と違った面もありましたが、10の原則はもちろんのこと、どのような人と出会い、学び、力をつけていったか、そしてどのように会社を導いたのかを著者の実体験を通して学べる本ため、非常に理解しやすかったです。 また、読んでいて非常に楽しかった本でもあります。著者の人生を追体験できる本なので、続きが気になるのです。電車で読んでいて、目的の駅に着いた時は「この後ディズニーと著者はどうなるのか続きが気になるのに降りなくちゃいけないのか」と思えるほどでした。 特にスティーブ・ジョブズとのやり取りは特に面白く、また参考になりました。ジョブズと著者のような世界のリーダーの考えを私はできていませんが、「このように考えられるようにする」という目標を与えてくれました。もちろんその目標を達成するのは非常に難しいですが、著者の言う通り「熱意をもって高い目標に取り組むことが大切」なのだと思います。 一番参考になったのは、著者のように「地位、立場に関係なく、わからないことは聞いて理解する」「謙虚な姿勢で努力する」「目指すべきところ、やるべきことをはっきりさせる」ことが大切であるということです。これは誰にでもできることではないかもしれませんが、誰もが実践すべきことであると感じました。 あとはこの本に対する投資対効果ですが、定性的ではありますが、これは間違いなく投資額以上の効果があると思います。この本は2310円(2100円+税)でしたが、2310円でリーダーとしての心得や、著者の成功までの人生を追体験は普通出来ません。 読むことをおすすめできるのは、周りから信頼されたい、成功したいと思っている方です。社会人の方のほうが理解、共感は出来ると思いますが、実力をつけ、敬意と信頼を得たいと思っている学生の方にもおすすめできる本だと思います。 まとめ 以上が「ディズニーCEOが実践する10の原則」の内容の要約、感想になります。 ロバート・アイガー氏がどのようにして世界的なリーダーになったのかを追体験できる本であり、彼のキャリアを通じて、大切な10の原則が学べる本です。 面白い本であると同時に、皆様の年齢、立場にかかわらず参考になる本であり、読む価値は十分にあるかと思います。 もしご興味がありましたら、ぜひ読んでいただけたらと思います。 今回は以上です。それではまた。 リラ吉 ディズニーCEOが実践する10の原則 価格:2310円(税込、送料無料) (2021/6/16時点)楽天で購入

【2021年 6月】ポートフォリオ・運用実績紹介

皆様こんにちは。リラ吉、リラ子です。 6月頭に投稿したポートフォリオの記事から、1ヶ月経過いたしました。 今回は第5回ポートフォリオ公開をさせていただき、前回と比べてどう変化したのか見ていきたいと思います。 リラ吉ポートフォリオ 株・ETF 銘柄株数取得単価現在値評価額損益損益(%)TSLA10$176.75$679.70$6,797.005,029.50284.55%AMZN1$1,946.57$3,440.16$3,440.161,493.5976.73%VOO7$285.40$393.44$2,754.08756.3137.86%MSFT10$165.38$270.90$2,709.001,055.1663.80%AAPL12$82.18$136.96$1,643.52657.4166.67%SPYD30$28.84$40.09$1,202.70337.3738.99%VYM10$82.25$104.77$1,047.70225.1727.38%NEE12$57.16$73.28$879.36193.4528.20%HDV9$82.19$96.53$868.77129.0417.44%JNJ5$141.12$164.74$823.70118.0916.74%ABBV7$87.31$112.64$788.48177.2829.01%JPM5$97.03$155.54$777.70292.5660.30%XOM12$43.32$63.08$756.96237.0945.61%MO15$42.11$47.68$715.2083.5313.22%PM7$74.98$99.11$693.77168.9432.19%KO10$46.75$54.11$541.1073.6115.75%PG4$121.51$134.93$539.7253.6711.04%DIS3$169.07$175.77$527.3120.113.96%CRWD2$155.42$251.31$502.62191.7861.70%VZ8$56.17$56.03$448.24-1.08-0.24%ARCC20$14.06$19.59$391.80110.5639.31%AGG3$114.92$115.33$345.991.230.36%PBCT19$13.53$17.14$325.6668.6726.72%SMH1$257.05$262.24$262.245.192.02%VT2$103.25$103.61$207.220.720.35%TDOC1$166.20$166.45$166.450.250.15%合計   $30,229.58+$11,552.34+61.85%  グラフ var ctx = document.getElementById("myMixChart"); var myMixChart = new Chart(ctx, { ...

【書評】DXの本質とは?「アフターデジタル2 UXと自由」の要約・感想

皆様こんにちは。リラ吉です。 近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉を聞くことが増えました。 DXとは「文書や手続きを単に電子化するだけではなく、ITを徹底的に活用することで、手続きを簡単・便利にし、蓄積されたデータを政策立案に役立て、国民と行政、双方の生産性を抜本的に向上することを目指します」と経済産業省は定義しており、その考えから、リモートワークやデリバリーフード、銀行振り込みなど、様々なものがオンライン上で出来るようになっています。 しかし、日本はデジタル化が遅く、オフラインのものが多いというのが現状です。 ではDXの実現にはどのようなことが必要なのでしょうか?そしてDXが実現された社会とはどのような社会なのでしょうか? 本記事ではそれらのことについて書いてある藤井 保文さんの本「アフターデジタル2 UXと自由」について書きたいと思います。 内容の要約 オフラインのない状態がくる 中国の都市部では現金の使用率が5%以下まで低下し、モバイルペイメントの利用が浸透しています。デリバリーフードもアプリで済ませ、都市部の移動もシェアリング自転車を使う人が増えています。 このようにもともとオフラインだったものが次々とオンラインデータ化し、個人のIDと紐付けられ、膨大な行動データが利活用可能になっています。日本もだんだんとそうなってきています。そして行動データを利活用できないプレイヤーは負けていく時代なのです。 アフターデジタル社会において成功企業が共通で持っている思考法を「OMO」と言います。OMOは「オンラインとオフラインを分けるのではなく、一体のジャーニーとして捉えて、これをオンラインの競争原理から考える」というものです。 ジャーニーとは人の行動、思考、感情などの見える化したものを指します。これにより、オンライン、オフラインという区別を意識しなくても、そのとき最適な方法を選ぶことができます。 これまでは製品を販売するというゴールに向かって企画、生産し、売っていくというビジネスモデルでした。これからは製品はあくまで顧客との接点の一つと考え、他の接点である、アプリ、店舗などと等しく扱われます。 すべての接点が1つのコンセプトでまとめ上げられ、その世界観を体現したジャーニーに顧客が載り続け、企業は顧客に寄り添い続ける、そうした新しい型(バリュージャーニー)に変化します。このバリュージャーニーの時代では顧客を状況レベルで理解するほど強くなります。 ソフトバンクの孫正義はペイメント機能に始まり、移動、飲食、金融など生活インフラ機能を全方面でとらえたアプリを「スーパーアプリ」と表現しました。スーパーアプリで重要なことは「いかにして、日常の様々なことに使ってもらうか」になります。スーパーアプリはアジアでは中国が先行しています。 一方でGAFAという世界最強のプラットフォーマーがある米国では、プラットフォーマーに頼りすぎず、テクノロジーをまとったブランドが中間業者を挟まず顧客にダイレクトにつながるD2Cという動きが生まれてきています。D2Cブランドは、従来の顧客に製品を販売していくモデルではなく、テクノロジーを駆使してリレーションを作っていくモデルです。 日本はデジタル化が遅れている国です。その理由の一つが「日本はホワイトリスト方式」だからです。ホワイトリスト方式というのは「やっていいことを決め、それ以外はやってはいけない」という管理の仕方です。決めたことしかやってはいけない為、自由度が低くなります。 対して米国などはブラックリスト方式、つまり「やってはいけないことを決め、それ以外は一旦はやっていい」という管理方法です。これは自由度が高く、デジタル化を進める上では良いです。しかし、企業や個人に責任を負わせることになるため、社会問題が発生した場合、大企業でも容易につぶれるリスクもあります。 アフターデジタル型産業構造の生き抜き方 決算プラットフォーマーはアフターデジタル型産業構造において、強い立場にいます。 中国のアリババとテンセントは細やかなUX(新たな顧客体験)にまで一気通貫しています。アリババのアリペイとテンセントのWeChatペイにそれが反映されていて、ほとんどの人が両方使っています。 この二つは同じカテゴリーのサービスですが、異なるミッションでそのカテゴリを捉えています。例えば送金を例にするとアリペイは送られてきたお金がそのままウォレットに入りますが、WeChatペイは受け取るというアクションを取らないとウォレットには入りません。 このように聞くとアリペイの方が便利に聞こえます。しかし、著者の経験として、プロジェクトの打ち上げの際に奢ろうとしたら部下の1人が「私もお金を出します」とWeChatペイで100元送ってきました。 この時、著者は奢る気だったので当然受け取りませんでした。しかし、部下も受け取らずに返金されることがわかっていて100元を送ってきました。このような日本でよく行われる「奢ってもらえるのはわかっているけど、一応財布を出すポーズだけはする」のようなお金のやり取りというコミュニケーションをデジタル上で出来るのです。テンセントの狙いは全てをコミュニケーション化することなのです。 アリペイは商取引の円滑化が優先です。受け取りアクションを取り入れると取引を通じて沢山の人から送金があると無駄なことが増えてしまいます。このようにアリババとテンセントは同じ機能でも同じサービスにならないのです。 このように機能やUXだけでなく、展開戦略やミッションが反映され、企業の「社人格」のようなものが現れます。結果、ユーザーには「この企業はこういう存在である」と認識されるのです。 アフターデジタル型産業構造になることで、最も恐怖を感じているのはメーカーです。メーカーは顧客接点の頻度が低く、顧客理解の解像度が低くなってしまいます。 しかし、例えば電気自動車メーカーのNIOは「鍵を渡してからが仕事」と言っています。NIOは購入者限定の会員サービスがあります。どちらかと言えば会員サービスを買うために600〜700万円支払い、ギフトとして車を差し上げているくらい車を差し上げるようなものです。 通常、メーカーは購入時のみしか接点を持てませんが、NIOは定常サービスによって顧客との接点を確保し、いつまでも顧客の相談に乗れるような関係性を作っています。 価値の再定義も必要です。中国においてスターバックスは30分に届いたコーヒーは味が落ちていると考え、デリバリーに参入していませんでした。その結果、ラッキンコーヒーがデリバリーを開始し、店舗拡大をしてしまいました。 対策としてスターバックスは専属配達員を配備しました。通常、デリバリーアプリで注文すると30分前後かかりますが、専属配達員は1 to 1配送を実施するため、注文後10分前後で配達してくれます。 スターバックスはユーザーがすでにその便利さに移行しているという捉え、スターバックスらしいデリバリーは何か、アフターデジタル型のスターバックスが提供する価値とは何かを再定義しました。 時代に合わせて価値を再定義して技術を正しく導入すれば、アフターデジタルの時代においても大きく成長することができます。 誤解だらけのアフターデジタル 中国で起きたことが日本で同じことが起きるかというと、そうとは思えません。国家の運営体制、経済構造、文化背景の3点が日本と中国では異なるからです。 中国では決済プラットフォーマーが頂点にいて、その下にサービサー、さらに下にメーカーが位置します。 しかし、日本では同様のヒエラルキーにはならないでしょう。中国の人口は14億人、そのうち5億人が使うアリババやテンセントの決済プラットフォームと5000万人が使う日本のプラットフォームでは、参加企業のインセンティブが大きく異なります。 より多くの企業が、よりユーザーの多いプラットフォームに乗ってくるので、ユーザーの選択肢も増え、さらに多くのユーザーが使うようになります。そうすると、企業にとってのメリットも増え、さらに多くの企業が参加します。 決済プラットフォーマーとしてアフターデジタル方産業構造のトップに立つには「圧倒的な資金力」「考え抜かれたUXによる圧倒的なユーザー数」の二つの条件が必要なのです。 日本におけるDXは「デジタルを導入せよ」という命令が出てしまい、「顧客提供価値をアフターデジタル社会に照らし合わせて定義する」という議論が抜けがちです。ユーザーにどのようなUXを提供するのかを考える前に業務や人事のデジタル化を先に行ってしまいます。 また、ユーザーの状況理解とそこに提供するらUXの企画がないまま、DXを進めようとしてしまっています。UXはUIと一緒に使われがちですが、GAFAやアリババ、テンセントではUXは「ユーザー、ビジネス、テクノロジーの3つが関わり合う時に生まれる体験」と捉えています。 優れたUXが高頻度で長く使ってもらえるものを生み、それがビジネスの全てを決めると理解しているからです。 UXインテリジェンス 目指すべきは「多様な事由が調和する、UXとテクノロジーによるアップデート社会」、つまり「人々がその時々で自分に合ったUXを選べる社会」です。これは民間企業が社会のアーキテクチャー設計を担うことを意味します。言い換えると企業のDXが社会のDXを形作るのです。 しかし社会のDXを念頭に置かないと企業のDXも上手くいきません。そして、社会に受け入れられるDXを成し遂げるには、どんな世の中にしたいかという企業家精神が不可欠なのです。 しかし、こうした精神を持たない企業がデジタル化を進めてしまい、データが悪用され、そうした事例がいくつも世の中に出てしまうと、社会発展が止まってしまう可能性が高くなります。 データはUXに還元し、ユーザーとの信頼関係を作ることを最優先にし、心の底から共感できる世界観を提供しなければならないのです。その実現に重要なケイパビリティ(組織的な能力)は「ユーザーの置かれた状況」を考える「UX企画力」なのです。 日本の企業への処方箋 日本企業がDXを推進する場合、組織内部の課題が非常に多いです。経営レベルでアフターデジタルの世界観を理解し、社長から現場まで同じイメージ(DXの必要性、目的)で共有するライン作る必要があります。  また、命令型組織ではなく、上も下も横も対話と議論ができる対話型組織でないとDXは実現できないとも言われています。 DXの目的は「新しいUXの提供」であり、その成功に対しては「組織としてのバリュージャーニーの企画運用ができるようになる」ことが重要です。仮に失敗しても、そこから得た経験からチャンスを見出すこともできます。 そして早く実現に動きながら、本気でケイパビリティの獲得と組織化への集中こそがDX実現の近道なのです。 感想・意見 この本は今の日本に必要なこと、多くの方が気が付いていないであろうDXの本質について書かれてあっておもしろく、学べることも多かったです。そのため、社会人、学生問わずおすすめできる本だと思います。 また、中国の事例を多く紹介していますが、そのレベルの高さに驚かされたと同時に、日本のデジタル化の遅さに焦りを感じさせられます。 私が勤める会社でも多くの企業がそうしているようにDX専門の部署がありますが、そこに所属はしていなくても、DX成功、というより生き残る為に、どのように差別化された優れたUXをユーザーに提供するのか、組織としての能力をどのように上げるべきか真剣に考え、提案しなくてはならないと感じました。 個人的には単純ではありますが、会社内での教育、そして対話型組織を作ることが大切かと思います。 対話型組織は間違いなく必要ですが、上下関係なく議論が環境があっても、同じイメージを持たなくては意味がありません。同じイメージが持てないようだと方向性がバラバラになりますし、場合によっては話が進まないからです。 そして同じイメージを持つには、社内での教育が重要かと思います。この教育というのは能力アップはもちろんですが、自社、競合他社、社会の状況を教える、知るということも含まれます。これらの状況を知ることで、目指すべき場所の想像がしやすくなるからです。 ただ正直なところ、差別化されており、優れたUXを提供するシステムのイメージを共有し、理解することは出来ても、そのシステムを社内で、場合によっては世界で最初に考える、イメージするというのはあまりにも難しいです。 これには「ロケット科学者の思考法」についての記事でも書いたように、「一見無用に思える好奇心からくる研究や思考実験がひらめきを明らかにする」のだと思います。 またOODAループにおける「みる(意識して観る、観察する)」「わかる」も重要かと思います。自社、競合他社、社会を観察し、自分の世界観を元にして、課題ややるべきことを理解することによってアイディアが浮かぶのではないかと思います。 まとめ 以上が「アフターデジタル2 UXと自由」の要約、感想になります。 今の日本にとって必要なことが書かれており、この本に書かれていることを知っているだけで、失敗する可能性(=時代に取り残される可能性)は格段に減るかと思います。 また、実例も多く書かれているので理解しやすい内容です。 社会人の方にも学生の方にもおすすめできる本ですので、ご興味のある方はぜひお手に取っていただけたらと思います。 今回は以上です。それではまた。 リラ吉